導入事例

株式会社 中京メディカル 様

株式会社 中京メディカル 様

高度管理医療機器の販売・在庫管理もPCAソフトで可能に。膨大なシリアル番号も汎用システムで処理。

眼科医療をさまざまな角度からサポートしている株式会社中京メディカル。眼内レンズの研究開発・販売、医師の教育環境の整備をはじめ、中国・大連の医科大学と共同事業を行うなど、新しい医療を展開している新進気鋭の企業だ。医療機器を取り扱うため、かなり細かく複雑な会計・販売管理が必要だが、『PCA商魂X』『PCA商管X』『PCA会計9V.2R7』を用いてスムーズに処理を行っている。汎用ソフトを複雑な医療機器販売管理にどう活かしているのかを探った。

導入の狙いと効果

導入の狙い
  • 膨大なシリアル番号の管理が手入力のため、時間もかかりミスも起きやすい。
  • 自社システムではWindows®のOS変更のたびに、システム改修費用がかかる。
  • 請求書発行システムと会計システムが別のため、データ入力に時間がかかり、照合作業も必要。
  • サーバー管理はコストがかかる。
導入の効果
  • 汎用システム×バーコード読み取りシステムでシリアル番号を処理。手入力処理がなくなり時間もミスも軽減。
  • 汎用システムを導入することで、メンテナンス費用は削減。万が一のトラブルにも対応しやすい。
  • 『PCA商魂X』『PCA商管X』『PCA会計9V.2R7』でデータ連携できるため、照合作業は不要に。バーコード読み取りから請求書発行までスムーズに一連の処理が行える。
  • サーバーを「HaaS」へ移行したことで、メンテナンスが不要に。※1

導入システム

  • PCA商魂X with SQL(3CAL)
  • PCA商管X with SQL(3CAL)
  • PCA給与X with SQL(2CAL)
  • PCA会計9V.2R7 with SQL(2CAL)
  • PCA減価償却V.3

※1:【HaaS(ハース)/Hardware as a Service】

[IaaS(イアース)/Infrastructure as a Service]インターネット経由でハードウェアを利用できるサービス。クラウドコンピューティングのひとつである。初期費用が発生せず、メンテナンスや管理も不要となる。

導入企業とプロフィール

株式会社 中京メディカル オフィス外観

株式会社 中京メディカル

資本金2,225万円社員数60名
所在地

〒456-0032 名古屋市熱田区三本松町17-1 アムバーハウス神宮2階

設立年月日平成6年8月1日
URLhttp://www.chukyomedical.co.jp/chukyomedical/
主要営業品目

眼内レンズの共同研究開発、販売

高度管理医療機器の共同研究開発、卸売販売および賃貸

医療機器の輸出入

眼科学術のサポート、眼科手術のサポート

医療従事者(海外含む)業務委託事業

労働者派遣・職業紹介事業影

導入前の運用と課題

膨大な製品のシリアル番号を手入力で処理

株式会社中京メディカルの中心的な事業の一つである眼内レンズの研究開発・販売。これらは高度管理医療機器のため取り扱いにも細心の注意が必要であり、製品の販売管理は非常に複雑で手間のかかる処理だった。

眼内レンズにはそれぞれ製品単体のシリアル番号があり、まずはこれを管理しなければならない。桁数は13桁。出荷する際はもちろん、返品があった場合もすべて管理・入力が必要だ。

「同じ日に3、4箇所の病院でオペがある場合もあり、逆にない日もあります。病院・クリニックの都合によってオーダーが来るので、集中する日もあります。オペにはバックアップ用のレンズも準備しなければならず、1回のオペに対し4~6枚レンズが必要です。仮に20眼だと最低でも80枚のレンズが必要になり、それが3、4施設重なることもあります。すると240枚のレンズを出荷するわけですが、これら1枚ずつに13桁のシリアル番号が振られており、それを入力・管理します。弊社では眼内レンズの販売は年間1万3000件を超えており、1万3000件に何倍もの数字を掛けた入力処理が必要でした」(代表取締役社長 安江朗氏)

同社は他のディーラーに先駆け、医療機関にスピーディーにレンズを届ける物流システムも持っている。多くのディーラーでは医療機関から発注があった場合、4~7日前までの注文を必要とするが、同社では発注を受けた2~3日後には届けている。このようなスムーズな供給のため在庫も多い。

以前、同社ではシステム全般は独自のシステムを組んで運用していた。しかしこの膨大なシリアル番号の処理はほぼ手入力で行っていたそうだ。また請求書発行システムと会計システムは連携しておらず、その都度データ入力に時間がとられ、この2つのシステムの照合作業も必要だった。

「システム全般を見直す必要があると考えました。以前と同様の自社システムの場合、Windows®のOSがバージョンアップするたびにシステム改修や保守などの維持費が必要です。このコストを抑え、また請求書発行システムと会計システムも連動させたい。サーバーのメンテナンスコストもかけたくない。そして手入力による処理を軽減したい……。そんな多くのリクエストを会計ソフトでお付き合いのあったPCAに相談しました」(安江氏)

