導入事例
アエラホーム株式会社 様
『PCA会計DXクラウド』×『CELF』で膨大な出金伝票の電子化・効率化に成功。全国の支店の小口現金処理をスマート化し、保管スペースも削減。
外張W断熱工法×自由設計によって、省エネでエコロジーかつ施主のライフスタイルに最適な住まいを提供しているアエラホーム株式会社。同社の「環境設計の家」には現代人が住まいに求める要素が反映されており、業績も順調に拡大し、2018年秋からはFC事業への本格参入も開始した。日本全国に支店が広がる中、課題となっていたのが各支店での小口現金の伝票処理だった。その課題を『PCA会計DXクラウド』と『CELF※1』の連携によって同社は確実に解決している。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- 全国の支店から本社に集約される大量の出金伝票を、効率よく処理したい。
- 支店でも、手書き伝票と変わらない手順で入力業務を行いたい。
- なるべくコストをかけずに、これまでと同様の運用で出金伝票処理のシステム化を実現したい。
- 導入の効果
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- 『PCA会計DXクラウド』と『CELF』との連携で、手書き伝票からの手入力の削減が実現。残業時間を減らし、ペーパーレスでの運用が可能に。
- 『CELF』によって、以前の手書き伝票と同様の手順で入力できる画面を作成。経理に詳しくない各支店のスタッフでもスムーズに入力できる。
- 『PCA会計DXクラウド』なら、各支店で利用する『CELF』とはWeb-APIにて連携できる。本社と支店の運用を大幅に変えることなく、また、一からシステム開発するよりもコストを抑えた導入が実現した。
導入システム
- PCAクラウド プリペイドプラン (Type12 9CAL)
- PCA会計 クラウド
- PCAクラウド Web-API※2
- CELF 30CAL※1
※1:『CELF』は、SCSK株式会社の提供する、表計算ソフト感覚で簡単にWebアプリが作れるクラウドサービスです。 『PCAクラウド』と『CELF』を連携する際は、『PCAクラウド Web-API』と『CELF拡張オプション for PCAクラウド』(無償)が必要です。
※2:『PCAクラウド Web-API』は、『PCAクラウド』と他のクラウドサービス等をシームレスに連携させることが可能なサービスです。
導入企業とプロフィール
アエラホーム株式会社
従業員数 | 315名 |
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主業種 | 建設業 |
事業内容 | 木造注文住宅の企画・設計・販売・施工・保守 住宅供給のための不動産事業・FC事業及びリフォーム事業 |
所在地(東京本社) | 〒102-0074 東京都千代田区九段南2-3-1 青葉第一ビル2階 |
設立 | 1984年12月 |
URL | https://aerahome.com/ |
基本方針 | より良い家を、より多くの方に。 |
導入前の運用と課題
全国の支店から届く大量の 伝票をスマートかつ効率的 に処理したい
1963年に創業したアエラホーム株式会社は、時代に先駆けた「環境設計の家」を提供してきた。外張断熱によって夏は涼しく冬は温かい家は、省エネにも貢献し、豊富な住まいのラインナップはデザイン性にも優れており、こだわりの自由設計・注文住宅は大きな人気を呼んでいる。同社の住まいは現代人のニーズと見事に合致し、順調に業績も伸ばしてきた。それに伴い支店も日本全国に展開し、その中で課題となっていたのが各支店での小口現金の伝票処理だった。 以前は次のような流れで小口現金の伝票処理が行われていた。 例えば顧客先への移動などで交通費を従業員が現金で支払うと、その伝票は手書きで記入された後に支店の上長の印鑑が押される。その日の支店の現金残高等を確認し、問題がなければその出金伝票はFAXによって東京本社の財務経理部へ送られる。その伝票を受け取った本社財務経理部の従業員が、以前から導入していた『PCA会計』への仕訳入力を行っていた。
「つまり以前の処理では、支店での紙への手書きと本社財務経理部でのソフトへの入力という2つの作業が発生していました。同じ処理の流れの中で、同様の作業を繰り返すことは非効率的です。もっとスマートに処理できる方法がないかを検討しました」(財務経理部 部長 乙黒謙一氏)
