導入事例
医療法人 明仁会 かないわ病院 様

一つの地方病院がはじめた「IT改革」とも呼べるほどの刷新的なIT化。病院の求める「問題解決能力」に応えたPCAソフトによって、安定的でユニークな運用も。
石川県内で唯一の児童精神科を持つなど、時代が求める最善の精神科医療を提供し続けているかないわ病院。同病院は情報セキュリティやITシステムにおいても積極的に力を入れており、IT経営を実践した病院として「攻めのIT経営中小企業百選」も受賞している。そのような実績もノウハウも豊富に持つ同病院の厳しい目によって選ばれたのがPCAソフトだ。IT経営が地方の病院にもたらした想像以上の結果、そしてPCAソフトのユニークな運用方法について伺った。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
-
- 仮想化によってIT改革と呼べるほどの病院経営を実現。そこに対応できるソフトウェアが欲しい。
- 未収金の管理など、病院ならではの業務を簡単に行ないたい。
- 導入の効果
-
- PCAソフトなら仮想化にも柔軟に対応。病院側の要求にもフレキシブルに提案。
- PCAソフトの柔軟性とシンプルさを利用して、病院特有の業務も実現。
導入システム
- PCA医療法人会計 with SQL (2CAL)
- PCA給与X with SQL (3CAL)
- PCA人事管理X with SQL (2CAL)
- PCA商魂X with SQL (2CAL)
- PCA商管X with SQL (2CAL)
- PCA減価償却V.3 with SQL (2CAL)
導入企業とプロフィール

医療法人 明仁会 かないわ病院
職員数 | 143名 | ||
---|---|---|---|
業務内容 | 精神科病院 | ||
所在地 | 〒920-0351 石川県金沢市普正寺町9-6 | ||
設立年月日 | 昭和31年4月24日 | ||
標榜科 | 精神科、心療内科、児童精神科、内科、循環器内科 | ||
病床数 | 189床 (指定病床5床) | ||
施設基準等 | ・保険医療機関・石川県指定精神病院・生活保護法指定病院・精神科作業療法承認病院・精神科デイケア・ショートケア(小規模)承認病院 | ||
URL | http://kanaiwahp.com | ||
企業説明 | かないわ病院は、地域に密着したより良い医療を提供します。気になる「心の症状」があればどうぞ当院をご利用ください。当院は皆様のこころの健康に尽力いたします。 |
導入前の運用と課題
IT改革が地方の中規模病院にもたらしたもの
昭和31年、当時の石川県知事が音頭を取り、医師会の有志が集まり設立された医療法人 明仁会 かないわ病院。県内で唯一の児童精神科をはじめとする精神科医療、さらに近隣の住人も利用できる内科を備えた地域になくてはならない病院だ。病床数は189床と決して大規模ではないが、同病院は先進のIT改革を実行し、医療機関におけるIT経営のトップランナーとして多くのメディアで取り上げられている。
やや閉鎖的な環境に陥りやすい病院経営の中で、果敢にIT改革を実行した同病院。その効果は想像以上だったと事務長 大西義則氏とIT管理課 課長 河原直人氏は語る。
「先に、IT改革によって得られた効果からお話しすると、人材確保がかなり難しい時代において、若いドクターを増やせたこと。さらに循環器内科を新しく標榜できたことなど、非常に大きな結果が得られています。地方の中小病院、しかも精神科医療が中心となる病院において、このような結果が得られることはとても大きな価値のあることです」(大西氏、河原氏)
仮想化によってデータの確実な管理とメンテナンスの軽減が可能に
かないわ病院ではまず、デスクトップの仮想化からIT改革に着手した。以前は病院内の各部署にサーバーが散在し、それぞれの部署のクライアントパソコンに患者の個人情報をはじめとする様々なデータが入っている状況だった。
「このままでは大切な情報を確実に守りきることが難しく、さらにデータのバックアップやメンテナンスにも大きな手間と時間がかかってしまうと考えました。それを解決する方法として、仮想化ならメンテナンスも軽減でき、データの保存も確実に行えると考えたのです」(河原氏)
同病院では河原氏が入職する前から『PCA会計』『PCA給与』が利用されていた。
「PCAソフトはとても長く利用させていただいており、当時は『PCA会計』『PCA給与』をスタンドアロンで処理していました。管理部門はただでさえ少人数で動いていますが、イベントなどと重なるとさらに忙しくなります。そんな環境の中でもPCAソフトでまとめて処理していたので、なんとか対処できている状況でした」(河原氏)

