導入事例

株式会社 オールインワン 様

株式会社 オールインワン 様

『PCAクラウド』×『kintone』で独自の売上予測システムを構築。開発工数と費用を抑え、自社にフィットしたシステムを実現

静岡県沼津市に本社を置く株式会社オールインワン。ソフトウェア開発やECサイト構築、エンジニア派遣などを手掛け、大企業から街の商店街まで顧客層は幅広い。同社は『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携によってコストと工数を抑えた、独自の売上予測システムの構築と運用に成功している。「従来ならもっと費用と工数がかかったはず」のシステムは、どのようにして実現できたのだろうか。

導入の狙いと効果

導入の狙い
  • 会計・給与・人事の各種データを一元化し、その情報資源をビジネスに活かしたい。
  • 社内インフラ整備のため、なるべく費用や工数は抑えたい。
  • 重要なデータを確実に守れる、高いセキュリティのシステムにしたい。
導入の効果
  • 各種データを『PCAクラウド』で集約。『kintone』とのAPI連携によって、集約されたデータを活かし、出先から人別損益計算書を確認が可能になったことによりエンジニア派遣にフィットしたシステムの構築を実現。
  • 『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携は無償のプラグインアプリも充実。開発工数を減らすことで費用も抑えられた。
  • タブレットからは『kintone』アプリを利用し、重要なマスターデータは『PCAクラウド』に保存。マスターデータにアクセスできる社員を絞りこみ、便利かつ安全な運用を実現。

導入システム

  • PCA クラウド プリペイドプラン (Type6 3CAL)
    • PCA会計hyper クラウド
    • PCA給与hyper クラウド
    • PCA人事管理hyper クラウド
    • PCA商魂 クラウド
  • PCAクラウド Web-API※1
  • kintone※2

※1:『PCAクラウド Web-API』は、『PCAクラウド』と他のクラウドサービス等をシームレスに連携させることが可能なサービスです。

※2:『kintone』はサイボウズ株式会社の提供するサービスです。

導入企業とプロフィール

株式会社 オールインワン

株式会社 オールインワン

資本金 1,000万円 従業員数 31名
所在地 〒410-0886 静岡県沼津市浅間町12 メゾン・グランツ沼津浅間1F
設立年月日 昭和55年8月5日
URL https://www.allin-one.jp/
業務内容

【 IT事業部門】
〇労働者派遣業
〇クラウド・ソフトウェア及びハードウェアの企画、開発、制作、販売及び保守事業
〇コンピュータのソフトウェアの開発、ならびにサービスの提供
〇パソコンスクール・カルチャー教室等の開設指導および経営
〇kintone+基幹システム連携・API開発・プラグイン開発
【 電気・土木部門】
電気工事業/土木工事業/管工事業/労働者派遣業

導入前の運用と課題

商談のスピードに乗り遅れないよう、情報資源を一元化し、スムーズに活用したい

株式会社オールインワンはソフトウェアの制作や請負開発、エンジニアの出向、ECサイトの開発などを中心に、映像制作やCM制作まで手掛けるエンジニア集団だ。大手IT企業や自治体、街の商店街まで多くの顧客からその高い技術力が評価されている。

同社は事業の大きな柱の一つであるエンジニア派遣業において、以前は売上管理や支払管理などのデータを社員間で共有しづらい状況だった。それぞれのデータが別々のソフトで管理されていたり、プログラミングに慣れた社員によって、VBAを組んでデータ管理を行っていたりするケースもあった。

しかしそれでは自動的なデータ反映は難しかった。またPCAソフトは導入していたものの、入力できるパソコンが限定されていた。

「結局、データの集約だけでも二重三重に作業が発生し、最新データをタイムリーに更新できていませんでした。一番困ったのが営業社員で、顧客との商談中にノートパソコンを開いて数字を確認しようとしても、その数字がいつ更新されたのかがわかりづらく、商談のスピードに乗り遅れてしまうのが課題でした」(システム事業統括部 濱川昂一氏)

情報をタイムリーに共有でき、さらにその情報資源をスムーズに活用できる方法はないだろうか?そこで検討されたのが『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携だった。

