導入事例
TTC株式会社 様 導入事例
PCA製品の柔軟性を活かして、多品種の在庫管理・販売管理に対応できるシステムを確立。問屋任せにせず自社で在庫をコントロールできる仕組みをつくる。
旅行用品や文具用品、製図用品から計算尺まで手掛けているTTC株式会社。とりわけ旅行用品のメーカーとしては国内トップの知名度を誇っており、自社開発による優れた商品力・品質の高さで多くのファンを抱える企業だ。同社はPCA製品によって多品種の商品の販売管理を行っており、いちはやく『PCAクラウド』の価値に気付いた企業でもある。同社代表取締役社長 高橋利典氏自身が率先して効率的なシステム環境を実現してきた。その軌跡と実際の効果を伺った。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- サーバー管理の負担を軽減したい。サーバーレスの環境で運用したい。
- WMS(倉庫管理システム)と連携させたい。
- 商品を確実にコントロールできる大手企業の在庫管理・販売管理システムに、引けを取らないシステムを作りたい。
- 複数のECサイトの受注・売上データを効率よく処理したい。
- 導入の効果
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- 『PCAクラウド』によってサーバーレスの環境を実現。サーバー管理やサーバー入れ替えの心配は無用に。
- PCA製品ならWMSとの連携も柔軟にできる。単にデータを受け流しするだけでなく、それをクラウドという環境でより便利に連携できる。
- PCA製品やその他のパッケージソフトを上手に組み合わせていくことで、中小企業でも大手企業の在庫管理・販売管理と遜色のないシステムを構築でき、問屋任せにしない在庫管理ができる。
- 『PCAクラウドAPI』により全てのECサイトからの受注データがそのまま『PCA商魂X』『PCA商管』へ反映されるため合理化が図られた。
導入システム
- PCAクラウド イニシャル’0’プラン (Type72 48CAL)
- PCA商魂 クラウド
- PCA商管 クラウド
- PCA給与 クラウド
- PCA会計 クラウド
- PCAクラウドAPI※1
1)『PCAクラウドAPI』により開発した、カスタマイズプログラムが利用できるサービスです。2016年2月より、『PCA Client APIライセンス』に製品名称を変更させて頂いております。
導入企業とプロフィール
TTC株式会社
※株式会社コンサイスは、TTC株式会社へ社名を変更いたしました。記事内容は社名変更前のものです。
資本金 | 2,000万円 | 従業員数 | 100名 |
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主業種 | 旅行用品の製造・卸 | ||
業務内容 | 旅行用品、文具用品、製図用品、計算尺 | ||
本社・工場所在地 | 〒132-0035 東京都江戸川区平井2-16-23 | ||
設立年月日 | 1954年(昭和29年)7月1日 | ||
URL | http://www.concise.co.jp | ||
企業理念 | TTC株式会社は、円形計算尺のメーカーとして昭和29年7月に設立されました。 その後、洋裁定規、製図用品、デザイン用品、旅行用品、皮革製品、ブックカバーなど高品質で機能的な製品を創り続け、 多くの方々に喜んでいただいております。 現在でもTTC株式会社の製品は、日本の自社工場で製造することを基本としています。 それは、私たちの製品には一朝一夕には真似できない技術と工夫が施されており、そこに優秀な技術者の力がなければ 造ることができない製品、既製の工作機械などでは簡単に製造することができない製品が多数あるからです。 今後とも「使ってみて本当に良かった」と言っていただけるような製品を、私たちは「創り」そして「造り」続けてまいります。 |
導入前の運用と課題
増える拠点と従業員。トップ自らによるサーバー管理には限界がある
学生時代に使った三角定規や分度器、そして旅行のスーツケースに巻くベルトや飛行機の中で使う携帯枕など、TTC株式会社の商品を実際に使ったことのある人は多いだろう。旅行用品の企画・販売において同社は長年日本を代表する企業として活躍しており、自社開発ならではの優れた機能性や品質で高い評価と人気を得ている。
