導入事例
株式会社 エスシー・カードビジネス 様

『PCA eDOCX』によって会計データと経理確証を紐付け。監査法人との迅速なリレーションを強化。
株式会社エスシー・カードビジネスは、大手クレジットカード会社のグループ企業として、保険・旅行・通信販売など幅広い事業を展開している。「信用」を取り扱う企業のため、会計業務には確実性が求められ、監査法人との緊密なリレーションも必要だ。そこで利用されているのが『PCA eDOCX』だ。証憑をデータ化することで、よりレベルの高い信頼性の確保を実現している。『PCA eDOCX』の良き成功事例を紹介する。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- 会計データのアウトプットが帳票のみであり、関連証憑と併せて管理したい。
- 監査法人からの経理確証の要求に迅速に対応したい。
- 伝票入力の二度手間の負担を解消し、年々負荷が増していた総務部全般の業務を効率化させたい。
- ホストコンピュータの利用時間に縛られず業務を遂行したい。
- 導入の効果
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- 請求書・売上報告書等の関連証憑をPDF化し、『PCA eDOCX』によって振替伝票に紐づけすることで管理業務を効率化。
- 『PCA eDOCX』で連携された経理確証を『PCA会計X』で素早く確認。監査法人側から見ても、監査しやすい環境に。
- 『PCA会計』の自動仕訳機能によって入力作業を簡素化、また、『PCA会計』『PCA商魂』『PCA商管』を連携させて入力業務を効率化。
- ネットワーク環境により、他部署でも経理入力が可能に。メンテナンスも容易にでき、稼働時間を気にせずに業務を行える。
導入システム
- PCA会計X with SQL(20CAL)
- PCA商魂X with SQL(2CAL)
- PCA商管X with SQL(2CAL)
- PCA減価償却V.3 with SQL(2CAL)
導入企業とプロフィール

株式会社 エスシー・カードビジネス
資本金 | 14億3千万円 | 従業員数 | 49名 |
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主業種 | 保険代理店、広報物作成、通信販売 | ||
業務内容 | 保険代理店、メディア制作、通信販売、チケット販売、旅行、広告代理店、催事 | ||
所在地 | 〒105-0022 東京都港区海岸1丁目2番20号 | ||
設立年月日 | 1983年4月 |
導入前の運用と課題
膨大な紙の山、伝票処理の二度手間、ホスト利用時間の制限が問題に
三井住友カードグループの一員である株式会社エスシー・カードビジネス。同社では以前、関連会社のホストコンピュータを利用して、会計処理を行っていた。ホストコンピュータに置いた同社の経理システムに入力できるのは総務部のみで、会計処理の流れは、Excel®で振替伝票作成→精査→ホストコンピュータに入力→再び精査という二度手間の繰り返しだった。
当然、決算時は総務部に処理が集中し、残業や土日出勤も重なった。加えてホストコンピュータには利用時間の制限があり、決算時は稼働時間をわざわざ延長して処理を行っていた。当時の状況について、総務部副部長 田川益弘氏は次のように振り返る。
「当社は月次決算を行っており、仮締め・本締めごとに、各部署から帳簿がごっそり入った段ボール箱が送られてきていました。その数は毎月10箱におよび、不要になった帳簿は地下の巨大シュレッダーで1日半かけて処理するのですが、夏場は扇風機を数台かけながらひたすら裁断していましたね(笑)」
このように、①会計データのアウトプットが帳簿のみである点。②そのため監査法人からの資料提出の要求に時間がかかる点。③伝票入力の二度手間の負担。④ホストコンピュータの利用時間に縛られた環境……。これらの問題を解決するために、新システムの検討が始められた。