株式会社 オールインワン システム事業統括部 濱川 昂一 氏

株式会社 オールインワン
システム事業統括部
濱川 昂一 氏

開発室での作業風景

開発室での作業風景

選定のポイント

PCAの充実したサポート体制。そして工数を抑えた機能拡張

同社は以前からPCAソフトを利用しておりPCAのサポートはよく利用していた。しかし今回、『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携の利用に際し、別途有償の「PSIP制度※3」を利用した。

「PSIPのサポートで感心したのが、当社の開発系の社員が質問をする機会も多いのですが、そのレスポンスが速いことです。技術的な難しい質問をしても数時間程度で答えが返ってきて、その内容も的確。こちらのやりたいことをすぐに理解してくれるので、連携についても、問題なく進められると考えました。担当営業もこちら側の利益もよく考えた提案やできない場合の代替案をだしてくれることも信頼感へとつながりました。」

『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携には、サポート面以外にもまだメリットがあると考えたそうだ。まずは、新しく機能を追加する際に必要なプラグインアプリが最初から用意されていること。これによって開発する側は工数を減らして機能を拡張させることができる。

また『PCAクラウド Web-API』には技術者向けの入門サイトがあり、技術情報やサンプルコード、さらには技術者向けテスト利用申請(3ヵ月間)なども無償で行える。クラウドサービスが現在のように普及していなかった頃から、PCAはクラウドサービスのセキュリティ対策や導入しやすいコスト・環境などを先駆けて形にしてきた歴史もある。

「実際に当社では開発工数を抑えたうえで、事業の柱であるエンジニア派遣にフィットしたシステムの構築・運用に成功しています」

※3:PSIP制度:PSIP(PCA Sys-tems Integration Partner)制度は、PCAソフト・サービスとの連動システムの開発・提供を行っていただくパートナー様に、開発に必要なプログラム、ドキュメント、情報を提供する有償の制度です。

導入後の効果

一人当たりのエンジニアの売上予測が瞬時に判明するシステム

現在同社では次のような運用を行っている。『PCA会計hyper クラウド』『PCA商魂DX クラウド』『PCA人事管理hyper クラウド』『PCA給与hyper クラウド』に集約されたデータを、営業社員は出先から『kintone』で作成された画面を使って確認。タブレットの『kintone』アプリから請求書データ・見積書データ・社員データ・得意先入金状況などをいつでも確認できる。

なかでも営業社員にとって便利なのが、人別損益計算を出先から確認でき、商談に活かせることだ。濱川氏が「事業の柱であるエンジニア派遣にフィットしたシステム」というのはこの人別損益計算を活用したシステムのことで、エンジニア派遣・開発請負業務において大きな導入効果を出している。

同社には本社内での開発請負を行う社員・エンジニアと、顧客企業に派遣され開発請負を行う社員・エンジニアがいる。それぞれにスキルや実績は異なり、派遣の場合は勤務期間や交通費にも違いが出てくる。これらの各データは『PCA人事管理hyper クラウド』『PCA給与hyperクラウド』『PCA会計hyper クラウド』にそれぞれ蓄積されており、これらのデータを組み合わせ、『kintone』アプリとのAPI連携によって「一人の社員・エンジニアが、派遣先あるいは社内での開発プロジェクトにおいて、どれぐらいの期間でいくらぐらいの利益を見込めるか」を営業社員が把握できるシステムを構築している。

「営業社員が出先から社員・エンジニアの一人当たりの売上予測を確認できることで、商談の場での判断も出しやすくなります。商談のスピードに乗り遅れないようにするという当初の課題は、これによってクリアできたことになります」営業からの報告のスピードも5~10分から数分に短縮できただけでなく、その後の売上・請求業務も決裁を含め、1週間ほどかかっていた作業が2日に短縮できたという。

無償のプラグイン利用で、売上予測システムを構築

大手の派遣会社などでも、派遣登録者の売上予測を出す自前の大掛かりなシステムを保有・活用しているだろうが、同社は社員数約40名の企業。なるべくなら社内インフラには費用をかけたくないのが本音だ。その点でも『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携にはメリットがあったという。

「これまでなら先述したシステムを完成させるには、それなりの開発工数がかかっていたはずです。しかし『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携は無償のプラグインも充実していたことから、多くの手間をかけずに対応できました」

