導入事例

株式会社 Aコープゆうべつ様

株式会社 Aコープゆうべつ様

PCAソフトと『PCAクラウドAPI』による連携で、コンパクトな自社システムを構築。販売管理・財務会計の作業を人手を介さずにほぼ自動化し、コストは4分の1に削減。

株式会社Aコープゆうべつは計4カ所のスーパーマーケットと給油所を経営している。以前はJAグループ北海道の情報センターのシステムを利用して販売管理・財務会計・給与計算の処理を行っていたが、その巨大なJAのシステムから独立し、PCAソフトを利用して自社独自のシステムへと移行した。業務の流れを一新する大掛かりな独自システムへの移行だったが、「導入してよかった」と社員が異口同音に語るほどの効果が出ている。1人のキーマンと2人の経理のエキスパート、そしてシステム導入のプロによって実現された成功例を伺った。

導入の狙いと効果

導入の狙い
  • 日計表や財務諸表、売上データなどをリアルタイムに確認したい。
  • なるべくコストを抑えたシステム運用にしたい。
  • 月末にならないと分からない未収金の管理を強化したい
導入の効果
  • 自社システムの構築によって、知りたい数字をすぐに確認。修正の対応など小回りの利く運用が可能に。『PCAクラウドAPI』を利用したシステム連携で、売上・残高をスムーズに確認。
  • PCAソフトを用いた自社システムのランニングコストは、以前の4分の1に。初期費用はかかるが長期的にはかなりのコスト削減になる。
  • 月中でも未収金の確認ができ、漏れなどもその場ですぐに反映ができる。

導入システム

  • PCA会計X EasyNetwork
  • PCA給与X システムB
  • PCA商魂X EasyNetwork
  • PCA商管X EasyNetwork
  • PCAクラウドAPI※1

※1:『PCAクラウドAPI』により開発した、カスタマイズプログラムが利用できるサービスです。

導入企業とプロフィール

A-COOP湧別店 外観

株式会社 Aコープゆうべつ

資本金42,750千円従業員数34名
主業種小売業
業務内容生活物資販売、燃料販売
所在地

〒099-6414 北海道紋別郡湧別町錦町294番地1

店舗(スーパーマーケット) A-COOP湧別店/SPARゆうべつ芭露店

店舗(ガソリンスタンド) 湧別給油所/芭露給油所

設立年月日平成14年11月6日

導入前の運用と課題

売上や残高の確実な結果を、すぐに確認できる状態にしたい

オホーツク海沿岸のほぼ中央部に位置する湧別町。株式会社Aコープゆうべつが経営する2つのスーパーマーケットと2カ所の給油所は、この管内に暮らす人々の生活を支える重要な役割を担っている。以前、同社では販売管理・財務会計・給与計算を、JAグループ北海道の情報センターのシステムを利用して処理していた。当時の流れについて、同社・経理担当の岩谷智津佳氏と小幡恵氏は次のように振り返る。

まず販売管理や会計処理に必要な書類を手書きで作成し、それを通りの向かいにあるJAゆうべつ町へ持っていき、そこでJAの職員に入力してもらうという方法でした。当事務所内にはJAグループ北海道の情報センターへアクセスできる端末がなかったため、どうしても物理的な移動が必要だったのです」(岩谷氏)

「この流れで困っていたのが、『結果がすぐにわからない』という点でした。日計表などは中1日の時間が必要でしたし、このAコープ湧別店の残高を知りたい場合でも、1、2時間前にJAゆうべつ町の担当者へ前もって連絡するという手順が必要でした」(小幡氏)

給与計算についても岩谷氏が従業員の勤怠表をJAゆうべつ町へ持参し、そこで入力処理を行っていたという。この「結果がすぐにわからない」という問題に加えて、巨大な情報センターのシステムのため数字の修正に時間がかかってしまう点、さらにコスト面でも負担を感じていたという。

株式会社 Aコープゆうべつ 経理担当 岩谷 智津佳 氏
株式会社 Aコープゆうべつ
経理担当
岩谷 智津佳 氏
株式会社 Aコープゆうべつ 経理担当 小幡 恵 氏
株式会社 Aコープゆうべつ
経理担当
小幡 恵 氏