多くの人にとってなじみのある商品を持つ企業ではあるが、その会社規模は決して大きいわけではない。代表取締役社長 高橋利典氏のもと少数精鋭の従業員たちによって構成されている。当初、高橋氏は同社にパソコンが1台もない時代に経営に加わった。そのため高橋氏自身が販売管理に適したソフト選びはもちろんのこと、サーバー管理もすべて担ってきたという。
「拠点が増えたときの新たなサーバーの設置や、クライアントPCを増やす際の設定など、当社のシステム環境は詳しい人からアドバイスを受けつつも、ほぼ私一人で作り上げメンテナンスも行ってきました。しかし営業所や従業員が増え、私一人の管理に限界を感じていました。また私がほぼ一人で管理してきたため、社内にメンテナンスができる人材を育てることもできないままでした。いつかサーバーを持たない方法ができるといいなあと思っていたところ、PCAが先駆けてクラウドサービスを開始し、PCAソフトを選んでおいてよかったなあと思いました」(高橋氏)
選定のポイント
パソコンが1台もない会社に、わかりやすくソフトの説明をしに来たPCA
同社では『PCAクラウド』を導入する以前から、『PCA商魂』『PCA商管』『PCA会計』によって販売管理や会計処理を行ってきた。同社がPCA製品を導入したいきさつには営業姿勢が影響したエピソードがある。
「新しく何かを導入する際には、いつも必ずしっかり比較検討してから決めています。会計ソフトの選定についてもPCAを含めて大手ソフトウェアメーカーにはほぼ問い合わせました。ところが当時は社内にパソコンが1台もない状況。それを伝えたせいなのか、説明にすら来てくれないメーカーが多かったです。しかしPCAはその状況を伝えても、ちゃんとここに来て詳しくソフトの中身について説明してくれました。他社メーカーの説明会にも参加したのですが、正直、ソフトの中身に大差はないという印象でした。最終的には当社に足を運んでわかりやすい説明をしてくれたPCAを選び、結果、『PCAクラウド』のサーバーレスのメリットも得られました」(高橋氏)
WMS(倉庫管理システム)とのフレキシブルな連携
オンプレミスでPCAソフトを運用していた同社が『PCAクラウド』を導入したきっかけには、メンテナンスの負担軽減以外に、新しいシステムとの連携も視野にあった。多品種かつ大量の商品を抱える同社にとって入出庫や在庫、配送などの物流も含めた倉庫管理は極めて大きな意味を持つ。そこでWMS(倉庫管理システム)との連携が可能な点も『PCAクラウド』の決め手になったという。
「当社のWMS+『PCAクラウドAPI』+『PCA商魂Xクラウド』の受注データの取り込み。この連携ができることは、多品種を取り扱う以上必須だと考えました。この連携が柔軟にできる点も選定のポイントに入れ、実際に今、この連携システムは稼働しています」(高橋氏)
導入後の効果
『PCAクラウド』なら新しい拠点・営業所の設置にも柔軟に対応できる
同社では現在、『PCA商魂Xクラウド』『PCA商管Xクラウド』『PCA会計Xクラウド』『PCA給与Xクラウド』を、江戸川区の本社・大阪も含めた各営業部・物流センターと結び、同時接続台数48台という規模で運用している。比較的大きな規模で『PCAクラウド』を運用しているが、これまでほとんどトラブルもなく順調に使えている。
「『PCAクラウド』を導入して、メンテナンスの軽減以外にも大きなメリットがありました。まずは拠点を増やす際に、クラウドによってなるべく費用を抑えて安定したネットワークが築けること。またサーバー更新の心配がまったくなくなったことです。自社でサーバーを持つと、パソコンのOSのバージョンアップにも注意が必要になります。セキュリティ面からも最新のOSを自分たちの都合にあわせていつでも使えるようにしたいわけですが、自社サーバーなら容量やレベルを見てからになります。サーバーを入れて2、3年も経てば常に更新に追われている感じがありましたが、これがなくなったことは大きいです」(高橋氏)
約10個のECサイトの受注・売上データを『PCA商魂Xクラウド』『PCA商管Xクラウド』へ連携
同社は登録している商品数が約2万件以上。そのうち常時動いているのは4,000~5,000件ぐらいだが、商品の在庫を含むと約100万個にのぼる。この膨大な商品数を到底手入力では処理しきれないため、当初からデータ連携ができることは大前提だった。
