導入事例

松浦労務管理事務所 様

松浦労務管理事務所 様

『PCA給与X』導入によって、200名を超える大規模事業所からの依頼が増加。地方の中小企業が抱える雇用問題の一部を補える給与ソフト

昭和30年の設立以来、約60年にわたって広島県呉市の企業を支え続けている松浦労務管理事務所。呉市では最も大きな労務管理事務所で、松浦充恭先生は特定社会保険労務士の資格も持ち、労使間の様々な問題解決にも尽力している。そのような人事・労務管理のプロに認められたのが『PCA給与X』だ。『PCA給与X』の導入によって大規模な従業員数の事業先からの依頼にも、余裕を持って対応できるようになったという。『PCA給与X』がどのように活かされているのかを伺った。

導入の狙いと効果

導入の狙い
  • 1,000人を超える大規模な事業所からの依頼に対応したい。
  • 複雑な計算式を入力したい。
  • 中堅企業の給与受託業務の作業効率化をはかりたい
導入の効果
  • 『PCA給与X』なら1,000人超の事業所の給与計算にも対応。
  • 『PCA給与X』なら自在に計算式を組める。残業計算も端数まで設定できる。
  • 『PCA給与X』の機能と『PSD社会保険労務士』の導入で200名規模の処理が50%効率化

導入システム

  • PCA給与X with SQL 10CAL

導入企業とプロフィール

松浦労務管理事務所

従業員数9名
主業種社会保険労務士
業務内容給与計算、社会保険、労働保険等各種手続き、不動産
所在地〒737-0081 広島県呉市西中央1-6-7
設立年月日昭和30年7月20日(設立当時名:松浦労務士事務所)
経営理念

「顧客第一主義の松浦です。」

当事務所は労働・社会保険の手続き業務をベースに、給与計算や就業規則の作成・変更、賃金、労働時間、退職や解雇をめぐる諸問題解決のお手伝いなどをサポートする、社外の人事・労務管理の専門サポーターです。

人がやる気になる会社は必ず伸びる!労働者をやる気にさせる公平かつ合理的で納得性のある人事制度をご提案致します。松浦労務管理事務所にお気軽にご相談ください。

導入前の運用と課題

大規模な従業員数の事業所にも対応できる給与ソフトに

松浦労務管理事務所が『PCA給与X』を導入したのは平成19年。約1,200名にも上る従業員を擁する事業所からの相談がきっかけだったという。当時、松浦労務管理事務所では他社の給与ソフトが使用されていたが、そのソフトでは1,200名規模の給与計算には対応できないことが判明した。当時の状況について給与計算を担当している岡本綾氏は次のように振り返る。

「以前のソフトでは『回数』は登録できましたが、『計算式』においては制限があり、その結果、個人個人のデータをいちいち開いて直接入力しなければなりませんでした。また1,000人以上の給与計算には対応できないと説明され、新しい給与ソフトの選定を始めました」(岡本氏)

いくつかの給与ソフトが選択肢に挙げられたが、その中でもいちはやく『PCA給与X』にしぼられたという。当時の印象を松浦充恭先生は「『PCA給与X』は他社ソフトよりも一歩進んでいる印象でした」と語る。

実際にその印象通り、「大規模な従業員数の事業所にも対応できる」「複雑な計算式にも対応できる」という点で、『PCA給与X』は同事務所が考えていた給与ソフトのイメージに最も合致したという。『PCA給与X』の様々な特性を上手に利用することで、同事務所では時間的な効率化にも成功している。

松浦労務管理事務所 特定社会保険労務士 松浦 充恭 氏
松浦労務管理事務所
特定社会保険労務士
松浦 充恭 氏

導入後の効果

自由自在に組める「計算式」と、端数まで処理できる「残業項目設定」

まず選定のきっかけにもなった「計算式」について、岡本氏は「『PCA給与X』では事業所独自の計算式にも自由に対応できる」という点を高く評価している。様々な業種の事業所から依頼を受ける労務管理事務所では、この独自の計算式への柔軟性は大きな意味を持つ。計算式そのものはあらかじめ計算式テーブルを設定・入力しておけば、後で複雑な入力操作はしなくてもよい。パート従業員の精勤手当や営業成績によって変動する歩合給など、様々な種類の手当をこの計算式を用いることで対応している。
また残業計算においてもミスなく処理ができる点も高く評価されている。一例として製造業の場合は夜勤もあり残業計算は複雑になる。残業時間の掛率には注意が必要になってくるが、その部分を「残業項目設定」であらかじめ登録しておけば、複雑な残業計算もミスなく処理できる。

