集計について
完成振替入力の集計
指示されたプロジェクトの伝票日付までのプロジェクト別、行程別、税区分別の残高を対象科目別、補助科目別、取引先別に集計して、完成時の振替仕訳を入力します。
1. 振替科目
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プロジェクト仕掛品(仕掛原価科目)を完成原価科目に振り替えます。
例)プロジェクトが完成したので、当期製造原価を計上する場合
借方
貸方
611 (製)原材料仕入
611 シ)(製)材料仕入
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※ 仕掛原価が貸方科目の場合は、貸借を逆にします。
借方
貸方
621 シ)(製)材仕値引
621 (製)原材仕値引
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-
プロジェクト前受金とプロジェクト売上高を集計し、その差額をプロジェクト売掛金に振り替えます。
借方
貸方
325 PJ前受金
153 PJ売掛金
512 PJ売上高
【収益認識に関する会計基準を適用する場合】
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進行中のプロジェクトの場合は、プロジェクト前受金とプロジェクト売上高を集計し、その差額を契約資産に振り替えます。
借方
貸方
325 PJ前受金
154 契約資産
512 PJ売上高
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完成したプロジェクトの場合は、プロジェクト前受金とプロジェクト売上高、契約資産を集計し、その差額をプロジェクト売掛金に振り替えます。
借方
貸方
325 PJ前受金
153 PJ売掛金
512 PJ売上高
154 契約資産
2. 集計方法
(1) プロジェクト仕掛品
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期首日から伝票日付までの仕掛原価を、行程別、科目別、補助別、取引先別、税区分別に税抜金額と消費税額とに分けて集計します。
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期首プロジェクト別残高の仕掛原価を、行程別、科目別、補助別、取引先別、税区分別に税抜金額と消費税額とに分けて集計します。
プロジェクト仕掛品 |
材料費 |
補助1 |
Q5 |
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R5 |
|
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補助2 |
Q5 |
・残高は税抜金額で税区分“00”に集計します。 |
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R5 |
(発生期控除対応なので、残高の消費税分は集計しません。) |
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労務費 |
補助3 |
Q5 |
|
|
補助4 |
Q5 |
・仕掛原価 |
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外注費 |
00 |
|
||
Q5 |
|
|||
経費 |
Q5 |
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(2) 前記(1)で集計した金額を、完成原価科目に振り替えます。
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(1)-1の税込金額を、仕掛原価科目と同一の税区分で振り替えます。
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(1)-2の金額を、税区分「00 消費税に関係ない科目」で振り替えます。
(発生期控除対応のため、当期に消費税は発生しません)
税抜経理の場合は税抜金額で、税込経理の場合は税込金額で振り替えます。
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※ プロジェクトの完成時に一括して仕入税額控除をするための税区分(ヌ・ネ・ノ・ハ・ヒ・フ)で入力された金額は、対応する税区分(Q・R・S・T・U・V)で振り替えます。
(3) プロジェクト売上高:プロジェクトの収益認識基準によって集計方法が異なります。
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◆ 工事進行基準:プロジェクトの進捗度を計算し、請負金額とプロジェクト売上高残高から、プロジェクト売上高の今回計上額を計算します。
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プロジェクトの進捗度
進捗度=発生原価÷総予算 -
プロジェクト売上高の今回計上額
進捗度に応じたプロジェクト売上高=請負金額×進捗度
プロジェクト売上高の今回計上額=進捗度に応じたプロジェクト売上高-プロジェクト売上高残高
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※ 「会社基本情報の登録」で「工事進行基準の課税売上」を「完成時に一括して計上」としている場合には、プロジェクト売上高の税区分に「ナ 完成時に[売上〇%]に振替」を設定します。
進捗度が100%で完成振替を行うと、税区分「ナ 完成時に[売上〇%]に振替」「ニ 完成時に[売上〇%]に振替」で登録されたプロジェクト売上高の残高を、「B課税売上〇%」「C 課税売上返還〇%」に振り替えます。
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-
◆ 工事完成基準:請負金額とプロジェクト売上高残高の差額を計上します。
プロジェクト売上高=請負金額-プロジェクト売上高残高
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◆ 原価回収基準
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伝票日付がプロジェクトの完成日より前の場合は、当期の製造原価と同額になるように計上します。
プロジェクト売上高の今回計上額=当期の製造原価-当期に計上したプロジェクト売上高-
※ プロジェクトが未完成の時点では、消費税上の課税売上とならないため、プロジェクト売上高の税区分に「ナ 完成時に[売上〇%]に振替」を設定します。
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伝票日付がプロジェクトの完成日以降の場合は、請負金額とプロジェクト売上高の残高との差額を計上します。
