導入事例

財団法人 成田国際空港振興協会 様

財団法人 成田国際空港振興協会 様

大幅な公益法人制度改革がスタート!『PCA公益法人会計』なら、2つの会計基準に対応

平成20年に大きく改正された公益法人会計基準。それに合わせて『PCA公益法人会計』を導入した成田国際空港振興協会。導入以前は他社のソフトを長年使用していた同財団だが、より新たな基準にマッチした会計処理が可能なPCAへと切り替えた。『PCA公益法人会計』だからこそ可能だった大幅改正への対応力とはどのような点だったのか?さらに切り替えにおいて重要視すべき点は何か?公益法人ならではの視点から語っていただいた。

導入の狙いと効果

導入の狙い
  • 平成20年の大幅な会計基準変更に旧システムでは十分に対応できない。
  • 新システムではある程度カスタマイズできる柔軟性も欲しい。
  • 旧システムからの移行を問題なくスムーズに終わらせたい。
導入の効果
  • 『PCA公益法人会計』なら公益法人制度改革にもスムーズに対応。
  • 科目の修正や変更にも柔軟に対応。
  • 旧システムからも問題なく移行あるいは併用運用できる。

導入システム

  • PCA公益法人会計V.12

導入企業とプロフィール

財団法人 成田国際空港振興協会

従業員数104名
業務内容

成田空港利用者の便益増進事業

成田空港と空港関係地域社会との調和促進事業

成田空港に係る広報活動事業

成田空港に関する調査研究事業

成田空港従事者の資質向上事業

成田空港の管理業務の一部を行う事業

その他協会の目的を達成するために必要と認められた事業

所在地

(本部)〒282-0004 千葉県成田市成田空港内第2駐車場ビル P3028

(芝山事務所)〒 289-1601千葉県山武郡芝山町香山新田字雨堤76番地

基本財産2,000万円
設立年月日昭和63年6月28日
目的成田国際空港の利用者の便益増進を図る事業、成田空港と空港関係地域社会との調和を促進する事業等を行うことによって、空港運営の円滑化と関係地域社会の発展に寄与することを目的とする。
URLhttp://www.npf-airport.jp/
協会の概要

成田空港が真に我が国を代表する国際空港としての機能を発揮していくためには、空港と空港利用者及び地域社会が調和ある発展を遂げていくことが欠かせません。

この成田空港が円滑に機能するための支援を目的に、財団法人成田国際空港振興協会は、昭和63年6月28日に公益法人として設立されました。

当振興協会では、設立以来、公益事業等を通して、旅客に便利で快適な空港づくり(空港利用者の便益増進事業)、空港と空港周辺地域との橋渡し(空港と空港関係地域社会との調和促進事業)、空港従業員が安心して働ける職場環境づくり(空港従事者の資質向上事業)、また、環境保全のための航空機騒音等調査など、様々な事業を行っております。

導入の運用と課題

大幅改正に対応できるソフトを

平成20年12月1日より施行された「新公益法人制度改革関連三法」。この新制度を補完するように、公益法人会計基準も大幅な改正がなされた。

外国人旅行者に対する日本文化の紹介や空港の周辺地域を対象としたスポーツ大会など、成田空港における様々な公益事業を行っている成田国際空港振興協会も、公益法人会計基準の大幅な改正に頭を悩ませていた財団の一つだった。

「今回の公益法人制度改革で会計基準が変わるのですが、一番大きな変更点は、公益法人も一般企業の様な損益計算に変わるという点です。以前は資金収支状況を表した収支計算書が主で、資金収支の科目で仕訳も入力していくシステムでした。しかし今回の制度改革によって正味財産増減計算書(一般企業の損益計算書に該当)が主となります」(総務部会計課 課長 秋山氏)

すると以前使用していたシステムでは、正味財産増減計算書科目での予算管理や仕訳入力などに対応できないことが判明した。従来のシステムは、資金収支取引を根幹にしたプログラムであることから、正味財産増減計算書に重点を置いたソフトに改修するのは、不可能ではないが難しいと担当者から説明を受けたそうだ。平成6年から長年使ってきたシステムだったため、今回の制度改革もなんとか乗り切ろうと考えてはいたものの、以上の様な理由により、他社のシステムへの切り替えが検討された。

財団法人 成田国際空港振興協会 総務部 会計課 課長 秋山 嘉孝 氏
財団法人 成田国際空港振興協会
総務部 会計課 課長
秋山 嘉孝 氏
財団法人 成田国際空港振興協会 総務部 会計課 主任 増田 隆宏 氏
財団法人 成田国際空港振興協会
総務部 会計課 主任
増田 隆宏 氏

決定のポイントと稼動までのスケジュール

PCAなら改正によって生じる矛盾も解決

「以前から使用してきた会計システムの会社には、非常に感謝しています。細かな修正にも丁寧に対応していただきました。ただし今回の改正では、切り替えを検討せざるを得ない点がいくつかありました。中でも以前使っていたシステムでは正味財産増減計算書による予算管理ができないというのが、一番の問題でした。今回の制度改革にあたって、法人によっては、予算管理に関してのみ、これまでどおりの収支計算書で行っていく選択をした法人もあるかと思いますが、当協会はすべて正味財産増減計算書により管理していく選択を行いました。これによりオフィシャルの予算書が正味財産増減予算であるのに、会計システム上は資金収支でしか予算管理できない状態になってしまう。これでは矛盾が生じてしまいます。ここをなんとかクリアにしたくて、他社のシステムを検討しはじめました。何社か検討しようと思ったのですが、最初に検討したPCAでこれらの問題が解決できることを知ったため、他社の製品はあまり多く比較検討はしていません」(秋山氏)

