導入事例
公益財団法人 ソフトピアジャパン 様
手に取るようにわかる「総務業務DX化」の進め方と効果。アウトソーシングしていた給与計算を、負担を増やさず精度を上げて社内で遂行。
「総務業務のDX化」について、漠然としたイメージしか思い浮かばないという人は多いだろう。そこで紹介したいのが、目に見える形で総務業務のDX化・プロセスのデジタル化に成功した公益財団法人ソフトピアジャパンの事例だ。同法人の事例からわかることは、デジタル化が単なる時間短縮にとどまらず、様々な波及効果をもたらしDXへと進化していく過程だ。同法人の取り組むデジタルインボイスについても詳しく伺った。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- 社労士に依頼していた給与計算処理、法定調書作成などを、社内で対応できるようにしたい。
- 岐阜県独自の厳正で細かな給与計算に対応できるソフトが欲しい。
- 総務業務DX化では、総務部門だけでなく職員全体がメリットを実感できるものにしたい。
- 導入の効果
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- 『PCA給与』『PCA法定調書』『PCA Hub 給与明細』の導入で、給与計算からweb明細発行、法定調書作成までほぼ自動化・デジタル化に成功。
- 『PCA給与』の大きな特長が、複雑な給与体系に対応できる柔軟性。その特長を生かして、問題なく複雑な給与計算に対応。
- 『PCA Hub 給与明細』によって、出張中(不在時)や休暇中でも給与明細を確認可能に。
導入システム
- PCA給与
- PCA法定調書
- PCA公益法人会計
- PCA Hub 給与明細
導入企業とプロフィール
公益財団法人 ソフトピアジャパン
住所 | 〒503-8569 岐阜県大垣市加賀野4丁目1番地7 |
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設立 | 平成6年3月31日 |
基本財産 | 500万円 |
従業員数 | 30名 |
URL | https://www.softopia.or.jp/ |
業務内容 | ・岐阜県DX推進コンソーシアム運営 ・IT、IoT、AIの導入・活用支援 ・新事業創出 ・デジタル人材育成 |
業務概要 | 県内産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けて、ソフトピアジャパンを中核的なIT拠点と位置づけ、デジタル化による業務革新、生産性の向上等の高度化、新事業の創出、IT人材の育成等支援によって地域産業の持続的発展を促進します。 |
導入前の運用と課題
属人的になりやすい給与処理のプロセスをデジタル化したい
IT先進県として知られている岐阜県だが、その中心的な役割を担っているのが公益財団法人ソフトピアジャパンだ。岐阜県の地域情報化推進政策を推し進めている法人で、地域産業を高度化させる人材の育成・供給や、県内企業へのIT/IoTの導入支援など幅広く活動している。
中堅・中小企業のDX化を進める上で、必ず課題に挙げられるのが「総務業務全般のDX化」だ。そこでソフトピアジャパンは、自らが手本となるような総務業務のデジタライゼーション(プロセスのデジタル化)を実施することにした。
まず手始めにとりかかったのが、給与処理の見直しだった。以前は給与計算業務を社労士事務所に委託していたが、次のような課題があったという。
「給与計算は社労士さんにお願いし、こちらから勤怠データをメールで送って、月に1回こちらに訪問していただき、給与明細を渡してもらっていました。しかし社労士さんもお忙しく、お互いに来訪のタイミングを調整する必要がありました」(総務担当 髙野かよ子氏)
「渡してもらった給与明細を、私たち総務の2名でチェックしていたのですが、当法人と社労士事務所との間の情報の共有漏れによって、再計算が必要になることも少なくなかったんです。私たちがExcel®で計算したファイルを開き、その結果と給与明細の数字を比較し、相違がある場合には原因追求や再計算を行っていました」(総務担当 佐伯展子氏)
この確認作業に大きく時間を取られていたという。そこで、①給与計算業務を同法人の2名の総務職員で対応できること、②法定調書の作成も自分たちで行えること、③しかし業務量・業務時間を増やさないことを理想として、新しいツールの選定が始まった。
選定のポイント
複雑な計算式に対応できる『PCA給与』の柔軟性が決め手に
給与計算ツールの選定では他社製品も検討したが、同法人の場合は一つ大きな条件があった。それは複雑な給与体系に対応できる給与ソフトであることだった。岐阜県の場合、時間単価の計算については厳格なルールが設定されている。それに対応できる給与ソフトがPCAだった。
「この複雑な計算式に対応できるという柔軟性が、『PCA給与』を選ぶ最大の決め手になりました」(佐伯氏・髙野氏)
他にも『PCA給与』は遡及計算についても柔軟性があり、複雑な給与計算への対策として安心だったと評価している。また給与計算だけにとどまらず、源泉徴収票の作成・出力が簡単な操作でできる点も選定のポイントになった。
