減損会計について

参考資料:「減損会計」について

平成17年4月1日以後開始事業年度から本格的に導入されました減損会計について、『PCA 固定資産シリーズ』では、対応しております。

なお、減損会計の詳細については、
「固定資産の減損に係る会計基準」(平成14年8月9日 企業会計審議会)
「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(平成15年10月31日企業会計基準委員会)
をご参照ください。

 

【減損会計とは】

「減損」とは、“資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態”をいい、減損会計では、このような場合、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額する会計処理を行います。

 

【適用時期】

原則

平成17年4月1日以後開始事業年度

平成17年4月1日以後開始事業年度中間会計期間

早期適用

平成16年4月1日以後開始事業年度から早期適用可

平成16年4月1日以後開始事業年度中間会計期間

平成16年3月31日~平成17年3月30日までの終了事業年度も早期適用可

但し、中間会計期間は対象外

但し、中小企業については、中小企業庁によれば事務手続上の負担等から「固定資産の減損に係る会計基準」に基づく会計処理を義務とする必要はないとされています。

 

【適用対象資産】

有形固定資産

土地、建物(本社・工場等)、機械装置及び建設仮勘定等

無形固定資産

営業権、借地権及びのれん(連結調整勘定)

投資その他の資産

長期前払費用(権利金など)

  • ファイナンス・リース取引(賃貸借処理)に係るリース資産についても、適用対象

  • 他の基準(「金融商品に係る会計基準」、「税効果会計に係る会計基準」など)において評価方法が規定されている資産は対象外

 

【減損処理後の減価償却計算】

減損処理を行った資産については、減損損失を控除した帳簿価額に基づいて減価償却費の計算を行います。

当該減価償却計算においては、減損損失を控除した帳簿価額から減損後残存価額を控除した金額を企業が採用している減価償却方法に従って、規則的・合理的に配分するため、減損前と比べ、減価償却計算の基礎となる以下の金額が変化します。

減損直後の帳簿価額

「減損前帳簿価額-減損損失額」が減損後の帳簿価額となります。

減損後残存価額

耐用年数到来時点において予想される正味売却価額とされますが、簡便的に税法に基づく残存価額を正味売却価額として用いることも認められています。

  • 『PCA 固定資産シリーズ』においては、税法基準の場合は税務上の残存価額、会計基準の場合は会計上の残存価額を初期値としています。

減損後耐用年数

経済的耐用年数を残存耐用年数とし、その期間で減価償却計算を行うことなりますが、税法に基づく残存耐用年数を用いることも認められています。

  • 『PCA 固定資産シリーズ』においては、税法基準の場合は税務上の残存耐用年数、会計基準の場合は会計上の残存耐用年数を初期値としています。

償却率

償却率は耐用年数や残存価額等に基づき算定されるため、残存耐用年数を変更したことに伴い、償却率を見直す必要があります。

  • 『PCA 固定資産シリーズ』においては、減損後耐用年数と減損後残存価額を基に、償却率を合理的に計算しています。但し、以下の場合については、ご注意ください。

 

定率法で減損後残存価額がゼロの場合

定率法で減損後残存価額が「0」と見積もられた場合は、上記の償却率の計算ができないため、「リース取引の会計処理及び開示に関する実務指針」に準じて、残存価額を10%として計算した減価償却費の金額に簡便的に10/9を乗じた額を各期の減価償却費として計上する計算方法が認められています。(Cf. 「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」)

 

U残存価額10%として計算した減価償却費の金額

[(調整前)当期償却額*]× 10 / 9

 