「残業式や残業掛率を、社員やパートなどの雇用形態に分けて登録できます。また非常に便利だなと感じたのが端数の処理ができる点です。単価・手当それぞれに1円未満は切り上げか切り捨てかを設定できます。この端数の処理は残業手当だけでなく遅刻や欠勤などの処理でも利用できます」(岡本氏)

この「計算式」と「残業項目設定」によって、様々な割増計算の処理が確実に迅速に行えるようになったと岡本氏は語る。また、この点は給与計算を依頼してくる事業所にとっても安心できる要素だろうと松浦氏は評価する。

「地方都市の中小企業では、経営者の高齢化が進んでいます。そのため手当の計算一つをとっても、難しい、わかりにくいなどの悩みやご意見をいただきます。このような部分を、『PCA給与X』によって確実に漏れなく処理できるわけですから、その点はご安心いただけると思います」(松浦氏)

事務所内風景
事務所内風景
事務所入口にて
事務所入口にて

CSV変換によって、顧問先の知りたい数字に答えられる

『PCA給与X』の特性の一つに、CSVデータ変換の容易さがある。『PCA給与X』では会社情報、給与体系、金融機関マスターや年末調整データなど、その他かなりの範囲でCSVファイルでの出力ができ、同事務所の場合は給与データをCSV保存し、Excel®加工するケースが多いという。

「当事務所にご依頼される事業所様の傾向としては、Excel®化して全体的な指標として見たいというご希望も当然ありますが、それ以上に一部分を切り取って知りたいというご希望が多いです。例えばある社員の賞与だけの合計データや、ある一定の期間における社会保険の総額など、部分ごとに数字を知りたいというご希望に応えるときに、このCSVデータの変換機能はとても助かります。仮にこれらの数字を手入力で抜き出し計算するとなるとミスの恐れがありますが、CSVデータならダイレクトに数字を取り出して加工できるので間違いは発生しにくいです」(岡本氏)

また逆に、事業所から受け取ったExcel®データをCSV保存し、『PCA給与X』へ取り込むケースもあるそうだ。「かなりの従業員を抱えた事業所様もあり、その場合にはこのCSVデータの受入は非常に助かっています。一度『PCA給与X』へ受入させたら、後は自動計算してくれますからね」(岡本氏)

他社製のタイムレコーダーシステムからの勤怠データも、CSV形式にすれば受入ができる。ある程度の紐付け作業が必要になるが、同事務所では1社の勤怠データ(CSV形式)を『PCA給与X』に取り込むまでの作業時間は約20分だそうだ。

『PCA給与X』×『PSD社会保険労務士』※1の連携で労災関係の処理も確実に

マスターナビゲータ機能もよく使われている機能の一つだ。マスターナビゲータを使うと、ある特定の項目を一括して入力・変更ができる。この機能が最も役立っているのが住民税や厚生年金保険料率の変更だという。

「マスターナビゲータ機能による入力は、打ち忘れが発生しません。個人個人のデータを開いて入力すると、やはり入力漏れのリスクはありますが、一括入力ならその心配はありません。また後で確認をする場合も、その部分だけ抽出して確認できます」(岡本氏)

また松浦労務管理事務所では『PCA給与X』と株式会社パシフィックシステムの『PSD社会保険労務士』を連携させて利用している。『PSD社会保険労務士』は労災に関する帳票が充実しており、給与・賞与関係の帳票はPCA、労災関係の帳票はPSDと分けて使っている。

「『PCA給与X』×『PSD社会保険労務士』の連携によって非常にスムーズに業務を行えています。この2つのソフトはCSV変換などの処理は必要なく、『PCA給与X』に入力したデータを、そのままダイレクトに『PSD社会保険労務士』へも反映でき、勤怠データや給与データをそのまま労災関係の帳票に利用できます。この部分は以前は手書きで行っており大変でしたが、PCAソフトの拡張性があったからこそ実現できた効率化の一つだと考えています」(岡本氏)

