株式会社バンガードシステムズ様

導入事例

世界的に優れた技術を持つものづくり企業で、受注管理における「紙」からの脱却に成功。プログラミング知識の無い一人の社員がノーコードでDX推進︕

自社の業務をよく知る社員が、業務プロセスを刷新するシステムをノーコード^(※1)で実現。その代表的な事例が株式会社バンガードシステムズだ。同社は世界的に見ても稀少な技術を持つものづくり企業。その受注・発注システムを「紙」から脱却させ大きく改善したのは、SIer^(※2)ではなく一人の社員だった。同社のDXを縁の下から支え成功させたキーパーソンに、導入メリットを伺った。

導入の狙いと効果

導入の狙い

紙による受注システムを変更したい。
受注から出荷までの流れを正確に把握したい。
売上データの報告作業を軽減したい。

導入の効果

業務負担が3分の１から5分の１へと軽減！！
『PCAクラウド商魂』×『kintone』の連携で、紙を使わない情報共有を実現。
『PCAクラウド商魂』×『kintone』の連携で、受注・発注後の流れの”見える化”に成功。
『PCAクラウド商魂』×『kintone』×『Garoon』ポータルの連携で、ポータル上から正確な売上データを確認。

導入システム

PCAクラウドイニシャル”0”プラン（Type24 12CAL）
- PCAクラウド会計
- PCAクラウド給与
- PCAクラウド固定資産
- PCAクラウド商魂
- PCAクラウド商管
PCAクラウド商魂・商管データ連携オプション
PCAクラウドWeb-API ^※3
クロノスPerformanceクラウド ^※4
kintone ^※5
Garoon ^※6

※1：『ノーコード』とは、ソースコードの記述をせずにアプリケーションやWebサービスの開発が可能なサービスのことです。

※2：『SIer(エスアイアー)』とは、システムインテグレーション業務の構築や導入を請け負うシステム開発企業のことです。

※3：『PCAクラウド Web-API』は、『PCAクラウド』と他のクラウドサービス等をシームレスに連携させることが可能なサービスです。

※4：『クロノスPerformanceクラウド』は、クロノス株式会社の製品です。

※5：『kintone』、※6：『Garoon』は、サイボウズ株式会社の製品です。

導入企業とプロフィール

株式会社バンガードシステムズ

住所	〒359-0021 埼玉県所沢市東所沢1-27-23
設立	1986年10月24日
資本金	5,000万円
従業員数	60名
URL	https://www.hp-vanguard.com/
Twitter	https://twitter.com/tw_vanguard
Youtube	https://www.youtube.com/channel/UC1Va2ZnOBh-EzMQPivJjPcQ/
業務内容	◎ME事業部モーションコントロール製品を主体とした各種ドライバ・コントローラおよび応用製品の開発・製造・販売、テーピングマシンの開発・販売 ◎テーピングサービス事業部テーピング加工および外観検査サービス

導入前の運用と課題

“紙”による管理方法から脱却したい

株式会社バンガードシステムズはモーター関連製品の開発・製造・販売を行う「技術の会社」だ。大きく2つの事業を展開しており、テーピング加工の事業部では卓上型テーピングマシンを世に先駆けて販売。製品をわずか1日でテーピングする1DAYサービスも人気を呼んでいる。

もう一方のモーションエンジニアリング事業部（ME事業部）では、トルク制御（ねじりの強さ）において「微力な力の制御」という世界的にも希少な技術を持つ企業であり、国内外から高い評価を受けている。スマートフォンや車載機器など、私たちの身近にも同社の技術に支えられた製品が多い。

このような先進のテクノロジーを持つ企業だが、じつは受注から出荷までの管理において、前までは紙を中心とする管理を行っていた。

「注文を受けると『PCA商魂』に入力し受注伝票を作成。同時に同じ内容をExcel®データにも入力し、出力した受注伝票を各担当者に渡していました。つまり注文が入るたびにプリントアウトした伝票を、様々なフロアで仕事をしている担当者の元に、歩いて持って行っていました」（ME事業部久保恵子氏）

わざわざ別の階まで伝票を持って行き、そこで初めて担当者の休暇を知ることもあったという。また、受注伝票の内容に変更があれば、『PCA商魂』だけでなく久保氏が管理していたExcel®データの修正も行わなければならなかった。

