導入事例
税理士笠原清明事務所 様

BPOプラン導入成功のために、会計事務所が優先すべきものとは?「顧客メリット」を最大限に考えた『PCAクラウド』活用法
数多くの会計事務所の中で、いち早く『PCAクラウド』を導入した税理士笠原清明事務所。現在、約30社の顧問先がクラウドを導入し、迅速な会計処理を実現している。実際に顧客からも高い評価を得ているが、この成功への道のりは決して平坦ではなかった。会計事務所が顧問先へクラウドを勧めるためには、いったい何が鍵になるのか?数多くの書籍を執筆し、その「わかりやすさ」で人気の笠原清明先生に、『PCAクラウド』の顧問先導入について、明快なアドバイスをいただいた。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
-
- 規模が拡大する顧問先の事務量を、スムーズかつスピーディーに処理したい。
- 中小企業の顧問先にも、『PCAクラウド』による効率化を勧めたい。
- 導入の効果
-
- 『PCAクラウド』によってデータを一元化。遠隔地の経理処理も迅速にスムーズに行える。
- 『PCAクラウドBPOプラン』によって低料金でクラウド利用。会計事務所としての付加価値も加えることで、導入先では効率化に成功。
導入システム
- PCAクラウド BPOプラン (10GBモデル 50CAL) ※
※1: 【BPOプラン】 会計事務所・社会保険労務士事務所・アウトソーシング向けプラン
- PCA会計X クラウド
- PCA給与X クラウド
- PCA商魂X クラウド
- PCA商管X クラウド
- PCA公益法人会計V.12 for SaaS
- PCA建設業会計V.7 for SaaS
※ 2012年10月に、『PCA for SaaS』から『PCAクラウド』へ名称を変更いたしました。
導入企業とプロフィール

税理士笠原清明事務所
※税理士笠原清明事務所は、新宿御苑前税理士法人へ名称を変更しました。記事内容は、社名変更前のものです。
従業員数 | 5名 |
---|---|
主業種 | 税理士事務所 |
業務内容 | 税理士業務、PCAクラウドの顧問先への導入コンサルティング |
所在地 | 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-6-5 シガラキビル6F |
設立年月日 | 昭和59年6月1日 |
URL | http://www.maps-keiri.gr.jp/ |
企業説明 |
「中小企業の経理をわかりやすく」をモットーに、パソコンとパッケージソフトを利用した「街」の会計事務所です。パソコン経理のことなら、財務会計、何でもおまかせください。 |
導入前の課題と選定のポイント
複数の支店を持つ企業の経理を、スピーディーに確実に処理したい
昭和59年の開設以来、30年にわたって「中小企業の経理をわかりやすく」をモットーに掲げてきた税理士笠原清明事務所。顧客の中には、本社以外に支店や営業所を持つ企業が少なくない。そのような場合、必ず問題になるのが支店の数字を本社の経理へ取り込むための手間と時間だ。
「A社の場合、20店舗のお店から本社へ出納帳がFAXで送られ、その数字を本社スタッフが再入力していました。しかし規模が大きくなるに連れ、事務量も残業も増える一方です。同様の悩みを多くの顧問先様から相談されていました」
このような事例の解決手段として、自社サーバーを利用したネットワーク化がある。しかし中小企業にとってサーバーの購入費用は高い。そこで「基本的にサーバーが要らない」+「データを一元化でき、無駄な再入力をなくす」、それができるのが『PCAクラウド』だった。 同事務所ではPCAがクラウドサービスを開始して間もない2011年に導入したが、もちろん当初は不安や障害も大きかったという。