株式会社 中京メディカル 代表取締役社長 安江 朗 氏
株式会社 中京メディカル
代表取締役社長
安江 朗 氏
株式会社 中京メディカル 医局サポート部 新美 茂幸 氏
株式会社 中京メディカル
医局サポート部
新美 茂幸 氏

稼働までのスケジュール

バーコード読み取りシステムも導入

シリアル番号の読み取りや入力ミスを防ぐために、当初からバーコード読み取りシステムの導入は前提だった。同社では、中部エリアで提供されている「HaaS」上で『PCA商魂』『PCA商管』『PCA会計』を運用する新環境に移行したのが3年前であったが、このバーコードデータの読み取りに少し時間がかかった。

「キャラメル包装のようなラッピングだと乱反射してしまい、バーコードを読み取りにくくなります。なのでスムーズに読み取れるような工夫も必要でした。バーコードデータを『PCA商魂』にアップロードし、同時に納品書と請求書の発行がうまくいくかも検証しなければなりませんでした。そのため従来のシステムと新しいシステムとを半年間並行利用していましたが、現在は改善されて、問題なく処理できています。」(安江氏)

導入後の効果

フルカスタマイズよりも汎用システムという選択

このように非常に複雑で注意を要する販売管理が必要なため、当初はフルカスタマイズでシステムを導入するか迷ったという。しかし同社の場合、既に「HaaS」を利用した環境は整っていた。そのためOSのバージョンアップ費用がかからず、請求書発行システムと会計システムが連携しているPCAの汎用システムは魅力的だったという。

「フルカスタマイズの場合、弊社からシステム会社へ十分な情報を伝えなければ良いものは作れません。しかも言えば言うほど複雑化していき、メンテナンスも大変になります。そこで『Aという機能は本当に必要か?』『Bの項目はCと置き換えられるのではないか?』などあらためてシンプルに考えるようにしたのです。シンプルに処理の流れを考えたことで、汎用ソフトでスムーズにデータを処理できることもわかりました。それでも当初はPCAさんにかなり多くのリクエストを出しました。打合せも毎回4、5時間に及びました。そこで要求しているポイントを再度精査して、不要なリクエストを徹底的に省いたのです。結果的にはPCAの汎用システム×バーコード読み取りシステムをカスタマイズすることで、以前のような手入力の処理は必要なくなりました。考え方や使い方次第で、フルカスタマイズよりも費用を安く抑えられる汎用システムで、十分に複雑な販売・在庫管理に対応できています」(安江氏)

シリアル番号読み取りから請求書発行までスムーズな流れに

実際、処理の流れは大幅に効率化された。現在、膨大な製品のシリアル番号はバーコード読み取りによって、そのまま『PCA商魂X』にデータを移行。納品書も請求書も照合の手間はなくなり、そのまま出力できる。サーバーも「HaaS」を利用しているため、メンテナンスも不要だ。万が一トラブルがあった場合でも対応しやすい。

「入力・処理している担当者からは、今のところ大きな要望などは上がってきていません。とはいえ実は最初、現場では新システム導入の際にああしたい、こうしたいという、ほぼイレギュラーな内容まで要望として上がっていました。そこに安江が『もっとシンプルに考えてみよう』とアドバイスしたのです。シンプルにしたことで、会計と販売・在庫管理の連携や、バーコード読み取りシステムとの連携など、結果的にはよかったのかなと考えています」(医局サポート部 新美茂幸氏)

中京グループ「目に効くサイト くりっくeye」HP
中京グループ 「目に効くサイト くりっくeye」HP
株式会社 中京メディカル HP
株式会社 中京メディカル HP
構築システム概要

今後の課題と展望

今後は管理部分でも更なる効率化を

現在のPCAソフトを用いた汎用システムの運用は、物流の管理・処理をしていくことには成功していると語る安江氏。今後は管理の部分でより便利に使っていきたいそうだ。「コンビニエンスストアのように在庫数が減ったら、自動的に発注できるようなシステムも考えていきたいです。例えば『PCA商魂X』からデータを取り出し、Excel®などで集計していけば、このようなシステム作りのヒントにできるかもしれません」(安江氏)

同社は現在国内に35施設の協力関係にある病院やクリニックと取引している。今後は東南アジアでの事業も計画しており、先進の医療環境を整えた施設も開設予定だ。大学病院とは異なる、新しい観点での医師教育チームも編成しており、次々に医療界へ新風を巻き起こしている。「患者さんが安心して相談できる病院・クリニックを広げること。そのためにも医師が安心してシンプルに働ける環境も作らなければなりません」(安江氏)

システム導入も同じだと安江氏は語る。「最初はいろんなアイデアがこんがらがっても良いのです。それを前提にして徐々にシンプルに絞っていきます。そしてイレギュラーなリクエストを反映することよりも、プロジェクトとしてもっとも稼働させやすいシンプルなシステムを選ぶことに重点を置くこと。それが発注責任なのではないでしょうか」

様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。