現在同社では自社が運営するECサイト、さらに大手ポータルサイトの運営するECサイトなどを含め、約10個のECサイトを持っており、そのECサイトでの売上データは『PCA商魂Xクラウド』『PCA商管Xクラウド』へ受け入れている。この連携によって時間的な効率化はかなり図られたという。
「以前はECサイトの受注・売上管理はサイト1つごとに行っており、かなりの時間がかかっていました。今はすべてのECサイトの受注・売上管理をまとめて処理できる『PCAクラウドAPI』を使い、『PCA商魂Xクラウド』『PCA商管Xクラウド』とを連携させています。ECサイトからの注文はデータで届き、それがそのまま『PCA商魂Xクラウド』『PCA商管Xクラウド』へと自動的に反映され、しかもこれを『PCAクラウド』によって処理できる。ECサイトでの売上がとても大事な時代ですから、このような連携ができることは助かります。事務処理面の合理化はしっかりと果たせています」(高橋氏)
WMS+『PCA商魂Xクラウド』で多品種の在庫を管理
『PCAクラウド』導入のきっかけにもなったWMS+『PCA商魂Xクラウド』の受注データの取り込みは1拠点目が軌道に乗り、現在2拠点目での運用を開始しようとしているところだ。
まず倉庫ではハンディーターミナルによって入荷・出荷を確認。→その在庫データはWMSによって集計・管理。→倉庫管理の入出荷実績データは「PCA商魂X・商管X クラウド」の売上データ・仕入データとして自動的に取り込まれ、受注残・発注残データが消込まれる。
「在庫数がとにかく大量なので外部倉庫を使っている物もあり、その部分はまだ連携できておらず、手入力部分をどれだけ減らしていけるかを考えているところです。当社のこのシステムが我々の望むレベルに達したなら、より一層の便利さを実感できると思います。加えて多品種で大量の商品を抱える中小企業の在庫管理・販売管理のモデルケースにもしていただけると思っています。中小企業でも大手企業に負けない、適切で確実な出荷業務が確立されるわけですから」(高橋氏)
今後の展望と課題
問屋任せにせず自社で在庫をコントロールしたい。そのシステムを中小企業でも確立できる
同社ではこれまでPCA製品を始めとする新しいシステムやソフトを導入する際には、慎重な比較検討だけでなく、確実に運用するために導入時にインストラクターの指導をしっかり受けるなど、着実に準備を行ってきた。
「私は特別IT知識が豊富というわけではありません。ただし失敗はしたくありませんし、余計なお金はかけたくないですからね(笑)。在庫管理については問屋さんに丸ごと投げている会社も多いと思います。しかし私は自社のことは自分でコントロールしたいと思ってきました。大手企業のように何億円もかけて在庫管理システムを構築することはできませんが、このようなパッケージソフトをうまく組み合わせていくことで、問屋任せにしない在庫・販売管理ができます」(高橋氏)
旅行業界は景気だけでなく社会情勢によっても旅行客の数が変動し波のある業界だという。そんな中でも同社のこだわりの製品は多くの人から支持されてきた。今後も特徴である優れた商品開発力と、若手への高い技術力の継承も行いつつ、他社のモデルケースになるような在庫・販売管理システムも確立していきたいと高橋氏は力強く語った。
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ピー・シー・エーから一言
弊社ソフトを長きにわたりご愛顧頂きまして、誠にありがとうございます。
サーバーのご導入後、現状を維持できる管理体制の構築に頭を悩ませていらっしゃる企業様は少なくないと思います。
自社による倉庫管理や、これから益々利用者数が増加すると思われるECサイトの運営による受注・売上データの連携も含め、クラウド及びAPI活用事例のモデルケースとして活用させていただきます。
引き続きよろしくお願い致します。
『PCA商魂クラウド』『PCA商管クラウド』をご利用いただきありがとうございます。
『PCA Client-API』を、他システムとの連携に活用いただいている事をうれしく思います。
今後も機能改善を行ってまいりますので、お役に立てましたら幸いです。