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『#会計クイズ説明書 財務諸表の読み方』セミナーをレポート

財務諸表の種類と貸借対照表

この日のスピーカーは、自身のSNSで展開している会計やファイナンスについてのクイズが反響となっている株式会社Funda代表取締役の福代和也さん。ツイッターアカウント「大手町のランダムウォーカー(@OTE_WALK)」 

 で、毎週日曜日の21時に「#会計クイズ」を出題しています。まずは財務諸表の説明からセミナーが始まりました。

財務諸表とは、財産の状況を報告する貸借対照表、会社の成績を報告する損益計算書、そしてお金の動きを報告するキャッシュフロー計算書の3種類に分けられます。今回の説明で扱っていくのは貸借対照表と損益計算書。さらにここではその財務諸表を、ボックス型の図にして考えます。

貸借対照表の図は、会社に存在する資産の状態(資産サイド)と、会社資金の調達・運用状態(調達サイド)に分かれています。資産サイドに含まれるのは現金、売掛金、商品などの「流動資産」と、建物、車、備品などの「固定資産」。調達サイドには買掛金、短期借入金などの「流動負債」と社債、長期借入金などの「固定負債」、加えて株主資本や評価加算差額、新株予約権など返済不要なものが「純資産」として含まれます。

クイズで貸借対照表を読む

早速、貸借対照表の図だけで業種を予想するクイズが出題されました。1問目の表は固定資産部分が大きく、それを負債によって調達しているため負債部分も大きくなっている形のもの。「さて、この図は小売業、IT業、鉄道業、どの業種の貸借対照表でしょうか」と福代さんが問いかけます。参加者は正解だと思うものに手を挙げて、多数決をとっていきます。正解は、鉄道業でした。「鉄道業は線路や電車を使うため固定資産が膨らむという特徴を持っています。その固定資産をどのような形で調達するかというと長期の借入金で買っていたりするため、負債も膨らむという特徴も出ます」などと、正解発表の後には福代さんの丁寧な説明が入ります。

損益計算書の読み方とは

次は損益計算書の読み方の説明に移っていきます。損益計算書は収益項目、費用損失項目、純利益(損失)と大きく3区分に分かれ、貸借対照表の純資産が損益計算書の収益項目のうちの利益に当たります。そして貸借対照表と同じようにボックス型の図で表すと、右側には収益、左側には費用・収益・費用の差額となる利益が入るシンプルな構図が完成します。「専門用語が入っていたり、数字の羅列が入っていたり。初心者の方には結構難しいかなという認識を持っているので、なるべくわかりやすくしたいと思います」という言葉通り、とても丁寧かつ楽しく学べる工夫がよくされています。

損益計算書の図面を見て業種を当てるクイズも出題されました。今度の正解の選択肢はIT業、化粧品業、卸売業の3つ。売上原価が小さく、広告宣伝費、賃料、人件費などを表す販管費が大きいことが特徴となっています。正解は、化粧品メーカーのもの。有名な女優を起用し「この女優みたいになりたい」という認知のさせ方をするため、販管費が大きくなる特徴があるとのことでした。

財務諸表の勉強方法

最後には、福代さんから財務諸表を勉強する上でのアドバイスも。「1週間に1回、企業のIRを読むと確実に財務諸表を読む能力は身につくと思います。少しでも多く財務諸表に触れる習慣を作ることが大事です」と教えてくれました。また、「最初に貸借対照表や損益計算書を頭の中で図面化してから財務数値を見ることも、財務諸表を読むコツ」とのこと。イメージと数値とを照らし合わせながら差異を埋めていくことで、財務分析能力が上がるそうです。

ツイッター上での会計クイズだけでなく、さらに分析力を上げるためのクローズドコミュニティ「Finance LABO」でも月に1回ほど勉強会を行っている福代さん。「財務数値は基本的にパターンだと思っているので、多くの事例に当たることはすごく大事だと思います」と締めくくり、今回のセミナーは終了しました。

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