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純国産ソフトウェアロボット『WinActor』紹介セミナーをレポート
数値で見る、現代社会の「人材難」
まずは、現在中小企業が経営上どんな問題を抱えているか、プロジェクターでグラフが投影されました。ここで注目すべきは、「人材難」の数値です。バブル崩壊で急激に回復したものの、2011年から数値が上がり、後期高齢者増加に伴い現在では慢性的不足に悩まされている企業が多く見られることがわかりました。別のグラフでは、2017年に比べ2018年は求人難型の倒産が倍増していることもわかります。続いて、日米の労働生産性を比較してみます。サービスの質を調整すると、米国と比べて日本は労働生産性が低くなっています。
この問題の解決に役立つのが、今回のセミナーの主役「ソフトウェアロボット」です。このロボットを活用すると、人は人にしかできないクリエイティビティを発揮する仕事に集中できるようになるそうなのです。一体、どういうことなのでしょうか。
ソフトウェアロボットとは?
これまでも中小企業ではブルーカラー(工場)の産業用ロボットが活躍してきました。今回注目するのはホワイトカラー(事務所)で活躍するソフトウェアロボット。データ入力や情報チェック等の作業を人間に代わって行うロボットです。このホワイトカラー間接業務を自動化する技術は、ロボティック・プロセス・オートメーション(通称、RPA)と言われています。
ソフトウェアロボットが力を発揮するのは、少量多品種の業務。作業ボリュームが少なく、費用対効果の出ない表計算の集計などを得意としています。情報が電子化されているものをはじめに、定常的に発生する大量の反復操作を伴う業務、また処理方針や判断ルールが明確なものなどをソフトウェアロボットに任せることで、女性やシニア層の活躍を促進できることなどが説明されました。
純国産RPAソリューションの『WinActor』
このRPAを取り入れるのに有効なのが、純国産のRPAツール『WinActor』。ここからは、実際にどんなサービスがあるのかといった紹介に移っていきます。『WinActor』は2010年にNTT研究所で産まれた純国産RPAソリューション。Excel、ブラウザ、個別の業務システム等、Windows端末から操作可能なあらゆるアプリケーションの操作をシナリオとして学習し、PC操作を自動化するソフトウエア型のロボットです。「家電量販店が作業指示書を出すときにRPAを使ったら」という設定でRPAを実際に動かしている様子が、プロジェクターで映し出されました。
実際に動いているところを見ると、RPAとどのように作業を分配できるのかイメージがわきます。活用例や課題などが説明されたのち、紙帳簿を転記する場合の説明に移ります。ここで役立つのが「AI-OCR」です。紹介にあたって、ネットスマイル株式会社の小笠原さんが登場しました。
「AI-OCR」とは、OCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)にAI(人工知能)を取り入れたもの。ディープランニング・機械学習による文字認識率の向上をサポートします。「WinActor」との親和性は高く、「AIスキャンロボ」を使えば、紙帳簿の転記まで含めてRPAの活躍が期待できます。
最後には、RPAを何に取り入れるとスムーズになるのか事前検証をしっかりすること、うまく取り入れ運用するために教育を受けること、さらにスムーズにするためにAI技術を取り入れることという3つの要点がセミナーのまとめとして説明されました。中小企業の労働生産性を高めるのに有効なRPA。問題解決の選択肢のひとつとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。
※ 『WinActor』は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
※ その他、記載された製品名及び会社名は各社の商標または登録商標です。
※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。