同社がスマートで効率的な小口現金の伝票処理にこだわった理由は、支店の数の多さ、つまり処理すべき伝票の多さにある。 「支店の数は31店舗です。以前はA4用紙に4枚ほどの伝票を貼り付けて本社へFAXしてもらっていました。月末になると小口現金の出費も増え、1つの支店から伝票を貼り付けたA4用紙が16枚ほど、つまり4伝票×16枚で64枚ほどの伝票が届いていました。これはあくまで1つの支店の話で、31店舗を合わせると2000枚以上の伝票が届いていたことになります」(財務経理部 塩見宣子氏)
これだけ大量の伝票を本社側で一括して仕訳入力していたが、主に2名のスタッフで入力しており、月初はこの作業だけで残業が発生していたという。
「小口現金の伝票処理だけで遅くまで残って業務を行うような状況は、なんとか改善しなければならないと思いました」(乙黒氏)
選定のポイント
拡大する業務を見据えて 『PCAクラウド』と『CELF』を導入
全国の支店で発生する大量の小口現金伝票をスマートに処理するために、同社では入力作業を各支店で実行できる環境を検討した。同社が「各支店での入力業務」を選んだ背景には、大手の住宅メーカーならではの事情があった。
「住宅メーカーの場合、各支店で発生する小口現金の用途は実に多岐にわたります。交通費以外の例を一つ挙げると支店の集客イベントで発生する経費があります。グッズや飲料水やちょっとした贈呈品などを購入します。これらは広告宣伝費に入りますが、他の勘定科目の出費も多いです」(塩見氏)
「住宅メーカーの各支店は多くの現場を持っており、簡単な材料を現金で買いに行くこともあります。例えばホームセンターで軍手やシート、梱包資材などの消耗品を小口現金で購入することは珍しくありません」(乙黒氏)
「このような多岐にわたった勘定科目の伝票を、FAXを見て本社財務経理部が逐一仕訳入力を行っていたのですが、中には読みにくい数字や勘定科目が不明な伝票もあり、その都度本社財務経理部から支店へ確認の電話を入れていました。各支店での入力業務を重視した理由は、結局、その数字が何なのかを最もよくわかっているのは支店自身だったからです」(財務経理部 係長 田岡敏彦氏)
また、フランチャイズ事業を展開予定、ゆくゆくは独立採算制を取っていきたいと考えていたこともあり、選定されたのが『PCA会計DXクラウド』と『CELF』とを連携させた運用だ。
導入後の効果
以前の手書き伝票とほぼ同様のレイアウトで入力が可能
現在同社では『PCA会計DXクラウド』と『CELF』を連携させ、まずは、各支店での伝票への手書き作業をなくした。まず小口現金の出費が発生すると、各支店では『CELF』の入力画面にて伝票の入力をしていく。そのデータは『PCAクラウド Web-API』を通じて自動的に本社経理部に送られ『PCA会計DXクラウド』に連携・反映される。 この新しいシステムの導入において同社はある点にこだわった。それは、これまでの手書き伝票と変わらない手順で混乱なく入力できることだった。
「『CELF』は画面レイアウトを比較的簡単に作ることができます。そこで以前各支店で使っていた出金伝票とほぼ同様の手順で入力できるレイアウトを、『CELF』開発パートナーと打ち合わせて作りました。各支店には経理に詳しい従業員が必ずしも在籍しているわけではありません。そこで以前の手書きの感覚でパソコン上に書けばよいというレベルにまでレイアウトを簡素化させました」(システム部 システム課主任 黒澤匡大氏)
実際、各支店においては混乱なく手書きからパソコン入力への移行に成功している。
「一応各支店にはマニュアルを配布するなど事前の準備は整えていました。導入当初は問い合わせの電話が多くかかってくるかと思っていましたが、実際には問い合わせもほとんどなくスムーズに移行できました」(塩見氏)
小口現金伝票に要する処理 時間を半減。さらに伝票の保管スペースも削減
『PCA会計DXクラウド』×『CELF』の導入によって、本社財務経理部では入力に関する時間を大幅に効率化できた。実際に以前は残業までして入力を行っていた財務経理部では、大きく負担を軽減できている。
「おそらく小口現金の伝票処理に関する時間は半分程度に短縮できました。そもそも以前は月末などの決まったタイミングで伝票が送られてくることが多かったのですが、今は『CELF』で入力されれば同時に仕訳に反映されているので、『PCA会計DXクラウド』によって確認作業も随時行えます。時間を有効に使うことができ私の残業時間も減りました。よかったと感じているのは本社だけではありません。支店側からもこれまでの手書き伝票に要していた時間が減り、他の仕事ができるようになったという声を聞きました。各支店・本社の双方にメリットがありました」(塩見氏)
