集計について

完成振替入力の集計

指示された工事の伝票日付までの工事別、工種別、税区分別の残高を対象科目別、補助科目別、取引先別に集計して、完成時の振替仕訳を入力します。

1. 振替科目

  • 未成工事支出金未成原価科目)を完成原価科目に振り替えます。

    例)工事が完成したので、完成工事原価を計上する場合

    借方

    貸方

    601 (工)材料費

    601 ミ)(工)材料費

    • 未成 工事原価が貸方科目の場合は、貸借を逆にします。

      借方

      貸方

      610 ミ)(工)原材仕値引

      610 (工)原材仕値引

  • 未成工事受入金完成工事高を集計し、その差額を完成工事未収入金に振り替えます。

    借方

    貸方

    324 未成工事受入金

    152 完成工事未収入金

    511 完成工事高

【収益認識に関する会計基準を適用する場合】

  • 進行中の工事の場合は、未成工事受入金完成工事高を集計し、その差額を契約資産に振り替えます。

    借方

    貸方

    324 未成工事受入金

    154 契約資産

    511 完成工事高

 

  • 完成した工事の場合は、未成工事受入金完成工事高、契約資産を集計し、その差額を完成工事未収入金に振り替えます。

    借方

    貸方

    324 未成工事受入金

    152 完成工事未収入金

    511 完成工事高

    154 契約資産

2. 集計方法

(1)  未成工事支出金

  1. 期首日から伝票日付までの未成原価科目を、工種別、科目別、補助別、取引先別、税区分別に税抜金額と消費税額とに分けて集計します。

  2. 期首工事別残高の未成原価科目を、工種別、科目別、補助別、取引先別、税区分別に税抜金額と消費税額とに分けて集計します。

 

未成工事支出金

材料費

補助1

Q5

 

R5

 

補助2

Q5

・残高は税抜金額で税区分“00”に集計します。

R5

 (発生期控除対応なので、残高の消費税分は集計しません。)

労務費

補助3

Q5

 

補助4

Q5

未成工事原価の貸借区分とは逆の側に発生させます。

外注費

00

 

Q5

 

経費

Q5

 

 

(2)  前記(1)で集計した金額を、完成原価科目に振り替えます。

  • (1)-1の税込金額を、未成原価科目と同一の税区分で振り替えます。

  • (1)-2の金額を、税区分「00 消費税に関係ない科目」で振り替えます。

     (発生期控除対応のため、当期に消費税は発生しません)

     税抜経理の場合は税抜金額で、税込経理の場合は税込金額で振り替えます。

  • 工事の完成時に一括して仕入税額控除をするための税区分(ヌ・ネ・ノ・ハ・ヒ・フ)で入力された金額は、対応する税区分(Q・R・S・T・U・V)で振り替えます。

(3)  完成工事高工事の収益認識基準によって集計方法が異なります。

  • 工事進行基準:工事の進捗度を計算し、請負金額と完成工事高残高から、完成工事高の今回計上額を計算します。

    • 工事の進捗度
      進捗度=発生原価÷総予算

    • 完成工事高の今回計上額
      進捗度に応じた完成工事高=請負金額×進捗度
      完成工事高の今回計上額=進捗度に応じた完成工事高完成工事高残高

    • 「会社基本情報の登録」で「工事進行基準の課税売上」を「完成時に一括して計上」としている場合には、完成工事高の税区分に「ナ 完成時に[売上〇%]に振替」を設定します。

       進捗度が100%で完成振替を行うと、税区分「ナ 完成時に[売上〇%]に振替」「ニ 完成時に[売上〇%]に振替」で登録された完成工事高の残高を、「B課税売上〇%」「C 課税売上返還〇%」に振り替えます。

  • 工事完成基準:請負金額と完成工事高残高の差額を計上します。

    完成工事高=請負金額-完成工事高残高

  • 原価回収基準

    • 伝票日付が工事の完成日より前の場合は、当期の工事原価と同額になるように計上します。
      完成工事高の今回計上額=当期の工事原価-当期に計上した完成工事高

      • 工事が未完成の時点では、消費税上の課税売上とならないため、完成工事高の税区分に「ナ 完成時に[売上〇%]に振替」を設定します。

    • 伝票日付が工事の完成日以降の場合は、請負金額と完成工事高の残高との差額を計上します。
      完成工事高の今回計上額=請負金額-期首の完成工事高の残高-当期に計上した完成工事高

