導入事例
株式会社龍屋半左衛門 様

注文急増に悩むEC運営企業は必見――PCAクラウド×ECサイト連携で、出荷数3倍を実現
注文のたびに伝票を1枚ずつ起票し、出荷量に応じて現場総出で対応する──。BtoC事業に取り組む企業にとって、ECサイトの受注処理と在庫・出荷の管理は、想像以上に“人手”を要する。老舗バッグメーカー・株式会社龍屋半左衛門も、EC事業の急成長にともない、業務フローの限界に直面していた。現在同社は、ECでの受注から出荷までの工程をシームレスに接続。日々の業務負荷を軽減しつつ、限られた人数でも安定した出荷対応を実現している。ECと基幹システムの連携に悩む多くの企業にとって、同社の事例は実践的なヒントとなるはずだ。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- 煩雑な手入力業務をなくし、少人数でも安定した受注処理を実現したい。
- 在庫状況を、なるべく誤差が発生しないよう正確に把握できるようにしたい。
- 業務ロジックを大きく変えずに、低コストでBtoC対応を実現したい。
- 導入の効果
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- ECモールの注文情報が自動で『PCAクラウド 商魂・商管』に取り込まれ、手入力はほぼ不要に。事務作業の負担が減り、出荷件数も従来の3倍に増加。少人数でも安定運用が可能になった。
- 在庫が注文と同時に即時更新され、ズレや誤出荷のリスクを軽減。受注・在庫データを分析に活用することで、売れ筋や傾向も可視化しやすくなった。
- API連携により、使い慣れた基幹システムを活かしながらBtoC業務に対応。初期費用も想定の10分の1で抑えられ、現場への定着もスムーズ。
導入システム
- PCAクラウド 商魂
- PCAクラウド 商管
※PCAクラウド Web-APIにより、ECサイトの受注データをECコネクター経由でPCAクラウド商魂・商管へ自動連携
導入企業とプロフィール
株式会社龍屋半左衛門
| 住所 | 〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2-13-28 |
|---|---|
| 設立 | 1942年1月 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 業種 | 卸売業,小売業 |
| URL | https://tatsuya-hanzaemon.co.jp/ |
| 業務内容 |
トラベルバッグ・かごバッグの製造ネット通販・OEM製造・卸売。 |
導入前の運用と課題
“可愛いのに本格派スーツケース”。そのヒット商品の裏で広がっていた手作業の負担
1918年創業の株式会社龍屋半左衛門は、100年以上、バッグ製造の道を歩んできた老舗企業だ。若者を中心に人気を集めるスーツケースブランド「モアエルグ(MOIERG)」や、OEM生産では、小ロットや短納期といった要望にも応じている。
EC事業では、旅行需要の再開を待たずして同社のスーツケース・キャリーケースの人気が高まり、可愛らしさと堅牢性を兼ね備えた商品が注目を集めていた。
一方で、BtoCへの業態転換は、想像以上の業務負荷をもたらした。
「BtoBの時代は、『PCAクラウド 商魂・商管』のみで十分に回せていたんです。取引先もほぼ固定で、月間の伝票枚数も決して膨大ではありませんでした。ところがBtoCになると、1注文ごとに1枚の伝票が必要になります。1日100件、あるいはそれ以上の日も。それらを全部手入力していたので、事務スタッフの処理が1〜2時間、日によってはもっとかかっていました」(EC統括部長 上髙忠嗣氏)
同社は複数の異なるECプラットフォームで販売を行っており、各サイトの受注データは1件ずつ目視で確認し、『PCAクラウド 商魂・商管』へ手動で転記していた。CSVデータの取り込みも可能だったが、モールごとにデータを個別に出力・変換する必要があり、ノウハウや時間的余裕もなかったため、現場ではアナログ運用が続いていたという。