選定のポイントと導入までのスケジュール

巨大なJAシステムから独立。ランニングコストは4分の1に

「売上や残高をいつでもすぐに確認できること」「数字の修正も簡単にできること」そして「コストを削減できること」。この3つの目標のために、同社取締役副社長 野田直人氏は「JAのシステムからの独立・切り離し、自社システムの構築」という大きな決断を選択した。

「当社は株式会社ですから会計原則がJAと若干異なる部分がありました。またコストも従来のシステムでは当社に負担がかかっていることを、JAの方も気にしていたようです。そのため当社がJAの電算システムから抜けて、独自の運用を行うことにまったく問題はありませんでした」(野田氏)

実際にコスト面は大きな差が生まれている。以前のシステムでは年間のランニングコストが250万円。しかし今回のPCAソフトを用いた販売管理・財務会計システムでは約4分の1にまで抑えられている。「初期投資はかかるものの、長期的なスパンでは断然安い」(野田氏)ということで導入が決定し、2013年2月から『PCA給与X』の使用を開始。7月からは以前のシステムと『PCA会計X』『PCA商魂X』『PCA商管X』との並行利用、そして8月から本稼働を始めた。

株式会社 Aコープゆうべつ 取締役副社長 野田 直人 氏
株式会社 Aコープゆうべつ
取締役副社長
野田 直人 氏

導入後のメリット

『PCA給与X』はシンプルで確実に処理できる

この大掛かりな新システムの構築を依頼されたのがPCA販売パートナー、株式会社ワイドバンドコンピュータ ビジネスソリューション事業部 カスタマーサービス 千葉昇生氏だった。まずは手始めに『PCA給与X』が導入され、岩谷氏と小幡氏の両氏はその使いやすさに驚いたという。

「以前のJAのシステムは、打ち間違えるとその修正にいくつもの手順を踏まなければならず、大変なプレッシャーの中で入力していました。しかし今は修正が簡単にできるため、心理的な負担も軽くなりました。入力もしやすく、使い難い点が思い浮かばないほどです。シンプルに使えるうえに、確実に処理ができています」(岩谷氏)

給与計算入力だけでなく社会保険の提出書類や年末調整なども、千葉氏のアドバイスを受けながら、すでに問題なく順調に利用できているそうだ。

売上計上から請求書発行まで、販売管理・財務会計の自動化に成功

『PCA給与X』で操作に慣れた後に、続いて『PCA会計X』『PCA商魂X』『PCA商管X』が本格導入され、販売管理・財務会計処理の流れは大きく変わった。

まず販売管理については、各店舗でPOSによって売上が集計され、そのデータはUSBメモリに保存され、事務所内の『PCA商魂X』『PCA商管X』に取り込まれる。取り込まれた売上や現金のデータは連携によって『PCA会計X』へと自動的に移行し、仕訳から現金や供給高の一括記帳までも自動的に行われる。仕入についても『PCA商管X』と『PCA会計X』の連携によって支払入力→支払先の振込データ作成→仕訳連携→預金科目への記帳・未払金の消込と、自動的に行われる。1店舗のみ売上データの集計にExcel®入力をしているが、現在のシステムになってからは基本的には販売管理で入力する部分はないといってよい。

この販売管理・財務会計の自動化については、株式会社ワイドバンドコンピュータによる『PCAクラウドAPI』を利用したアドオン・カスタマイズ開発も大きな鍵となった。POSデータを『PCA商魂X』『PCA商管X』に取り込む場合にはアドオン・カスタマイズプログラムによって変換させている。

また請求書発行についても、Aコープゆうべつ独自の形式があるために、月々の売上データから明細を取り出すために『PCAクラウドAPI』を利用。自動振替も銀行別かつ、それぞれの締日ごとにデータを取り出せるようにしており、ここでもAPIを用いた変換を行っている。

これらのデータ変換部分についてはワイドバンドコンピュータが力を入れた部分でもあり、特に自動振替については各銀行ともやり取りし、間違いのないシステムにしている。このスムーズな販売管理・財務会計の自動化に成功したことで、当初の目標であった、売上や残高をいつでもすぐに確認できるようになっている。