*『PCA 固定資産シリーズ』においては、[(調整前)当期償却額]として、以下のように計算しています。

[(調整前)当期償却額]=(【前期の】計算の基礎となる金額
-【前期の】調整前当期減価償却額)×税法上の定率法償却率

定率法の計算の具体例

(1)  取得価額「1,000」、残存価額(10%)「100」の資産を減損し、減損直後の簿価「500」、減損後残存価額「100」、残存耐用年数「8年」にします。

この場合、減損直後の簿価「500」、減損後残存価額「100」、減損後耐用年数8年により見直した償却率「0.182」により当期償却額の計算を以下のように行います。

(減損後)当期償却額 = 500×0.182=91 となります。

以後、翌年以降、以下のように計算していきます。

(減損後2年目)当期償却額 = (500-91)×0.182=74

(減損後3年目)当期償却額 = (500-91-74)×0.182=60

(減損後4年目)当期償却額 = (500-91-74-60)×0.182=50

(減損後5年目)当期償却額 = (500-91-74-60-50)×0.182=40

(減損後6年目)当期償却額 = (500-91-74-60-50-40)×0.182=33

(減損後7年目)当期償却額 = (500-91-74-60-50-40-33)×0.182=27

(減損後8年目)当期償却額 = (500-91-74-60-50-40-33-27)×0.182=22

結果、減損直後の簿価「500」-(91+74+60+50+40+33+27+22=397)=103 となり、8年目で償却がほぼ終了します。

(2)  (1)と同じ条件

取得価額「1,000」、残存価額(10%)「100」の資産を減損し、減損直後の簿価「500」、減損後残存価額「0」、残存耐用年数「8年」にします。

この場合、【定率法で減損後残存価額がゼロの場合】(前ページ「償却率」参照)に該当するので、残存価額10%として計算した減価償却費の金額に簡便的に×10/9をし、以下のように当期償却額計算を行います。

(減損後)当期償却額 = 500×0.25*×10/9=138

* 税法上の耐用年数「8年」の定率法償却率「0.25」となります。

以後、翌年以降、以下のように計算していきます。

(減損後2年目)当期償却額 ={500-(500×0.25)}×0.25×10/9={500×(1-0.25)}×0.25×10/9=104

(減損後3年目)当期償却額 ={500×(1-0.25)×(1-0.25)}×0.25×10/9=78

(減損後4年目)当期償却額 ={500×(1-0.25)×(1-0.25)×(1-0.25)}×0.25×10/9 =58

(減損後5年目)当期償却額 ={500×(1-0.25)×(1-0.25)×(1-0.25)×・・・}×0.25×10/9=44

(減損後6年目)当期償却額 ={500×(1-0.25)×(1-0.25)×(1-0.25)×・・・}×0.25×10/9=33

(減損後7年目)当期償却額 ={500×(1-0.25)×(1-0.25)×(1-0.25)×・・・}×0.25×10/9=25

(減損後8年目)当期償却額 ={500×(1-0.25)×(1-0.25)×(1-0.25)×・・・}×0.25×10/9=18

 

結果、減損直後の簿価「500」-(138+104+78+58+44+33+25+18=498)=2となり、8年目で償却がほぼ終了します。

『PCA 固定資産シリーズ』における取扱い

『PCA 固定資産シリーズ』において、減損会計の登録手順は以下のとおりです。

(1)  会社基本情報の登録

メニューの「前準備」-「会社基本情報の登録」の「環境設定」タブで、「減損損失:計上する」を選択してください。

(2)  減損グループの登録

  • メニューの「前準備」-「減損グループの登録」で、新規グループの作成を行ってください。

  • 「減損グループの登録」については、詳しくは「前準備」-「減損グループの登録」をご覧ください。

(3)  減損資産の登録

  • 減損グループの減損損失が算定された場合、「減損損失額」を各資産に配賦し、必要に応じて、「減損後耐用年数」「減損後残存価額」を調整します。

  • 「減損資産の登録」については、詳しくは「資産」ー「減損資産の登録」をご覧ください。

(4)  資産登録

  • 各資産に配賦された「当期減損損失額」、「減損損失累計額」を資産登録画面にて確認することができます。

  • 「当期減損損失額」、「減損損失累計額」等、減損資産については、台帳・一覧「減損資産一覧」でも、確認することができます。

(5)  事業年度の繰越

  • 「減損損失額」が配賦された資産については、翌四半期から「当期償却額」等の計算に反映されます。

  • 繰越後の事業年度において、資産登録画面の【減損後】画面の内容を確認してください。これらの内容をもとに「当期償却額」の計算は行われています。

 

【台帳・一覧】

以下の台帳・一覧が変更されます。

  • 固定資産台帳(一)

  • リース資産一覧

  • 月次償却額一覧

 

【その他注意事項】

  • 商法上の繰延資産は減損の対象外です。

  • 一括償却資産については、減損には対応しておりません。

  • 償却資産税には影響しません。