総務部 副部長
田川 益弘 氏
選定のポイントと稼動までのスケジュール
経理知識がなくても、入力しやすい「自動仕訳」機能が決め手に
会計ソフトの選定にあたり、PCAを含む大手4社のシステムが比較検討された。先述した4つの課題の解決だけでなく、コスト面なども厳しく比較検討されたが、コスト面についてはPCAに大きなアドバンテージがあったという。また他の関連会社でPCAを利用している実績もあった。そして何よりも大きな決め手となったのが、「自動仕訳機能が非常に便利そうだった」(田川氏)という点だ。
「総務部へ集中していた経理業務を、いかにスムーズに効率化できるかが改善のポイントでした。そこで他部署で経理入力をある程度行ってもらうことにしたのですが、全員が経理に詳しいわけではありません。しかし自動仕訳なら、入力するのは数字のみです」(田川氏)
平成18年4月に『PCA会計8V.2』『PCA商魂8V.2』『PCA商管8V.2』が導入され、当初は旧システムとの並行稼働を慎重に行っていたが、約1カ月でPCAのシステムに全面的に切り替えられた。現在は、『PCA会計X』『PCA商魂X』『PCA商管X』へとバージョンアップされ、ネットワーク化により他部署からの入力も可能にしている。そのため膨大な帳簿類の処理も不要となった。
導入後の効果
『PCA eDOCX』で会計データと経理確証を紐付け
PCAの会計システムの導入について「全体的に満足している」と語る同社。とりわけ『PCA eDOCX』への評価は高い。じつは同社では以前、e-文書法に準じた帳票管理を検討したことがあるが、電子署名やタイムスタンプの運用コストに莫大な費用がかかるため、やむなく断念したという経緯があった。
「ところが『PCA会計』ソフトを改めて見直したときに、e-文書法に対応した『PCA eDOCX』という機能があることに気付きました。これなら会計データと請求書などの経理確証を紐づけられ、業務を確実に効率化できると考えました」(田川氏)
同社は管理する証憑類が膨大な量におよび、会計業務も精度の高い内容が求められる業種だ。そのため監査法人とは緊密で迅速なリレーションが必要となる。以前は監査法人から経理確証の提供を求められるたびに、大量の紙のファイルを開かなければならなかった。監査法人からの確認や質問も当然1つ2つの数ではない。しかし現在は、『PCA eDOCX』によって、会計データを開くと同時に、請求書・売上報告書を確認できる。
この“対監査法人”に重点を置いた『PCA eDOCX』の使用法について、田川氏より非常に示唆に富んだアドバイスをいただいた。
「『PCA eDOCX』をe-文書法対策として利用している企業様から見れば、当社の使い方は、いささか変わっているかもしれません。またいずれにしても、紙の証憑類の保存は必要です。しかし監査法人とのリレーション強化、迅速な経理確証の提供という面では、大きな効果が表れ、実際に業務の効率化や残業時間の短縮に結びついています」(田川氏)
田川氏の言葉は、『PCA eDOCX』は企業それぞれの事情に応じて、様々な用途に工夫し利用できることを示しているだろう。
『PCA eDOCX』の見える文書化への作業も容易
『PCA eDOCX』はどのような形式のファイルでも管理可能であり、同社では請求書・売上報告書をPDF化して利用している。実際に入力作業に携わっている総務部 上塚智美氏に、一連の作業について負担はないかを率直に伺った。
「貼り付け作業については、『Xシリーズ』にバージョンアップしたことで、時間は半減しました。当初は貼り付け作業については各部署にお願いしようと思っていましたが、現在は総務部だけで十分に対応できています。閲覧については、『PCA会計8V.2』に比べると、遅くなった感じは受けますが、1度開くとその後はスムーズに開くので、特に大きなストレスは感じていません」(上塚氏)
システムのプロでなくても管理できるネットワーク環境
同社は『PCA eDOCX』だけに限らず、PCA製品の特長を上手につかみ、実際の業務へ有効に反映させている。例えば日常的に使っている振替伝票入力では、メモ機能付きのフセンを利用しており、「後からフセンの種類を選んで、その帳票だけ絞り込んで出力できるのが便利」だと上塚氏は評価している。また、全角で128字の文字入力ができる摘要機能については、「よく使う摘要文はあらかじめ登録できます。例えば仕訳修正で金額が合わなかったときに、この摘要から検索できます。PCAソフトの検索機能は非常に使いやすいですね」(上塚氏)
管理資料の作成も容易になった。以前のホストコンピュータを利用したシステムでは、会計データをExcel®データなどに変換できなかったが、『PCA会計X』では簡単に変換でき、総勘定元帳や部門別一覧表、決算書などを非常にスピーディーに作成できるようになった。
ネットワーク環境への移行も、大きな意味をもたらしたと田川氏は語る。
「スタンドアロンからネットワークへ移行したときに、一番問われるのは管理面だと思います。PCAのネットワークはシステムのプロでない私でも管理が可能です。サーバールームに入らなくても、デスクの上でユーザー追加などを行えます。仮にシステム会社に依頼していたら、費用が発生する内容でしょうが、これらを社内でメンテナンスできる点は大きいです」(田川氏)



・e-文書法に対応した、PCA初の基幹業務連動型文書管理システム
・『PCA Xシリーズ』に標準搭載
・『PCA Xシリーズ』との完全連動
・同時100ユーザーまでの利用を想定(SQL Server Expressを利用)
・『PCA eDOCX』の文章を伝票や帳票に紐付ける『eCLIP機能』を搭載。さらにXシリーズから『PCA eDOCX』へのアップロードも可能

今後の課題と展望
PCAソフト導入によって、減った人員分の業務もカバー
PCAのシステム導入以降、以前のような土日出勤の頻度は極端に減ったと語る同社総務部。部署の人員が以前より減っているにも関わらず、問題なく業務を遂行できている。この点については両氏とも次のような見解で一致している。
「人員を補充することなく業務を遂行できているのは、総務業務の見直しも当然行いましたが、それ以上にPCAソフトの導入が大きく功を奏した結果だととらえています」
PCAソフトの特徴を巧みに活かした業務を実現している同社総務部。今後もさらなる工夫を重ねて業務のスマート化を進め、同社の事業をより力強くバックアップしていきたいそうだ。
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ピー・シー・エーから一言
業務改善を行うに際して『PCAソフト』をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。土日出勤の頻度も極端に減ったとのこと、皆様のご負担を軽くするお手伝いができて何よりです。
また『PCA eDOCX』の活用方法をお聞かせいただきましてありがとうございました。『PCA eDOCX』は「企業の文書BOX」としての利用を想定しておりましたが、御社のように「監査業務の効率化」をコンセプトに証憑や伝票控えなどを蓄積することで、「会計数値の裏付け」を瞬時に確認できる「エビデンスBOX」としての活用方法は、監査法人が監査しやすいだけでなく、税務調査時に関連証憑の整理が良いということで監督機関の印象が良くなると思われますので、お手本にさせていただきたいと思います。
これからも『PCAソフト』を利活用いただけますよう宜しくお願いいたします。
会計の伝票データと証憑書類を紐付けて文書データを活用していただくのは『PCA eDOCX』のコンセプトでしたので、そのようにご使用いただけてありがたく思います。
eDOCXの最初閲覧に時間がかかる件は次回リビジョンアップ(「Rev1.03」2014年夏)で改善する予定ですので、リリースの際はぜひアップデートをお願いします。