※1:『PSD社会保険労務士』は、(株)パシフィックシステムの製品です。

PSD社会保険労務士
「PSD社会保険労務士」は、社会保険労務士業務をサポートするシステムです。
事業所や被保険者の強力なデータベース機能を基に、被保険者の保険加入状況の検索、各保険における年齢到達者の検索、そして随時改定(月額変更届)や定時決定(算定基礎届)の自動判別計算、労働保険料の計算、各種届出用紙の作成、社員への保険料改定通知書の発行機能などを搭載し、全国発売24年を経て安定した実績のあるシステムとなっています。
『PCA給与』との連動
『PCA給与』と連動して個人・給与・賞与の汎用データの受け渡しを行うことができます。『PSD社会保険』は読み込んだデータをもとに、個人を自動登録します。また『PCA給与』からは汎用データを介さずに直接データを読み込みます。会社のデータを取り込んで自動登録することも可能で、簡単な操作でデータのやり取りができます。逆に『PSD社会保険』からは、個人のデータを『PCA給与』へ渡すことができ、相互のデータをフルに活用します。
データ受入機能
『PCA給与』で入力した、社員の基本データおよび算出した給与・賞与データを、『PSD社会保険』へ読み込むことができます。さらに社員データを読み込んだ時に、新しい個人として『PSD社会保険』へ自動的に登録することができます。この機能によりデータ入力の手間を、大幅に省くことができます。
データ転送機能
『PSD社会保険』にて入力した、個人のデータ、算出した保険料を、『PCA給与』で読み込むことができる外部マスター(社員マスター)として、出力することができます。『PCA給与』では受け取った個人データをもとに、自動的に社員マスタへ登録します。この機能により『PCA給与』でのデータ入力の手間を、大幅に省くことができます。
構築システム概要

今後の展望と課題

業務の効率化に成功し、大規模な事業所からの依頼も増加

『PCA給与X』の様々な特性を上手に利用することで、大きく業務を効率化できた松浦労務管理事務所。同事務所の推定では、約200人規模の事業所の給与計算については、以前のシステムとPCA導入後では50%の時間短縮ができたのではないかと考えているそうだ。労務管理事務所で行う各事業所の給与計算でこの50%の効率化は非常に大きいという。事務所内で行う計算時間が短縮できたことで、顧問先の事業所へ給与データや関係帳票を渡すこともその分はやくなり、顧問先にとってもよい効果が出ているそうだ。

「実際にPCA導入による時間の効率化は目に見える結果に表れており、以前に比べて200名以上の大規模な事業所様からのご依頼も増えました。大規模な事業所様からのご依頼にはまだまだ対応できる体制になっています」(松浦氏)
現在、同事務所では『PCA給与X』を約70社の事業所で2,500名の給与計算に利用し、その業種も製造業や販売業など多種多様に広がっているそうだ。

「現在、地方都市の企業では、経営者の高齢化や外国人労働者の問題など、今後の日本企業が取り組まなければならない雇用問題がすでに表出しています。年々、労働基準監督署の指摘も厳しくなっており、社会保険労務士でなければ対応できない問題がますます増えていくでしょう。そのような部分を『PCA給与X』で補っていけたらと思います」(松浦氏)

ピー・シー・エーから一言

  • PCA コメント

    約70社・2,500名の給与計算業務に『PCA給与X』をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
    多くの方々の大切な給与を正確に迅速に計算するため、PCA製品がお役に立てて何よりです。
    また、『PSD社会保険労務士』とも連携していただき、業務を効率化できたとのことも嬉しく感じます。
    平成28年1月利用開始の「マイナンバー制度」においても、『PSD社会保険』シリーズとの連携を強化する予定でございますので、どうぞご期待ください。

    今後も機能強化・制度対応に努めて参りたいと考えておりますので、引き続き『PCA給与』シリーズをご愛顧のほど宜しくお願いいたします。

  • 『PCA給与』開発チーム コメント

    計算式の機能をご評価いただきまして、誠にありがとうございます。

    多種多様な業種に応えられるよう、更なる計算式の機能強化も行っていく予定です。
    また、マスターナビゲータの一括入力や、CSV入出力も有効活用していただけているようで、嬉しい限りです。

様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。