「『PCA商魂』と私の管理するExcel®データに差異が生じないよう、こまめに照合していましたが、じつはまだ他にも管理している受注データがありました。売上把握のためサーバー内に置いていたデータです。このように紙と複数のExcel®データによる管理を続けており、もっとスマートで確実に情報共有できる方法を探していました」（久保氏）

[取材にご協力頂いたお客様]
株式会社バンガードシステムズ
ME事業部
久保恵子氏

選定のポイント

実現したいことは、ペーパーレス化とデータ管理のしやすさ

スマートで手間を軽減でき、かつ確実に情報共有できる受注管理の方法を模索していた久保氏だが、PCAでセミナーが開催されていることを知った。

「セミナーに参加してみました。そのセミナーの後にPCAの社員と相談できる場が用意されていました。その際にPCAがサイボウズのkintoneと連携する案内をもらいました」（久保氏）

新しい受注管理システムについて久保氏の希望していた点は、
①ペーパーレス化：受注伝票をその都度出力し各担当者に出向いて渡さなくてもよいシステム。
②データの管理のしやすさ：データを一元化でき、かつスムーズに情報共有できること。

この2つを実現できるシステムとして『PCAクラウド商魂』×kintoneの連携による受注データ管理システムを選択した。

導入のメリット

『PCAクラウド商魂』×kintoneの連携で課題を見事に解決

現在、同社のME事業部では次のような受注管理を行っている。

①注文を受けると『PCAクラウド商魂』にて蓄積された商品情報をもとに受注伝票を作成。
②受注データはkintoneと自動連携。
③営業社員はkintone上の注文書データにコメント入力などを行う。
④kintoneをプラットフォームにして営業⇒資材⇒製造と各担当者が確認・報告・承認を行う。

これによって「ペーパーレス化の実現」「一元化されたデータを関係者間で共有」の2つの課題が見事に解決できた。

「ペーパーレス化はみんなが望んでいたことです。当社は所沢以外に相模原にも拠点があり、場所を問わず注文書を見ることができ、さらに受注内容の詳細も把握できます。ペーパーレス化を実現することで、同時に情報の共有化も実現できました」（久保氏）

同社のように『PCAクラウド商魂』を受注管理システムの最初の入り口にし、その後をkintoneで運用するケースもあれば、最前線の営業社員がkintoneを利用して最初に受注データを入力し、その後の処理を『PCAクラウド商魂』で行うケースもある。各企業の実情に合わせて、どちらをフロントにして運用するかを柔軟に決められるのも、PCAとkintoneの連携の特徴といえるだろう。

連携機能を応用し、社内ポータルから売上詳細をいつでも確認

同社ではサイボウズのグループウェアGaroonを利用している。そのポータル上から売上や受注額などを確認できるようにし、重要な数字の可視化・共有化も実現している。具体的にはGaroonポータルに受注額を確認できるボタンを設置。これは『PCAクラウド商魂』と連携させたアプリケーションの一つであり、ボタンをクリックするだけで正確かつ最新の受注額を把握できる。

この連携によって、これまで大きな負担になっていた数字の報告についても、工程を大きく軽減できている。

「以前は売上データをExcel®でまとめ、見やすいように加工してから上層部に渡していました。これがなかなか時間のかかる作業でした。しかし今ではGaroonポータルの売上・受注ボタンをクリックすれば、『PCAクラウド商魂』で管理している売上データを確認できます。先月はどのような商品が売れ、どの得意先からの受注が多かったかなど、先月分の売上の詳細を正確に知ることができます」（久保氏）

売上データ以外にも、経費の取りまとめや労働時間の管理などもGaroonポータルを利用しており、情報の共有化・迅速化について以前とは大きく様変わりしている。

テレワークでも受注の流れを止めることなく進められた

今回のシステム導入によってテレワークも大きく推進できた。同社が『PCAクラウド商魂』とkintoneの連携による現在の受注管理システムを本稼働させたのは2020年7月～11月にかけて。第1回目のコロナ対策緊急事態宣言の後になる。その後、幾度にわたって緊急事態宣言が発令されたが、同社の場合は『PCAクラウド』によって早い段階からテレワークができる環境を整えていた。