導入費用が比較的安価だった点も選ばれた要素に含まれている。また、同法人ではデジタル化・ペーパーレス化を進めるうえで、法定調書作成ソフトとの連携や給与明細のweb配信も視野に入れていた。その連携をする際にも、PCAなら簡単に設定ができる点も決め手の一つとなった。
導入のメリット
デジタライゼーションの成功で、業務量だけでなく業務内容そのものが変わった
現在、ソフトピアジャパンでは次のような給与処理の運用を行っている。①岐阜県のルールに則った細かく厳正な給与計算を、複雑な給与体系の管理を得意とする『PCA給与』で処理。→②自動計算された給与データは『PCA Hub 給与明細』へアップロードすると社員にメールが送信され、職員は専用のwebページで、PC/スマホからいつでも自分の給与明細を確認できる。→③『PCA給与』のデータは『PCA法定調書』と連携しており、源泉徴収票・給与支払報告書などが迅速に出力できる。
この運用によって、同法人では現在は給与計算処理・年末調整・各種法定調書の作成については、社労士事務所を通すことなく、当初の目的通り法人内のわずか2名の職員で完遂できている。
一見すると、アウトソーシングしていたものを社内で引き取ることで、業務時間が増えそうにも思うが、先述の通り、給与計算のチェックに要する時間が必要なくなり、再計算の手間もほぼ解消され、社労士訪問の時間調整の必要もなくなった。結果としては、大幅な時間の短縮に成功し、給与計算プロセスのデジタライゼーションの成功によって、総務職員の業務量・業務時間を増やすことはなかったという。
「給与計算のチェックについては、そもそもチェックと呼んでよいのか迷うほど負荷の少ない業務になっており、月に1回1~2時間程度の確認で済んでいます」(佐伯氏・髙野氏)
総務広報室の木寺秀洋 氏はこの変化について、次のように語る。「これまで髙野さん・佐伯さんが多くの紙を出力して、Excel®データと照らし合わせている姿を見ていたのですが、PCA導入後はその姿がなくなりました。業務量というよりも、業務内容そのものが変わったという言い方が正しいのだと思います」
連携もスムーズ。連携の設定は職員2名のみで実行
スムーズに運用している『PCA給与』→『PCA Hub 給与明細』と、『PCA 給与』→『PCA法定調書』の連携については、総務担当の2名で設定を行った。
「私どもはデジタルに精通しているわけではなく、どちらかといえばアナログの方が得意です。そんな私たちにも簡単に設定できました。PCAのマニュアルを見ながら設定したのですが、それで十分問題なく連携・運用できています」(髙野氏)
他社のweb明細ツールと連携させる場合には、給与データの吐き出し・受け入れ作業や項目設定が必要になる場合がある。しかし『PCA給与』→『PCA Hub 給与明細』の連携の場合、ボタン一つで転送が可能だ。
時間短縮だけではない。総務業務DX化の波及効果は大きい
『法定調書の作成については、以前は社内で集めた資料を社労士の訪問時に渡す方法を取っていたが、この方法では社労士側からの返事を待つしかなかった。しかし現在は社労士を通さず『PCA法定調書』を使って作成している。
PCA製品の運用を順調に開始している同法人だが、取材時は導入してまだ3カ月の時点だった。そのため『PCA法定調書』からの電子申告についてはこれからという状況だったが、さっそくe-Tax・eLTAXの電子申請での利用を開始する予定だ。
このようにまったく新しいツールの導入にも関わらず、同法人は順調に各ツールを使いこなしている。総務職員2名のスキルの高さが基盤にあっての話だが、「総務業務プロセスのデジタル化」のメリットを上手に取り込んでいるケースだとも言える。
まずはマニュアルの柔軟な活用だ。「PCAのマニュアルの重要なポイントのみを抜粋して、法人独自のマニュアルを作りました。例えば将来、私たち2名以外の職員がPCAを使う場合にも、悩みそうなポイントを解決しやすいように準備しています」(髙野氏)
このような独自の対策とPCAの導入によって、将来にわたって総務業務を平易かつ確実に処理できる環境づくりにも成功している。
また社労士事務所との関係性については、以前は計算処理の依頼が中心だったが、現在はアドバイスを中心とした一歩踏み込んだ関係性へと発展している。
「やはりイレギュラーなことは発生しますから、税率の確認などこちらの不安な点を社労士さんに確認していただき、より確実性の高い処理を進めています」(佐伯氏)
総務業務のDX化で忘れてはいけないこと
総務業務のDX化がもたらす利便性について、木寺氏は次のようにも語る。
「総務は社内全体を見ていく仕事ですから、デジタル化によって総務部門だけが楽になっても、他の部署の職員にも何らかのメリットがなければ意味がないと考えています。そういう点では、PCA導入後の給与処理の運用について、職員からマイナスの声はあがっていません。むしろ以前のように給与明細を直接紙でしか受け取れないことの方が面倒で、今のようにwebページでいつでも確認できる方が楽だという声の方が大きいです」