「売れるのは本当にありがたいことなんです。でも、注文が増えればその分、出荷も発生します。梱包や伝票出力、在庫の突き合わせ……とても既存の人員では対応できず、私たち管理部門の社員も出荷場に応援に入っていました。従業員の家族にアルバイトとして手伝ってもらったこともあります。それでも1日に100件の出荷が限度でした」(上髙氏)
商品が売れ続ける中で、人手不足とアナログ業務の“綱渡り”が常態化していた。そこで、急増するBtoCの受注処理に対して、根本的な業務の見直しを行うことになった。
株式会社龍屋半左衛門
代表取締役
石原和幸氏
株式会社龍屋半左衛門
EC統括部長
上髙忠嗣氏
moierg「モアエルグ」
キャリーバッグ専門
選定のポイント
社内外の知見を結集し、EC連携プロジェクトが始動
日々の手入力作業と出荷対応に限界を感じるなか、業務改善に向けた一歩は、外部の知見から始まった。
「私の知人でIT系コンサルタントを行っている方から、ECサイトと『PCAクラウド 商魂・商管』は“理論上は連携できる”と聞いたのが最初でした。ただし、当社に合う仕組みを新たに作るしかないという話になり、プロジェクトチームを組むことになったんです」(上髙氏)
プロジェクトには、同社に加え、PCA、クロスモールなどEC一元管理ツールを提供するベンダー、そしてECコネクター(※クロスモールとの連携を補完するコンバーターツール)の構築を担う技術パートナー兼コーディネーターのITコンサルタントが参加した。
「最初は2カ月もあればできると思っていたんですよ。ところが、実際には半年かかりました。商品マスターや在庫データの再整備。そして“この件はそちらに”“これはあちらに”という各社間の調整が想像以上に大変でした」(上髙氏)
今回構築された仕組みは、『PCAクラウド 商魂・商管』のWeb-APIを活用し、クロスモール、さらにECコネクターを経由して、注文情報を基幹システムである『PCAクラウド 商魂・商管』へ取り込む仕組みとなっている。各モールの受注データはクロスモールに集約され、ECコネクターを通じて自動的に『PCAクラウド 商魂・商管』に反映される。
「BtoCの注文を、いかにBtoBのフローに落とし込むかが一番の難所でしたね。考え方やデータ構造の違いもあって、最初は“本当に連携できるのか?”と不安もありました。でも、何とか山を越えて、ようやく今の形になりました」(上髙氏)
導入のメリット
手入力からの解放。限られた人数で、3倍の出荷対応を実現
複数のプラットフォームにまたがる注文情報を効率的に集約・処理するため、同社では『PCAクラウド 商魂・商管』のWeb-APIを活用した連携構成を選択。EC一元管理ツールやコンバーターツール(ECコネクター)との連携で、自社に最適なフローを構築した。
このECと基幹システムの統合により、最も大きな変化が見られたのは、受注データの入力業務である。従来は、ECモールの注文を1件ずつ目視で確認し、伝票を個別に起票していたが、現在はすべての注文が自動的に『PCAクラウド 商魂・商管』へ取り込まれるようになり、手入力作業は大幅に軽減された。
この変化は、単なる作業時間の短縮にとどまらない。事務担当者の精神的な負担も軽減され、ヒューマンエラーによる伝票ミスの発生も抑制。限られた人員でも柔軟かつ安定的な業務運営が可能となっている。
また、出荷業務も大きく改善され、以前は1日あたり100件の対応が限界だったが、現在は300件程度と、以前の3倍まで対応可能に。繁忙期でも特別な応援体制を敷くことなく、既存の人員で対応できる環境が整った。
API連携で“在庫の今”を即反映。在庫管理と販売戦略の進化
現在、各モールの受注情報と『PCAクラウド 商管』の在庫情報はリアルタイムで同期できる。これにより、注文と同時に在庫数が即時更新され、手作業では難しかった“在庫の見える化”が進んだ。
以前は注文の確認後に手動で在庫を修正していたため、若干のタイムラグがあり、売れ違いや誤出荷のリスクがあった。現在は、システム上で情報が自動連携されることで、そうしたミスのリスクが軽減され、ユーザーへの提供情報もより正確なものとなっている。
さらに、受注・在庫データを分析基盤に取り込むことで、商品ごとの売上傾向や時期的な変動も把握しやすくなり、在庫過多の抑制や補充タイミングの判断精度が向上している。こうしたデータは、キャンペーン施策や仕入戦略の立案にも活用され、販売全体の質的な向上にもつながっている。