事務長 大西 義則 氏

IT管理課 課長 河原 直人 氏
選定のポイント
選定の決め手は問題解決能力。PCAにはヒューマン・バックボーンがある
かないわ病院では仮想化によって業務の在り方を大きく変えようと決めたときに、再度、PCAを含めたソフトの見直しも行った。その際にはPCA以外のソフトウェアも検討の視野に入っていたという。しかし、ある条件においてやはりPCAがもっともフィットすると判断したそうだ。
「今回の仮想化の導入については、いくつものベンダーやソフトウェアメーカーなどとも話し合いました。その際、一つの決め手にしていたのは『問題解決能力』です。簡単にいえば、私どもの要求にどこまで柔軟に対応してくださるかどうかでした。私どもはただ効率化を進めたいだけでなく、地方の病院が直面している人材不足を解決したいという思い、さらに病院ですから『止まらないシステム』であることも重要でした。患者さんは止まってはくれません。それに対応できることが条件でした」(河原氏)
いくつかのソフトウェアメーカーの比較において、大前提となるのが同病院の進めていた仮想化にフィットできるソフトである点。ここにもっとも柔軟に対応したのがPCAだったと河原氏は語る。
「もっともフレキシブルに対応できる姿勢を示してくれたのがPCAでした。私どもの条件をよく理解していただき、仮想環境の上でも確実に問題なく動作できることも確認しました。その際のPCAの対応を見ていると、ヒューマン・バックボーンがしっかりとある企業だと感じました」(河原氏)
導入後の効果
医療機関での未収金管理に『PCA商魂X』を応用。シンプルなPCAソフトは、安定的な運用に向いている
同病院では『PCA商魂』『PCA商管』の販売管理ソフトから『PCA医療法人会計』『PCA給与』など多くのPCAソフトを導入している。常に創意工夫をしながら業務を推進している同病院では、『PCA商魂X』『PCA商管X』もユニークな使い方で運用している。その一例が『PCA商魂X』での未収金管理だ。
「私どもは『PCA商魂X』を未収金の管理に応用しています。得意先を患者さんに設定することで、細かなお金の動きを把握することが可能です。未収金管理については、レセプトの機能を使っている医療機関も多いと思いますが、その場合未収金が複数になった場合に柔軟性がなく、結果、確実に管理しにくい場合があります。しかし『PCA商魂X』ならそのような複雑な未収金にも対応できます。また帳票を出力するという点でも、レセプト機能よりもPCAの方が断然いいですね」(河原氏)
河原氏はPCAソフトの特徴として、このような「柔軟性」とシンプルに使えることで得られる「安定性」だと評価している。この柔軟性とシンプルな安定性は、河原氏のみならず他の職員も同じ印象を持っているだろうと語る。
「医療機関の場合、医療系に特化したソフトを使う病院も多いですが、機能が複雑すぎて使う側にとって必ずしもよいことばかりではありません。複雑な入力や操作が求められる場合、見えないエラーが出てしまう可能性もあり、やはりシンプルに扱えることはとても大事な点だと考えています。そういう点でもPCAは感覚的に使いやすいのではないでしょうか。このシンプルさを活かして、『PCA商管X』は医療材料の管理に使っています。普通に問題なく使えていますよ」(河原氏)
わかりやすい操作で、確実な会計準則へと導いてくれる『PCA医療法人会計』
以前から『PCA会計』を利用してきた同病院では、仮想化のタイミングで『PCA医療法人会計』へと切り替えた。
「切り替えてからまだ1年弱の時間しか経っていませんが、問題なく使えています。この問題なく使えるという点が大事で、安定感は医療に携わる私たちにとって大きな意味を持ちます。『PCA医療法人会計』では目の前にある画面、入力順序に沿って操作・入力していくことで、きちんと会計準則に準拠した処理ができます。病院の会計準則は割りと頻繁に改正されます。そのため一般的な会計ソフトの場合は、そのギャップを埋めていかなければならないのですが、『PCA医療法人会計』ならその必要はなくスムーズに業務を遂行できます。操作に関しても他の職員から特に不満の声はなく、ほとんどの人はすぐに慣れて、すんなりと入力できるのではないでしょうか」(会計担当 表氏)
『PCA人事管理X』による「職員の可視化」
同病院では『PCA人事管理X』を、これからの病院経営にとって重要な「職員の可視化」へと結び付けようとしている。そこには現在の精神科病院が抱えている問題を解決したいという事情もある。
「厚生労働省の方針としては精神科の療養病床を減らし、なるべく患者さんが社会の中で治療していける環境を作ろうとしています。つまり慢性期の患者さんに対応していくことが多かった私どもに、急性期の患者さん対応も今まで以上に求められることになります。その際に、迅速に対応するためにも医師・看護師・職員・スタッフの管理をスピーディーかつ確実に行う必要があり、そのためにも『PCA人事管理X』を上手に運用していきたいですね」(河原氏)