プロジェクト売上高の今回計上額=請負金額-期首のプロジェクト売上高の残高-当期に計上したプロジェクト売上高-
※ プロジェクト売上高の残高に税区分「ナ 完成時に[売上〇%]に振替」の残高がある場合には、「B 課税売上〇%」に振り替えます。
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(4) プロジェクト前受金:プロジェクト前受金の残高を行程別に集計し、借方に発生させます。
(5) プロジェクト売掛金
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前記(3)のプロジェクト売上高、前記(4)のプロジェクト前受金から行程別に集計を行います。
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(3)-(4)の金額を借方に発生させます。
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※ 収益認識に関する会計基準を適用する場合
プロジェクトの収益認識基準や完成状況によって集計方法が異なります。
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下記のいずれかに該当する場合(進行中のプロジェクト(未完成のプロジェクト)):プロジェクト売掛金は計上しません。
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工事進行基準で進捗度が100%未満の場合
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原価回収基準で伝票日付が完成日より前の場合
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上記1.に該当しない場合(完成したプロジェクト):前記(3)のプロジェクト売上高、前記(4)のプロジェクト前受金、後記(6)の契約資産から行程別に集計を行い、(3)-(4)+(6)の金額を借方に発生させます。
(6) 契約資産
収益認識に関する会計基準を適用する場合に集計します。
プロジェクトの収益認識基準や完成状況によって集計方法が異なります。
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下記のいずれかに該当する場合(進行中のプロジェクト(未完成のプロジェクト)):前記(3)のプロジェクト売上高、前記(4)のプロジェクト前受金から行程別に集計を行い、(3)-(4)の金額を借方に発生させます。
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工事進行基準で進捗度が100%未満の場合
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原価回収基準で伝票日付が完成日より前の場合
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上記1.に該当しない場合(完成したプロジェクト):契約資産の残高を行程別に集計し、貸方に発生させます。
仕掛振替入力の集計
P/L型のときの期末時点で、仕掛プロジェクトを一括で完成科目から仕掛科目に振り替えます。
作成される伝票日付は期末日で固定です。
完成日が未登録のプロジェクトを複数選択して振り替えることができます。
ただし、一度振替を行ったプロジェクトは指示できません。
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※ 作成される仕訳は、プロジェクト・行程が空欄となります。
【当期製造原価】
科目別、補助別、取引先別、税区分別に集計します。
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借方科目の場合
借方に仕掛原価、貸方に当期製造原価 -
貸方科目の場合
借方に当期製造原価、貸方に仕掛原価
【プロジェクト売上高】
科目別、取引先別、税区分別に集計します。
借方にプロジェクト売上高、貸方にプロジェクト前受金
(プロジェクト前受金の金額はプロジェクト売上高の税込金額、税区分はプロジェクト前受金科目の貸方税区分)
共通原価配賦入力の集計
指示された科目別、補助別、税区分別の共通原価(プロジェクトコード:00000000)の期首日から伝票日付まで(伝票日付を含む)の残高を配賦元金額として集計します。配賦元科目が取引先を入力する科目である場合は、さらに取引先別に集計します。
プロジェクト別の集計
プロジェクト別の帳票で、仕掛、完成の区別なくプロジェクトにかかる収入、支出を出力するため、次のような集計を行います。
【プロジェクトにかかる収入】
請負金額=プロジェクトマスターの金額
入金額=プロジェクト売上高の残高+プロジェクト前受金の残高-プロジェクト売掛金の残高
入金残=請負金額-入金額
【プロジェクトにかかる支出】
科目別製造原価=科目別当期製造原価+科目別仕掛原価
部門別の集計
プロジェクト帳票の部門別集計は、部門ごとに担当するプロジェクトの合計額を集計します。
プロジェクトと部門のつながりは、プロジェクトマスターで設定します。
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※ メニューの「前準備」-「会社基本情報の登録」の「会計基本情報」タブで“部門管理”を“管理しない”に設定している場合は、部門別に管理(集計)することはできません。
プロジェクト担当者別の集計
プロジェクト帳票の担当者別集計は、プロジェクト担当者ごとに担当するプロジェクトの合計額を集計します。
プロジェクトとプロジェクト担当者のつながりは、プロジェクトマスターで設定します。
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※ プロジェクト担当者が設定されていない場合は、プロジェクトは集計されません。
原価予算額の集計
原価予算は、科目別、要素別どちらでも登録が可能な仕様になっています。
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科目別の場合:科目予算を集計します。
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要素別の場合:要素予算を集計します。
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原価合計の場合:要素予算合計を集計します。
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※ 行程別出力の場合も同様です。