「現場あってこその製造業ですから、部署間の様々な調整は必要でした。部署によってテレワークに対する考え方の違いもありました。しかし結論からいえばテレワークでも受注の流れを止めることなく進められました」（久保氏）

ノーコードで連携。IT技術者がいなくてもDXを推進できる

『PCAクラウド商魂』とkintoneの連携によって、業務負担・入力の工程については、体感的には3分の1あるいは5分の1まで軽減できたと久保氏は感じているそうだ。

「個人的には、毎月の数字の報告業務を減らせた点は助かりました。どの商品がどのお客様に売れたのかを、以前なら自分の目で数字を拾っていましたが、今は『PCAクラウド商魂』でほぼ自動的に出せます。Excel®の加工も地味に大変な作業でしたが、それも今はポータルを見るだけで数字を関係者間で共有できます」

そして今回のシステム導入で得られたメリットには、「見える化」も大きいと久保氏は語る。

「今、あの商品はどこまで進んでいるんだろうか？あの時渡したあの紙はどこを回っているんだろう…。そういうことがなくなったんです。でもコミュニケーションは変わらずに取りたいので、紙はなくなりましたが、現場に出向く回数は大きく減らしていません」（久保氏）

このように大きな導入メリットをもたらすことのできた今回の『PCAクラウド商魂』とkintoneの連携だが、そもそもこの連携作業やポータルへの反映は、SIerを使うことなく久保氏一人で実行・成功させている。

「プログラミング知識はまったくありません。しかし連携については事例も参考にしつつ、ネットにでている情報がかなり役立ちました」（久保氏）

PCAでは『PCAクラウド商魂』『PCAクラウド会計』と、kintoneをノーコードで連携できるプラグインをリリースしている。専任のIT技術者がいなくても、同社のようにDXを推進することが可能だ。

今後の課題と展望

2021年1月から同社は神田工業グループの一員として、新体制のもとで製品開発力やサービス開発力をより一層高めている。

「微力な力の制御」など世界的に見ても優れた技術を持つ同社は、より安定的な環境のもとで、さらに精度の高いものづくりを行っていく。今後は『PCAクラウド商管』を連携し在庫管理についても見える化を図りたいと語っている。

株式会社バンガードシステムズ HP
https://www.hp-vanguard.com/

ピー・シー・エーから一言

営業部からのコメント

『PCAクラウド』をご利用いただきありがとうございます。
お客様の業務効率改善に貢献できたことを大変うれしく思います。
私自身、実際の改善点を直接お客様からお聞きするということが初めてであった為、とても貴重な体験となりました。
今後の営業活動において、業務改革でお困りのお客様に「プログラミング知識がなくとも、ネットの情報を参考にするだけで、ノーコードで、シームレスな連携システムがたった一人で実現できた」成功事例としてご紹介させていただきます。
またお聞きできた今後の課題につきましても、各システム間のシームレスな連携をノーコードで実現できるKintoneや『PCAクラウド』を利用して見える化の実現に貢献したいと考えております。
引き続きPCA製品のご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
営業部インテグレーションチームからのコメント

『PCAクラウド』および『PCAクラウド連携プラグイン』をご利用いただき誠にありがとうございます。
『PCAクラウド』×『kintone連携』に当社が取り組み始めたころから関心をもっていただき、プラグインのリリースと同時に活用いただきました。
『PCAクラウド』の得意な部分を生かしつつ、苦手な点をキントーンで補う業務フローの構築を自社内で完結することは、『PCAクラウド』×『kintone連携』の理想的な形でありますが、決して簡単なことではありません。
しかし、それを実際に推進し実現できている点にとても感銘を受けました。
特にGaroonポータルを使った情報共有は他のお客様でも活用できるとても良い事例だと感じました。
商管でも活用できるようプラグインのラインナップ拡大を検討しております。
今後も『PCAクラウド』×『kintone連携』で貴社の課題解決に寄与できれば幸いです。
引き続き、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
PCA商魂・商管開発チームからのコメント

『PCAクラウド商魂・商管』をご利用いただきありがとうございます。
『kintone』との連携で業務効率改善に貢献できたことを大変うれしく思います。
『PCAクラウド商魂・商管』のWeb-APIでは在庫数の照会・集計にも対応しているので、在庫管理の見える化を図る際の連携にご活用いただければ幸いです。
引き続きPCA製品をご愛顧のほどよろしくお願いいたします。