今後の展望と課題
医療業界に新しい価値と利益を生み出し、そして患者さんへのサービスへ還元したい
積極的なIT改革プロジェクトを開始して約2年経った同病院。新しいドクターの採用、新しい標榜科目が増えただけでなく、コメディカルスタッフの平均年齢も4,5歳下がるなど職員の若返りも実現できたそうだ。
「この地域に長く在り続けて、良質な地域医療を提供し続けていくこと。そして患者さんの満足に繋げていくことが私たちの最大の目標です。そのための改革の一つがIT経営で、それが想像以上に大きな力を発揮しました。今後も協力いただいた他のベンダーやメーカー、PCAを含めた仲間とともに、医療業界に新たな価値と利益を生み出せるような革新を行っていきたいです」(大西氏、河原氏)
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ピー・シー・エーから一言
経済産業省の選定する「攻めのIT経営中小企業百選」へのご入選おめでとうございます!
「攻め」のIT改革を実現し、公的機関より認定されたかないわ病院様に『PCAソフト』を選んでいただき、「攻めるなら、経理から。」をキャッチフレーズとしている弊社としましては大変光栄です。また、弊社の「問題解決能力」をシステム選定のポイントとしていただき、誠にありがとうございます。
弊社製品は仮想化環境での検証や、IaaSベンダー様とのアライアンスを積極的に展開させていただいており、また、各地の担当営業も販売パートナー様とタッグを組んで、お客様の問題・課題を解決できるような取り組みをさせていただいております。
こういった点をご評価いただき、弊社の提案をご採用いただきましたことを大変嬉しく思います。
今後も医療業界に新しい価値を提供していきたいと思いますので、引き続きご一緒させていただければ幸いです。
『PCA商魂X』『PCA商管X』をご利用いただきありがとうございます。
『PCA商魂X』を未収金管理に使用されるなど、業務にあわせて工夫されているのが、非常に興味深いものでした。評価いただいた「柔軟性」「安定性」を損なわないように、今後も意識していきたいと思います。
『PCA医療法人会計』をご利用いただき、誠にありがとうございます。
『PCA会計』から切り替えても問題なくお使いいただけていることを大変嬉しく感じます。
お客様の業務遂行のお役に立てますよう安定感を高めてまいりますので、今後もご愛顧のほどよろしくお願いいたします。