本格的な運用はもう少し先になるが、同社ではさらに進化させた採用システムを開発している途中だ。

「最初から最後までオンラインで完結できるシステムです。面談はweb会議サービスを利用しますが、一般的な履歴書だと書き忘れることのあるスキルや資格などを、『kintone』のフォーマットを利用することで洩れなく入力できるようにし、ポートフォリオや誓約書などもweb上で管理可能とします。ここに当社がすでに運用している人別の売上予測を組み合わせると、さらに具体的な採用活動ができると考えています」

コロナ禍の長期化が懸念される今、このオンライン採用システムを自社だけでなく顧客企業へも提案していく予定だ。

導入しやすいコスト、データの安全な管理もAPI連携の特徴

『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携がもたらすメリットは、他にもまだまだあると濱川氏は語る。

「『kintone』をタブレットなどのフロントに、そのバックエンドを『PCA』にすることで、ライセンスを増やさなくても利用でき、かつ安全な運用が可能になります」

評価情報の人事データや請求や支払い、売上データなど、いずれのデータも安全に管理したいものばかりだ。これらのマスターデータを『PCAクラウド』なら厳重に管理することができる。ライセンス数(同時接続台数)を増やして、場所や時間を選ばずに閲覧・入力できる環境を拡げる方法もあるが、マスターデータをさわれる社員数をなるべく限定させておきたい企業も多いだろう。そのような場合に現場の従業員は『kintone』アプリのみの入力にすることで、マスターデータのセキュリティを高め、ライセンス数を抑えることもできる。

「まだまだAPI連携ならではの特徴があり、例えばエンジニアの育成においてもAPI連携は可能性を秘めていると思います。かつて若手エンジニアはまず大量のコーディング作業から始め、それはそれで勉強になっていましたが、API連携へと移行し、よい意味でノウハウの敷居が低くなっていると思います。少し余談になりますが、当社と同じような事業を展開しているIT企業では、新人の教材としてもこのAPI連携は打ってつけのような気がしますね」

株式会社 オールインワン HP

株式会社 オールインワン HP
https://www.allin-one.jp/

構築システム概要

今後の課題と展望

働き方が変わりつつある中、企業や地域の人々に貢献できるシステムを

同社は『PCAクラウド』と『kintone』のAPI連携を、社内インフラにとどめず顧客への提案も検討している。すでに多くの企業のHPやECサイトの制作も行っているが、「社内インフラの整備だけでなく、培ったノウハウを使って、開発工数を抑えたツールとして他の業種やクラウドなどで業務効率化を目指しているお客様に提案できたらと考えています。」

「要望をあえて挙げるとしたら『kintone』側から労働条件などの人事情報が取り込めるようになったらより便利になります」

今後働き方が変わっても、完全オンライン採用システムや街の商店街の人も使いやすいECサイトの構築など、同社の仕事は今後さらに価値を増していくだろう。

ピー・シー・エーから一言

  • 『PCA人事管理』開発チーム コメント

    『PCA人事hyper クラウド』をご利用いただきありがとうございます。
    API連携により業務効率化に貢献でき、非常に嬉しく思います。
    労働条件通知書データのAPI取得についても、お客様のご要望にお応えし、公開予定で作業を進めています。
    引き続きPCA製品をご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

  • 『フレームワーク』開発チーム コメント

    『PCAクラウドWeb-API』および『kintone』とのAPI連携をご利用いただきありがとうございます。

    PCAは他社に先駆けてWeb-APIを提供しており、特にkintoneとのAPI連携には注力しております。
    これらの仕組みを活用することによって、商談スピードの向上に貢献できたことを非常に嬉しく思います。
    また、IT企業のお客様から、エンジニアを育成する教材になり得るとのお言葉を頂き、大変光栄に存じます。

    今後も製品APIを強化していき、お客様の業務効率化に貢献していきたいと思っております。
    引き続きPCA製品をご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

  • 営業部 コメント

    PCAクラウドのご利用ありがとうございます!

    標準機能以外の情報「従業員のスキル・営業活動内容など」から今回の記事でご紹介した売上予測の他にも、受注予測や月次の債権と債務の推移、といったPCAだけでは実現できない部分がございました。
    そこで、他のツールを利用してデータの統合が出来ないか?というお話から、いくつかツールをお試し頂いた結果、PCAクラウドと親和性の高いサイボウズ社のkintoneをご採用頂きました。

    自社業務改善を実践しながら顧問先にも改善提案を行っておられるので、今後、新たな業務改善をお考えの企業様に、先進導入事例としてぜひ紹介させていただきたく思います。

様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。