損益分岐点計算書

累積データを元にして、変動損益計算書を集計し、さらに計算結果を損益分岐点図表としてグラフ化します。前年比較、予算比較、シミュレーションを行うこともできます。

勘定科目をどの分析項目で集計するかの設定を変更する場合は、ツールバーの[固変区分]ボタンをクリックしてください。詳細は、「操作手順-固定・変動科目を設定するには」をご覧ください。

「e-文書法」対応文書管理ソフト『PCA Hub eDOC』との連動については、「『PCA eDOC』との連動について」をご覧ください。

  • 『PCA 会計システムA』『経理じまん(jiman含む)』ではご使用になれません。

≪変動損益計算書とは≫

すべての費用を、売上に伴って増減する“変動費”と増減しない“固定費”に分類して集計した損益計算書を指し、売上高、変動費、限界利益、固定費、経常利益から構成されます。

通常の損益計算書は、人件費などの固定費が製造原価に含まれるため、利益が売上に比例しませんが、変動損益計算書は、利益と売上の変動を把握するのに便利です。

  • 売上高:損益計算書と同じです。

  • 変動費:売上に伴い増減する費用です。商品仕入高、原材料、外注費などが該当します。

  • 限界利益:売上高から変動費を差し引いた利益です。

  • 固定費:売上が増減しても変動しない費用です。給与、役員報酬、地代家賃、減価償却費などが該当します。

  • 経常利益:損益計算書と同じです。

本処理で指標として表示される項目は以下のように計算されています。

  • 損益分岐点売上高:限界利益=固定費で営業利益が“0”になる売上高です。

    • 条件指示画面の「その他の設定」-「営業外損益を損益分岐点の計算に含める」にチェックを付けると、営業外損益を固定費として扱い、損益分岐点売上高を計算します。
      この場合、経常利益が“0”になる売上高を指します。

  • 限界利益率:売上に対する限界利益の割合です。(限界利益÷売上高)

  • 変動比率:売上に対する変動費の割合です。(変動費÷売上高)

    • 限界利益率=(1-変動比率)

  • 損益分岐点比率:売上に対する損益分岐点売上高の割合です(損益分岐点売上高÷売上高)。

    数値が低いほど収益性が高く、かつ売上の減少に耐える力がある、とされています。

  • 安全余裕率:売上に対する(売上高-損益分岐点売上高)の割合です((売上高-損益分岐点売上高)÷売上高)。

    売上高が損益分岐点からどれだけ離れているかを表しますので、数値が高いほど安全性が高い、とされています。

    • 安全余裕率=(1-損益分岐点比率)

変動損益計算書で限界利益率を求めることにより、次のことが把握できます。

目標利益を得るための売上=(固定費+目標利益)/限界利益率

変動損益計算書を活用することにより、利益を多くするには、

  • 売上をどのくらい増やせばよいのか   

  • 限界利益率を何%上げればよいのか

  • 固定費をどのくらい減らせばよいのか

がわかります。

ヒントと注意事項

  1. 処理をするユーザーに対して、参照ロックが設定されている場合、表示・指定に以下の制限があります。

    • 科目:分析項目(売上高~営業外費用)にロック科目が存在する場合、処理を起動することはできません。

    • 部門:ロックされている部門(部門グループ)は指定できません。また、「指定なし(全社集計)」を行うこともできません。

  2. 伝票の帳票への反映、承認、承認の解除、伝票の修正・削除には、いくつかの条件を満たす必要があります。

    条件については、 「データ入力」-「データ入力処理の概要」の「ヒントと注意事項」 をご覧ください。

  3. 損益分岐点図表のグラフの単位は、条件指示画面の「出力単位」の指定により以下のように変わります。

    • そのまま出力:

      売上高が6桁までの場合、そのまま円単位で出力します。

      売上高が7~9桁の場合、千円単位で出力します(端数は切り捨て)。

      売上高が10桁以上の場合、百万円単位で出力します(端数は切り捨て)。

    • 千円単位で切り捨て・切り上げ・四捨五入:

      千円単位に処理した後の売上高が6桁までの場合、そのまま千円単位で出力します。

      千円単位に処理した後の売上高が7桁以上の場合、百万円単位で出力します(端数は切り捨て)。

    • 百万円単位で切り捨て・切り上げ・四捨五入:

      そのまま百万円単位で出力します。

  4. グラフを作成できない条件は以下のとおりです。

    • 売上高、変動費、固定費のいずれかがマイナス金額である

    • 売上高が0円である

    • 損益分岐点売上高が固定費以下である

    • 変動費が売上高より大きい

    • 以下のように損益分岐点売上高がグラフ内に収まらない場合

      • 売上高≦変動費+固定費×3/5である

      • 損益分岐点売上高が0以外、

        かつ、損益分岐点売上高×変動費÷(損益分岐点売上高-固定費)>売上高上限

        • 売上高上限は出力単位により異なります。

           出力単位が「そのまま出力」 → 999,999,999,999

           出力単位が「千円単位で出力」 → 999,999,999

           出力単位が「百万円単位で出力」 → 999,999

      • 損益分岐点売上高が0以外、

        かつ、損益分岐点売上高×変動費÷(損益分岐点売上高-固定費)<0

画面

メニューの「分析処理」-「損益分岐点計算書」を選択すると、以下のような画面が表示されます。

≪「変動損益計算書」タブを選択した場合≫

≪「損益分岐点図表」タブを選択した場合≫