導入して半年。順調な運用で、 業務の負担を大幅に軽減

今回のPCAパッケージソフトを利用した新しい販売管理・財務会計・給与計算システムについて、「本当にありがとうと言いたい」(岩谷氏)と、岩谷氏と小幡氏はかなり満足しているそうだ。以前は月末にならないと判明しなかった未収金の漏れ、今はその場でわかる。責任は重くなったが、自分の仕事のペースに合わせて処理ができる点も助かるそうだ。また、新システムでは自分たちで処理しなければならない範囲が増え、時間が気になっていたそうだが、まったく時間を要することなく確実に定刻に業務が終了しているという。本格導入して約半年しか経たないが、このような順調な運用が行われていることについて、JAの経理のエキスパートである両氏のスキルや経験があるからだと千葉氏は評価している。

「お二人はJAの経理を熟知しておられるため、PCAの一般企業向けのパッケージソフトは最初戸惑いがあるのではと思っていました。しかしお二人は会計や経理の明確な答えを持っておられたため、私はそこに近づくための方法を考えればよかったので、運用のルール作りもアドオン開発も非常に提案しやすかったです」(千葉氏)

A-COOP湧別店
A-COOP湧別店
SPARゆうべつ芭露店
SPARゆうべつ芭露店
湧別給油所
湧別給油所
芭露給油所
芭露給油所
同友会グループ HP
JAゆうべつ町 HP
構築システム概要

今後の展望と課題

管内唯一のスーパーとしての社会的責任。PCAにはそれを支える力になってほしい

新システム導入の中心人物である野田氏は、管理者の立場から見ても、「PCAのシステムは小回りが利き、以前のような制限がなく扱いやすい」と評価している。一方で、セキュリティの部分では常にリスクを意識しながら運用することも心掛けている。

同社が新システム導入にあたり「コスト削減」を意識した背景には、管内唯一のスーパーマーケットとしての社会的責任もあったという。

「管内唯一のスーパーですからなくすわけにいきません。ですからコスト削減によって従業員への還元も含めた健全な経営に活かしたいですし、おじいちゃんやおばあちゃんに10円でも20円でも安く商品をご提供したいのです。そして今後も地域に残っていける強いスーパーにすることで、現在各地で問題となっている買い物難民をこの管内からは出さないようにと考えています」(野田氏)

詳細はまだ明らかにできないが、現在、ワイドバンドコンピュータとともに、買い物難民を出さないためのシステム作りも検討しているそうだ。「コスト削減の効果が実際にわかってくるのは次年度からだと思っています。足腰の強いお店にするためにも、PCAの力をお借りしたいと考えています」(野田氏)

ピー・シー・エーから一言

  • PCA コメント

    『PCA X』シリーズと『PCAクラウドAPI』を利用したシステムを導入していただきまして、誠にありがとうございます。

    取材に伺わせていただいた当日は、関東ではなかなか経験することのできない大雪でしたが、暖かく迎え入れていただき、今までで一番記憶に残る取材となりました。お気遣いいただきまして、ありがとうございました。

    取材の前に、ワイドバンドコンピュータ様のご提案書資料を拝見しておりましたが、実際に取材させていただき、その資料通りの業務改善が実現されていることがわかり、弊社製品がお役に立てていることに安堵いたしました。
    コスト面でも3/4の削減ができたとのこと、嬉しく思います。

    また、資料につきましてはAコープゆうべつ様の経営課題とその解決方法であるIT化戦略の実現性が具体的かつわかりやすく整理されており、お客様と提案サイドが一体となって作成された非常に良くできた提案書だと感じました。お客様の業務改善をご提案させていただくメーカーとして、お手本にさせていただきたいと考えております。

    未収金管理は難しい業務ですが、今回のシステムによって改善のご支援ができ、嬉しい限りです。
    日次レベルでPOSシステムと『PCA商魂X』の連携を行うことにより、月中でも残高確認ができるようになったかと思いますが、これも『PCAクラウドAPI』を有効活用いただいて、スムーズなデータ連携を実現していただいているからだと思います。

    今後も業務拡張をご検討されているとのことですので、また新たに経営・業務の課題ができた際にもお役に立てるよう、弊社も製品機能・サービスの向上に努めたいと思います。

    引き続き宜しくお願いいたします。

  • 開発チーム コメント

    ワイドバンドコンピュータ様には『PCAクラウドAPI』で幅広い連携を実現していただき、Aコープゆうべつ様でご活用いただいていることを嬉しく思います。
    今後も機能追加を行っていきますので、より便利になっていくと思います。

    ぜひ、今後とも『PCAクラウドAPI』を有効にご利用いただいて、弊社製品が業務改善のお役に立てれば幸いです。

様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。