      • 完成工事高の残高に税区分「ナ 完成時に[売上〇%]に振替」の残高がある場合には、「B 課税売上〇%」に振り替えます。

(4)  未成工事受入金未成工事受入金の残高を工種別に集計し、借方に発生させます。

(5)  完成工事未収入金

  • 前記(3)の完成工事高、前記(4)の未成工事受入金から工種別に集計を行います。

  • (3)-(4)の金額を借方に発生させます。

  • 収益認識に関する会計基準を適用する場合

    工事の収益認識基準や完成状況によって集計方法が異なります。

  1. 下記のいずれかに該当する場合(進行中の工事(未完成の工事)):完成工事未収入金は計上しません。

    • 工事進行基準で進捗度が100%未満の場合

    • 原価回収基準で伝票日付が完成日より前の場合

  2. 上記1.に該当しない場合(完成した工事):前記(3)の完成工事高、前記(4)の未成工事受入金、後記(6)の契約資産から工種別に集計を行い、(3)-(4)+(6)の金額を借方に発生させます。

(6)  契約資産

収益認識に関する会計基準を適用する場合に集計します。

工事の収益認識基準や完成状況によって集計方法が異なります。

  1. 下記のいずれかに該当する場合(進行中の工事(未完成の工事)):前記(3)の完成工事高、前記(4)の未成工事受入金から工種別に集計を行い、(3)-(4)の金額を借方に発生させます。

    • 工事進行基準で進捗度が100%未満の場合

    • 原価回収基準で伝票日付が完成日より前の場合

  2. 上記1.に該当しない場合(完成した工事):契約資産の残高を工種別に集計し、貸方に発生させます。

未成振替入力の集計

P/L型のときの期末時点で、未成工事を一括で完成科目から未成科目に振り替えます。

作成される伝票日付は期末日で固定です。

完成日が未登録の工事を複数選択して振り替えることができます。

ただし、一度振替を行った工事は指示できません。

  • 作成される仕訳は、工事工種が空欄となります。

完成工事原価

科目別、補助別、取引先別、税区分別に集計します。

  • 借方科目の場合
    借方に未成工事原価、貸方に完成工事原価

  • 貸方科目の場合
    借方に完成工事原価、貸方に未成工事原価

完成工事高

科目別、取引先別、税区分別に集計します。

借方に完成工事高、貸方に未成工事受入金

未成工事受入金の金額は完成工事高の税込金額、税区分は未成工事受入金科目の貸方税区分)

共通原価配賦入力の集計

指示された科目別、補助別、税区分別の共通原価(工事コード:00000000)の期首日から伝票日付まで(伝票日付を含む)の残高を配賦元金額として集計します。配賦元科目が取引先を入力する科目である場合は、さらに取引先別に集計します。

工事別の集計

工事別の帳票で、未成、完成の区別なく工事にかかる収入、支出を出力するため、次のような集計を行います。

工事にかかる収入】

請負金額=工事マスターの金額

入金額=完成工事高の残高+未成工事受入金の残高-完成工事未収入金の残高

入金残=請負金額-入金額

工事にかかる支出】

科目別工事原価=完成工事原価科目の残高+未成工事原価科目の残高

部門別の集計

工事帳票の部門別集計は、部門ごとに担当する工事の合計額を集計します。

工事と部門のつながりは、工事マスターで設定します。

  • メニューの「前準備」-「会社基本情報の登録」の「会計基本情報」タブで“部門管理”を“管理しない”に設定している場合は、部門別に管理(集計)することはできません。

工事担当者別の集計

工事帳票の担当者別集計は、工事担当者ごとに担当する工事の合計額を集計します。

工事工事担当者のつながりは、工事マスターで設定します。

  • 工事担当者が設定されていない場合は、工事は集計されません。

原価予算額の集計

原価予算は、科目別、要素別どちらでも登録が可能な仕様になっています。

  • 科目別の場合:科目予算を集計します。

  • 要素別の場合:要素予算を集計します。

  • 原価合計の場合:要素予算合計を集計します。

  • 工種別出力の場合も同様です。