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メンタルヘルスのための認知行動療法とは?

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認知行動療法とは?

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy)は、対象者が現実をどう受け取るか、という認知面に介入し、行動を修正していくアプローチ方法です。認知行動療法は、世界的にうつ病や不安障害の治療に用いられている治療アプローチの一つです。さらに、認知行動療法はメンタルヘルスに対しても有効な方法です。認知には、自動思考という無意識下でうかぶ考えやイメージがあります。この自動思考が症状、感情、行動に対して相互に影響を与えます。この考えに基づき、認知行動療法が実施されます。自動思考や行動の変化を起こすことで、症状や感情に対してポジティブな効果を与えることができるということです。

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認知行動療法の効果

認知行動療法は、うつ病、不安障害、心身症障害、過食症などの精神疾患に対して高い有効性があることが数多くの研究で分かっています。また、怒りのコントロールや一般的なストレスに対しても認知行動療法は高い有効性があることを報告する研究もたくさんあります。このように、メンタルヘルスの不調に対しての施策として、認知行動療法は有効な一つの策となるといえます。

参考文献:Pubmed「認知行動療法の有効性:メタ分析のレビュー」(英文)

メンタルヘルスケアとしての認知行動療法

メンタルヘルスケアには、4つのケアが大切とされています。4つのケアとは「セルフケア」「ラインケア」「産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」です。認知行動療法は、やり方さえ知っていれば、自分自身で行うことができる「セルフケア」です。また、認知行動療法を始める際には、専門家の力が必要となってくるため、この4つのケアとの結びつきが強いメンタルヘルスケアといえます。深刻な状況に陥るために、認知行動療法を用いて、メンタルヘルスの状態を改善することはメンタルヘルスケア対策として一つの方法といえます。

認知行動療法の実際のやり方

認知行動療法には様々なアプローチ方法がありますが、代表的な方法「コラム法」について解説していきます。

認知の歪みについて

認知行動療法を実際に行っていく上で、ネガティブな自動思考である認知の歪みについて知っておくことは重要です。認知面に対してアプローチしていく中で、どのような認知の歪みに気をつけなければいけないか知っておくことで認知面へのアプローチを正しく行うことができます。認知の歪みとして以下のものが挙げられます。

  1. 全か無かの思考: 物事を極端に良いか悪いかで判断する。
  2. 一般化のしすぎ: 一つの出来事から全体を判断する。
  3. メンタルフィルター: ネガティブな情報のみを拾い上げる。
  4. ポジティブなものを無視: 良い結果や情報を無視する。
  5. 結論の飛躍: 証拠がないにも関わらず結論を出す。
  6. 感情的な理由付け: 自分の感情を事実として扱う。
  7. 「すべきだ」という思い込み: 自分や他人に対して厳格なルールを設ける。
  8. ラベリング: 一つの行動から人全体を評価する。
  9. 個人化: 自分に関係ないことを自分のせいにする。

コラム法

「コラム法」は、うつ病などで見られる否定的な自動思考に対処するための認知行動療法の一つの方法です。この方法は、問題のある思考パターンを認識し、それをより現実的でバランスの取れた思考へと修正することでメンタルヘルスの改善を目指します。

「コラム法」の具体的なステップは以下の通りです:

  1. 状況を記述: トリガーとなった具体的な状況を明確にします。
  2. 感情を特定: 状況によって引き起こされた感情とその強度を評価します。
  3. 自動思考を識別: 状況に対して最初に浮かんだ考えを特定します。
  4. バランスの取れた思考に変更: 自動思考の根拠と反証を探り、より現実的な考え方へと修正します。
  5. 感情の変化を評価: 新しい思考が感情にどのように影響したかを振り返ります。

コラム法では、否定的な思考から脱却し、ポジティブな感情や行動へと変化を起こしていくことが目的です。

参考資料:厚生労働省「うつ病の認知療法・認知行動療法」

企業における認知行動療法の導入(トヨタ)

認知行動療法は、メンタルヘルスケアの一つの方法として重要な役割を果たすことができます。実際に、企業のメンタルヘルス対策において認知行動療法が取り入れられています。トヨタでは、認知行動療法スキルアップトレーニング講座が全従業員を対象に提供されています。認知行動療法を取り入れる目的として、ストレスマネジメントへの活用ということが掲げられており、セルフケアの一つとして従業員が実施できるようにサポートをしています。

参考サイト:トヨタ「Sustainability Data Book」

まとめ

認知行動療法(CBT)は、うつ病や不安障害などさまざまな精神疾患の治療に広く用いられる手法であり、メンタルヘルスの改善に対しても効果を発揮します。

具体的な方法の一例として「コラム法」があります。これは、否定的な自動思考を特定し、それを現実的でバランスの取れたものに修正することで、心理状態の改善を図るアプローチ方法です。

認知行動療法はメンタルヘルスケアにおいて重要な役割を果たします。自動思考の認識と改善を通じて、より健康なメンタルヘルスを保つことができます。

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