所長
税理士
笠原 清明氏
なかなか良さを理解されないクラウド
「顧問先のデータをリアルタイムに見ることができる。」「事務所のPCで顧問先の仕訳を訂正することができる。」というポイントでクラウドの導入を顧問先に提案したが、ことごとく断られた。顧問先からは「おたくは楽になっていいね」「会計事務所のために入れるのだから費用を持つなんてとんでもない」「顧問料を下げてくれるの?」などと否定的な意見ばかりだった。
確かに多くの顧問先は既に各社の会計ソフトを導入済みなので、操作方法が変わるなど会社側に大きな負担がかかる。
また、もう1つ懸念していることがあった。「処理スピードが心配で、当時はかなり気になっていました。スピードを気にした理由は、顧問先様がクラウド導入によってレスポンスがワンテンポでも遅くなることをシビアに見られていたからです。」
クラウド導入の最初の鍵は、経営トップの判断
経理担当者の立場で見るだけではなかなか見いだせなかったクラウドのメリットであったが、経営者の立場から考えてみれば、その答えは簡単に出た。『PCAクラウド』のメリットはまさに経営者が求めているものだと笠原氏は語る。
「データを一元化することで二度手間がなくなり、ミスも事務量も人件費も減ります。仮に6つの支店を抱える飲食店の場合、1店の数字の再入力に3時間かかったとすると計18時間の入力時間が発生します。時給2,000円で経理スタッフを雇用した場合は直接人件費だけで36,000円です。特に経理の仕事は波があり、繁忙期のピークに合わせて雇用することが多く経営面を圧迫しますが、これらの人件費も『PCAクラウド』によって抑えられるわけです」
また、本支店の合計売上など、欲しい数字をいつでも確認できる点も経営者の立場からは大きな意味がある。経営者がこういったコスト面やスピード面で『PCAクラウド』の良さを実感すると、やがてその良さは経理の現場にも伝わっていく。実際に、多くの顧問先では約1カ月程度でクラウドやPCAソフトに慣れるそうだ。
「懸念していたレスポンスも、Xシリーズになってからスピードは大きく改善されていましたので問題ありませんでした。今までのソフトからPCAソフトに乗り換えることで画面も操作も変わるため、負担を強いられる経理現場での抵抗もありましたが、メリットが上回れば理解してもらえることがわかりました。」
導入後の効果
最優先すべき点は、会計事務所ではなく顧問先様のメリット
経営トップに『PCAクラウド』の良さを理解していただく上で、絶対に忘れてはならないことがあると笠原氏は語る。それは「あくまでも顧問先様のメリットを最優先する」ことだ。
「クラウドの利便性を、顧問先本社⇔会計事務所の関係だけで考えると、クラウドの真の良さは伝わりません。しかし顧問先本社⇔支店、あるいは本社⇔工場など、顧問先様の立場でコストをいかに抑えてスピードアップを図り、スムーズに経理処理を行えるかを考えれば、おのずとクラウドの良さはご理解いただけます。その結果、当事務所では『PCAクラウド』を途中でやめられた企業様はいらっしゃいません。皆さん、継続してお使いになられています」
企業の特色に応じて、クラウドがもたらす効果も多様
このように顧問先のメリットを最優先に考え導入された『PCAクラウド』によって、次のような成功例を列挙していただいた。
B社の場合、社長夫人が経理を担当。家と会社のPCでUSBメモリを持ち運び処理を行っていたが、2台のPCを使うことでバックアップ・リカバリの手間もかかり、データが混ざって、最新の正確なデータがわからなくなってしまったことがあった。しかしクラウド導入によって、現在は最新データを確実に一元管理できている。
C社の場合、多くの営業社員が日本各地に出張しセールスを行っているが、旅費の精算はExcel®で作成し本社へ送信していた。本社経理スタッフはそのデータを会計ソフトに再入力していたが、会社規模が拡大し経理スタッフの負担はかなり重くなっていたという。そこで営業社員のノートPCに『PCA会計X クラウド』を導入。営業社員は自分の精算にかかる帳簿や勘定科目に直接入力でき、本社経理スタッフはその確認だけで済むようになった。営業社員からもExcel®データ作成の手間が省け、自動的に正しい数字が計算されるため便利だと好評だ。
D社では金融機関に急ぎで財務諸表を提出しなければならない場合でも、クラウドから印刷すればよいだけなので、すぐに準備ができることや、クラウド上のデータを会計事務所メンバーに確認してもらうことで、安心感が得られ高い評価をいただいている。
ほかにも『PCAクラウド』ならではのメリットはたくさんあると笠原氏は語る。例えば大きな会社の場合、経理部門が数字をつい抱え込んでしまう傾向がある。しかしクラウドならば、会計事務所側から数字を確認できるため、場合によっては不正防止の大きな歯止めにもなる。
会計事務所の場合、『PCA会計』や『PCA公益法人会計』などをクラウドで利用するケースが多いが、税理士笠原清明事務所では、『PCA商魂』『PCA商管』も積極的にクラウド利用を勧めている。同事務所が販売管理にも詳しいという背景もあるが、『PCA商魂』『PCA商管』が販売管理ソフトとして非常に優れているからだと笠原氏は評価しているからだ。
最後の重要な鍵は「会計事務所としての付加価値」
「経営トップの賢明な判断」「顧問先様のメリットを何よりも最優先」に加えて、もう一つ、会計事務所が顧問先へ『PCAクラウド』導入を勧める際の鍵になるのが、「会計事務所としての付加価値」だという。その一例が「ID設定(領域ユーザー、処理レベルの設定)」だ。
「クラウドでデータ共有できることは便利ですが、支店スタッフが本社の重要な経理データを見ることになっては困ります。そこで顧問先様のニーズや業種の特徴、会社規模など様々な点から、最も適切なID設定を行います。そして当事務所内でもダブルチェックを行い、実際に画面に入ってこのIDからは何と何が入力でき、何を閲覧できないかを再確認しています」
企業の経理担当者から「BPOプランの方がよいのか、それとも当社で直接『PCAクラウド』を契約した方がよいのか?」という質問を受けることもあるという。確かに台数によっては、直接企業が『PCAクラウド』を契約した方が安い場合もある。しかしBPOプランでは、このような会計事務所ならではの視点によるID設定、また同事務所では入力説明会等も開催しており、こういったノウハウを加えることで顧問先にメリットを与えられるのだと笠原氏は語る。
実際に『PCAクラウド』を途中でやめた企業がなく、毎月の使用料を高いと言う企業もない事実は、これらの付加価値がその要因だと考えられるだろう。