1ヶ月の導入指導で本格稼働

まず平成23年6~8月に新たな会計基準による会計処理の検討と、既存システムの問題点の抽出が行われた。同年10~12月に新しい会計基準のもとでの事業区分、会計体系、科目体系の検討が行われた。そこで先述したようにPCA製品なら大幅改正にスムーズに対応できるという点から、平成24年2月に『PCA公益法人会計』を発注。3月から導入指導が始まり、4月から本格運用された。

「デモンストレーションの際には、どんな感じで帳票、計算書が出てくるのかにも注意していました。この点も問題ないということがわかったので安心しました」(総務部会計課 主任 増田氏)

本部にて撮影
本部にて撮影
本部にて撮影
財団法人 成田国際空港振興協会 HP

導入後の効果

科目の追加修正にも柔軟に対応

約1ヶ月だけの導入指導で本格運用できた同財団だが、やはり最初は不安もあったという。

「以前のシステムも十分使いやすかったんです。使い慣れてましたから、新しいものへの切り替えにはやはり不安がありました。これで本当に大丈夫なのかとも思いましたよ。入力のしやすさは以前のシステムも非常に楽でしたから。しかし先ほど秋山が述べたように、昔の会計基準のままで入力をするよりも、新しい会計基準で入力すればWスタンダードのような状態は避けられます。会計課には現在4名のスタッフがおりますが、他のスタッフも1、2ヶ月でスムーズにPCAのソフトに慣れました」(増田氏)

実際の操作面だが、処理スピードと入力のしやすさに関しては以前のシステムと同じぐらいの満足度だが、計算書類は断然見やすくなったと話す。「計算書類が以前に比べて見栄えがよくなったという印象です。また、PCA公益法人会計で私自身が一番満足している点は、科目の追加と修正が容易である点です。科目の追加や編集が容易であることのメリットは、今回のような大幅な改正にも対応しやすいだけではありません。改正がなくても毎年事業内容の見直しは行いますから、それに対応できる点はメリットの一つですね」(増田氏)

本部にて撮影
成田空港力検定 HP
「成田空港力検定」は、成田空港建設の歴史、空港の機能、旅行情報、空港に乗り入れる航空会社や交通機関の知識、空港を取り巻く環境や空港周辺観光地の情報など多岐にわたる知識を認定するもので、より多くの方に成田空港ファンとなっていただくことを目的として実施しています。
[主催]財団法人 成田国際空港振興協会

今後の課題と展望

真価が問われるのは初めての決算処理後

スムーズに切り替えが行われた同財団だが、改良したい点もあると話す。

「現在、伝票を伺書・証憑・振替伝票の3枚をセットして保存しています。例えば、振替伝票はA4で出力する場合、上段・下段の2枚になってしまいますが、1枚ごとの伝票を出力できるスタイルも選択できれば、用紙を切ったりせずにそのまま保存が可能になり、より使いやすさが増すと思います。また同じ日の午前と午後に分けて入力した場合、午後に出力しようとすると午前中に入力したものも全部出てきてしまいます。未出力分だけが区別でき、一度出した伝票は出ないようにできる設定もあると便利ですね。また当協会では手がけている事業が非常に多いのですが、現状では事業番号しか出ません。ここに事業名も追加できると、チェックしやすいと思います」(増田氏)

「概ねPCAの公益法人会計システムには満足はしています。ただしまだ私どもが使いこなせていない面もあり、自動仕訳などは非常に便利なのでしょうが、まだそこまで至っていません。おそらく本当にPCAの良さ、あるいは改良点がわかるのは、平成25年の3月決算が終わってからだと考えています。真価を問うという点でも、ある意味楽しみにしながら、決算という重要な作業に取り組みたいです」(秋山氏)

最良の結果は“問題なく”切り替えが済むこと

今回の大幅な改正なども受け、納得のいく会計システムを探している公益法人は多いだろう。いったい何を決め手に会計システムを選んでいくのがベストなのだろうか?

「新しくシステムを入れ替えるときには、やはり以前のシステムからスムーズに問題なく切り替えられるかどうかが一番の決め手だと思います。会計の業務では前年度、あるいは前々年度の数字とも比較することも多く、同時に2つのシステムを使う場面も多々あります。そのような場合でも不具合なく、問題なく作業できることが一番だと思います。“問題ない”ということが我々が一番求めている状態ですから」(秋山氏)

「導入時にPCAの担当者から『こういう科目を入れたらどうですか?』というアドバイスをいただいて、とても助かりました。多くの導入実績があるからこそのアドバイスだったと思います。ただし欲を言えば、ある程度使い方に慣れてきた時期に、もう一度あらためて使用感や問題点などを実際に操作しながらじっくりと聞いていただきたいですね。このまま慣れてしまうと違和感なども忘れて、いつの間にかPCAの色に染まってしまいますから(笑)。なのでPCAへの切り替え後、初の決算を行い、そこで新たに判明した問題点などをPCAと共有しつつ、他の公益法人さんにとってもさらに使いやすいシステム環境の構築を生みだすことに、我々の意見を役立てていただけたらうれしいです。今後もよい製品を生みだしてもらうことを期待しています」(増田氏)

様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。