また、今回のPCA導入については、選定の段階から実際に業務を遂行する2名の職員にも積極的に加わってもらったという。結果的に総務の業務内容の質をレベルアップさせ、その質を将来にわたっても維持できる環境整備にも成功した。
PCA導入事例《付録》
岐阜県デジタルインボイス事業について(通称:岐阜モデル)
自社内の総務業務DX化については、確実な手ごたえを得たソフトピアジャパン。しかし同法人が目標に定めているのは、岐阜県内の企業が自動化・デジタル化の恩恵を受けて発展していくことだ。おりしもインボイス制度の導入で、現状の請求・支払システムでは対応できないという中小企業は多いのではないだろうか。
ソフトピアジャパンでは中小企業が容易にインボイス制度に対応できる「岐阜モデル」を開発している。その概要を同法人理事長の松島桂樹氏に解説していただいた。
「岐阜モデルとは、岐阜県と地元の金融機関が連携し、中小企業のインボイス対応を容易に実現できるユニバーサルサービスを指します。具体的には、適格請求書の発行、送信と受信、保管、入金情報の確認まで、EDIデータ連携共通基盤によって自動化したものが岐阜モデルです」
これまでFAXで送られていた注文書は、銀行のインターネットバンキングで注文データとして送られる。EDIデータ連携共通基盤を経由することで相手の銀行に通知が届き、受注側はインターネットバンキングにアクセスして注文データを受け取る。受注側が出荷の準備ができ配送する際に、インターネットバンキングを介することで注文データを元に、自動的に納品データ・請求データが作成され、発注側に発行。請求データを送信すると同時に振込データが送られ、受理と同時に振込処理も完了する流れだ。
つまり岐阜モデルを利用することで、注文→納品→請求→支払→消込まで、発注者と受注者の業務を自動的に処理できるようになる。
「私たちが推進しているのは、ただインボイスに対応するためだけのデジタル化ではありません。デジタル化によってバックオフィス業務の生産性を向上させることができます。またこの自動化によって、必然的にインボイスにも対応できます。それがデジタルインボイスです」
この岐阜モデルは中小企業・地元の金融機関・自治体それぞれにメリットをもたらすDXとも呼べる。デジタル化にまだ着手できていない岐阜県内の中小企業に対して、ソフトピアジャパンは様々なDX化への提案を行っている。まさに今回の事例のように、DX化はたった一つの課題を解決するだけでなく、様々な波及効果をもたらしていく力を持っており、中堅・中小企業こそDX化への取り組みは大きな意味を持つだろう。
この事例をご覧いただいた方へ
オススメの製品
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- 月々の勤怠項目の入力により給与明細書を作成、また月次の給与計算・賞与計算の他、算定基礎届や月額変更届の作成、年末調整など、中小企業様での給与計算業務に必要な機能を備えたサブスク給与計算ソフト
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- 『PCA Hub 給与明細』は社内業務の効率化とペーパーレス化を実現する給与明細配信サービスです
様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。
ピー・シー・エーから一言
『PCA公益法人会計』、『PCA法定調書』、『PCA給与』+『PCA Hub 給与明細』 をご利用いただき、誠にありがとうございます。
給与の計算式、遡及計算機能を駆使して頂き大変ありがたく存じます。
また、業務ソフトを弊社にて統一頂く事で、データ連携による業務効率化も図れているとの事で、得難い事例となりました。
引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
『PCA給与』をご利用いただきありがとうございます。
計算式や遡及計算の柔軟性をご評価していただき非常に嬉しく思います。
また『PCA法定調書』や『PCA Hub 給与明細』とのデータ連携によるデジタル化、ペーパーレス化等により、業務効率の改善に貢献でき、とても光栄に思っています。
『PCA給与』は、社会保険の電子申請にも対応しております。ぜひご活用ください。
引き続きPCA製品をご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
『PCA法定調書』をご利用いただきありがとうございます。
お客様の業務負荷の軽減、業務効率化に貢献でき、大変光栄に思います。
『PCA法定調書』では、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」や「不動産の使用料等の支払調書」などのデータも管理でき、それらと合わせて法定調書合計表を作成し、電子申告もできますが、こちらの機能もその後ご利用いただけていたら幸いです。
引き続きPCA製品および連携製品をご愛顧のほどよろしくお願いいたします。