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今後の課題と展望
便利なツール有りきではなく、解決策の一つとしての『PCAクラウド』
笠原氏からは、今後のPCAのクラウドサービスに対する様々なアイデアや要望もいただいた。例えば、新しくBPOプランを始めることにした会計事務所にとって、不明点や疑問点は山のようにある。そこですでにBPOプランを開始している会計事務所が導入支援を行うこともできるだろう。
また、スマートデバイスをより多くの顧問先様に利用していただくために、業種に応じた『PCAクラウド スマートデバイスオプション』の機能があるとさらに便利に入力できるとも話す。そして「わかりやすさ」というキーワードは、常に意識してほしいと笠原氏は指摘する。
「正確さにこだわるあまり、技術者の言葉でマニュアルを作成しても、確かに表記のミスはありませんが一般の人には通じません。なるべく平易な言葉で、目的や疑問からたどっていけるようなマニュアル作りも期待しています」
『PCAクラウド』を便利なツールとしてとらえる以前に、顧客へのコンサルティングを重要視し、顧客の悩みや問題をじっくり聴き取り、その解決策の一つとして『PCAクラウド』があると考えている税理士笠原清明事務所。その姿勢がBPOプラン成功の大きな鍵になるのだろう。

PCAクラウド契約ユーザーは無償で利用可能です。同時接続ライセンスで集計時のみログオンするため、無駄なライセンス消費を抑えます。要望の多い機能から順次機能を追加予定。無償でアップデートが可能です。
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ピー・シー・エーから一言
『PCAクラウド BPOプラン』をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
専門士業の先生方を通じて小規模事業者様でもクラウドのメリットを享受していただきたいと考え、コンサルティングツールとしてご活用いただけるよう開始しましたサービスがBPOプランです。
笠原先生のような「事務所の付加価値・サービス」と『PCAクラウド』の組み合わせは、まさに当初願っておりましたサービス・運用形態です。
今後、BPOプランをご検討いただく会計事務所等の立ち上げ支援等もサービス化していただき、『PCAクラウド』のメリットを広めていくご協力をいただければ幸いです。
引き続き関与先様との関係性強化のツールとして『PCAクラウド』をご活用いただければと思います。
『PCA会計X クラウド』をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
『PCAクラウド』を途中でやめられた企業様がいないというお話を聞き、とても嬉しく思っております。ご要望いただきました『PCAクラウド スマートデバイスオプション』の業種別入力機能等については、今後検討していきたいと思います。
これからも一般の方に通じる「わかりやすさ」を目指してまいりますので、末永くお引き立ていただきますよう、よろしくお願いいたします。