導入メリットを実感している部分は作業時間以外にもあるという。それは伝票の保管だ。 「今回の『PCA会計DXクラウド』の導入によって、ペーパーレスがいかに大きな価値を持っているかを実感できました。以前は各支店から本社へ送ってもらっていた領収書や請求書についても、画像データをサーバーへアップロードしてもらう形にし、原始証憑は各支店の保管にしました」(乙黒氏)
「これまでは毎月各支店から大量の原始証憑が本社へ送られ、その保管のために外部倉庫を借りていました。地方に借りていたため賃料そのものは高くありませんでしたが、そこへ大量の伝票を持って行くことが大変でした。それも現在は必要ありません」(塩見氏)
『PCAソフト』×外部アプリケーションの可能性を広げられる事例
『PCA会計DXクラウド』と『CELF』を『PCAクラウド Web-API』にて連携させて運用することによって、本社財務経理部ならびに支店における小口現金の伝票処理の負担軽減に成功した同社。『CELF』と連携させて運用することで、支店は必要最小限の運用変更のみで混乱することなく利便性を高めることができ、本社も『PCA会計』の運用を大幅に変えることもなく、従来の業務負担を半減させることができた。
企業によっては各支店でも直接『PCA会計DXクラウド』への入力をした方がよい場合と、同社のように別のアプリケーションを使用して、連携できるシステムを自社開発する方が適切な場合の2通りがある。後者の場合、一般的には、カスタマイズ開発において自己責任となる部分も大きく、費用や時間も想定以上にかかるケースもある。ただし『PCAクラウド』×『CELF』のようなWeb-API連携での組み合わせなら、一からのスクラッチ開発と比べるとより簡単に、求める形にして運用することが可能になる。『PCAソフト』に外部アプリケーションを組み合わせる同社のような事例は、自社に合った運用の形を模索する企業にとって参考になるのではないだろうか。
今後の展望と課題
同社では今後、請求書や領収書などの証憑の原本廃棄を実現できる電子帳簿保存法対応と小口現金の伝票処理との連携も視野に入れている。外張W断熱住宅の建築ノウハウを持つ同社は「第26回地球環境大賞『奨励賞』」を受賞。
2018年11月からはFC事業に本格参入し、地域の工務店など加盟店をサポートできる体制を十分に整えることにも注力している。その体制を見据えて今から『PCA会計DXクラウド』を導入したこともあり、引き続き本社ならびに支店の業務を支援できるPCAのシステムへの期待は大きい。
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ピー・シー・エーから一言
この度は、全国に広がる支店の小口現金伝票処理のスマート化を目的に『PCA会計クラウド』をご導入いただきまして誠にありがとうございました。
今回のシステム導入の際には、アエラホーム様より、自社の課題や課題解決のために希望するシステム要件を把握しお伝えくださったことから、『PCA会計DXクラウド』と『CELF』での運用のご提案をさせていただくことができました。
導入に向けて進んでいく際も、どんなシステムであれば、各店舗と財務経理部の双方が、混乱なくかつ利便性を向上できるのかを考えられているところに、財務経理部のみならず会社全体の働き方改革に前向きに取り組まれている姿を感じ、感動いたしました。
システム導入まではもちろんのこと、導入後に想定される懸念点の洗い出しやフォローなどの準備を整えるなど、アエラホーム様のプロジェクトメンバーの皆様が、それぞれの責務をしっかりと果されていたことで、今回のようないい形での導入ができたのではないかと思います。
電子帳簿保存など次の段階に目を向けられている貴社の課題解決に向けて、弊社自身もPCAクラウドで電子帳簿保存法対応しておりますので、そのノウハウを活かして引き続きしっかりとご支援ができればと思っております。
ぜひ今後とも長いお付き合いの程よろしくお願いいたします。
『PCA会計DXクラウド』をご利用いただきありがとうございます。
PCAソフトはオンプレ版からクラウド版へ容易に移行できるよう、インターフェイスや機能、データ構造といった点で極力互換を持たせるよう設計しております。オンプレ版からクラウド版へスムーズに移行されているようで安心しました。
また、『PCAクラウド Web-API』と『CELF』の連携により業務の効率化に貢献できていることをうれしく思います。 外部アプリケーションとの連携機能は、常に強化していくべきポイントと認識しており、 今後も業務の効率化につながる便利な機能を提供できるよう改善に努めてまいります。 引き続きPCA製品をご愛顧のほどよろしくお願いいたします。