「以前の“なんとなく売れている”という感覚ではなく、今はデータで裏付けを取ったうえで意思決定ができるようになりました」と上髙氏は語る。

コストを抑えつつも、確実に効果のあるEC業務効率化
同社では一時、既存の業務フローを根本から見直すような大規模システムを検討していたが、コストの試算は1,000万円近くに上り、投資対効果を考慮すると現実的ではなかった。
そのなかで採用されたのが、『PCAクラウド 商魂・商管』をベースに、API連携で外部システムと柔軟に接続しながら既存の販売管理基盤を活かす方法である。初期投資は約110万円と、想定していた予算の10分の1で実現。これまで使い慣れた仕組みや現場の業務フローを維持したまま、BtoCの業務フローに対応できたことで、現場にも無理なく浸透し、定着までのスピードも早かった。
加えて、システム改修を段階的に進められる拡張性も大きな魅力だ。将来的にモールが増えた場合にも、同じ構成で連携を追加できるため、中長期的な運用面でも柔軟な体制が整っている。
「今後は、こうしたEC連携のニーズはますます高まると思います。当社のような取り組みが、同様の悩みを抱える企業にとって一つの選択肢となれば幸いです」と上髙氏は語る。
今後の課題と展望
一連の業務フローは大きく効率化されたものの、小規模な不整合が残っている部分があるという。たとえば、在庫照会画面と集計表の数値に、一部差異が生じるケースがあり、目視による突き合わせが必要となる場合がある。
「もちろん、手作業に比べれば大幅にラクになったのは間違いありません。ただ、実際の業務では“完全自動”とはいかない場面もあって、現場ではその都度、細かく調整をしています」と上髙氏は語る。
同社では、今後、EC領域に特化したPCA純正の簡便なソリューションが登場することに期待を寄せている。中小企業にとって導入しやすい、初期構築の手間やコストを抑えたサービスがあることで、同様の課題を抱える事業者にも導入が進みやすくなると考えている。
同社は、長い歴史の中で、確かなモノづくりと誠実な取引で信頼を積み重ねてきた。
「古い体質のままでは、今の時代には通用しません。だからこそ私たちは、伝統を守りながらも変化を恐れず、チャレンジを続けていきたいと考えています」と代表取締役の石原和幸氏も語る。こうした姿勢は、EC業務の効率化やデジタル連携への積極的な取り組みにも表れている。
https://tatsuya-hanzaemon.co.jp/
本導入事例の導入製品・サービス以外にも
さまざまな製品・サービスを提供しています。
ピー・シー・エーからのコメント
PCAクラウドをご利用いただきありがとうございます。
また、API連携を通じ、商魂商管を最大限活用いただきありがとうございます。
まだまだ機能面・連携面は改善していけると思いますし、さらなる業務効率化を実現できると思いますので、今後ともご愛顧のほどいただければ幸いです。
『PCAクラウド 商魂・商管』をご利用いただきありがとうございます。
ECとのAPI連携で大幅な業務効率化に貢献できたことを大変うれしく思います。
『PCAクラウド 商魂・商管』とECのAPI連携は弊社としても理想的な事例になったと存じます。
API連携の部分でまだまだ改善できる余地があると思いますので、今後もお客様にとって有益な提案ができるよう努めてまいります。
『PCAクラウド 商魂・商管』をご利用いただきありがとうございます。
御社がEC運営において直面されていた「急増する注文による業務の煩雑さ」を解消するために、『PCAクラウド 商魂・商管』をご活用いただけたことを非常に喜ばしく思っております。私たちのAPI連携により、受注データが自動的にスムーズに処理され、手入力の必要がほとんど無くなったとお聞きし、私たちの理念が実現されたことを大変嬉しく感じております。
『PCAクラウド 商魂・商管』では様々なシステムと連携できるようにAPIの実装に力を入れています。
機能の追加や改善は今後も継続し、お客様にとってさらに便利なサービスを提供できるよう努めてまいります。
引き続きPCA製品をご愛顧のほどよろしくお願いいたします。