導入事例
株式会社 新菱 様

売上・仕入の突合処理をカスタマイズで効率化。5か所の拠点から得たいデータにアクセス可能。
産業用縫製機器や工業用ミシンの販売修理を中心に事業展開している株式会社新菱。現在の代表取締役社長の就任とともに、それまで同社が抱えていた問題を抽出。時代に即した新体制へと移行する中で、システム面も大きく進化させた。現在、新潟県内と山形県内にある計5カ所の拠点をネットワークで結び、欲しい情報にどこからでもアクセスでき、業務の見える化を推進している最中だ。同社ならではの複雑な販売管理もカスタマイズによって改善しようとしている。新しいシステム環境への期待は大きい。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- 売上・仕入の複雑な突合処理を、時間も手間も効率化したい。
- 拠点が5ヶ所にあるため、本社に集中する事務処理を減らしたい。
- それぞれの拠点からでも、販売価格や売上データを確認したい。
- 導入の効果
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- 『PCA商魂X』『PCA商管X』のデータ連動×カスタマイズによって、時間も手間も大幅に短縮。
- インターネットVPN環境によって5カ所の拠点を繋いだことで、拠点での入力が本社のデータに反映されるため、本社の事務処理の負荷を軽減。
- インターネットVPN環境を利用したネットワーク環境のため、本社以外からでもデータの確認がいつでもできる。
導入システム
- PCA商魂X with SQL(5CAL)
- PCA商管X with SQL(5CAL)
導入企業とプロフィール

株式会社 新菱
資本金 | 1,265万円 | 社員数 | 30名 |
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所在地 | 〒950-0863 新潟県新潟市東区卸新町2丁目916番地11 | ||
設立年月日 | 1950年4月1日 (創業1946年3月1日) | ||
URL | http://www.kk-shinryo.co.jp/ | ||
主要営業品目 |
<工業部>産業用縫製機器及び工業用ミシンの販売修理/アパレル産業向裁断機器及び仕上げ機器の販売修理 <営業部>家庭用ミシン・編機、家電・空調機器の販売修理/毛糸・手芸品の販売 <管理部>損害保険事業 |
導入前の運用と課題
空間と場所を問わずに業務を行いたい
株式会社新菱は1946年創業の老舗企業だ。針1本からメーカーや機種も異なる工業用ミシンに至るまで膨大な販売管理を、長年、手書きの紙ベースで行ってきた。そこで平成7年に『PCA商魂』を導入。日常の伝票類の作成や請求書の発行などを便利に行ってきたが、在庫管理などはExcel®を使用していた。各自がパソコンを使ってはいたものの、それらのデータをスムーズにリンクさせることはできなかった。
「弊社は拠点が5カ所ありますが、各拠点でそれぞれに入力するデータがある一方で、各拠点の売上・仕入処理は本社での作業になり、事務処理の負担は大きかったです。また売上伝票と仕入伝票の突合処理は、仕入先からの請求明細と売上納品書の控えを見るしかなく、この処理だけで3日は時間をとられていました」(取締役 香田義栄氏)
そのような状況を大きく変えたのが2011年、代表取締役社長 権平昌毅氏の就任だった。 「まず従業員一人一人にかかっている事務的な作業の負荷を、いかに減らすかを考えました。そして5カ所にまたがる拠点の売上データを、私がどこにいても確認できる状態にすること。これらを解決できる方法を探しているときに、クラウドやインターネットVPN環境を利用したネットワークシステムを知りました。当然、PCA以外の製品やシステムも比較検討したのですが、インターネット環境を利用して販売管理や在庫管理の処理を行うソフトが、まだほとんどありませんでした。空間と場所を問わずに仕事できる環境と、それを可能にするソフトやシステムには強い関心を持ちました」(代表取締役社長 権平昌毅氏)
株式会社 新菱 代表取締役社長
権平 昌毅 氏
株式会社 新菱 取締役
香田 義栄 氏


導入後の効果
5カ所の拠点どこからでも知りたいデータを確認
2012年9月にインターネットVPN環境を利用した『PCA商管X with SQL』を導入。以前から使用していた『PCA商魂』も『PCA商魂X with SQL』へとバージョンアップした。
香田氏は「突合処理については大きく改善できると期待しています。以前は丸3日かけてほとんど私一人で突合処理を行っていました。時間がかかった原因は売上と仕入のデータが連携できてなかったのが大きな要因ですが、現在は販売管理の『PCA商魂X』と、仕入・在庫管理の『PCA商管X 』が連携していますから、以前のような労力は省けます」と話す。
また権平氏は「以前はこの商品を今までいくらで販売していたのか、あるいは販売数が前年度に比べていくら増えたかというデータを今すぐ見たい場面には、本社でしか確認できませんでした。しかし今は拠点でこれらの数字を確認でき、時間的な効率も非常に良いです。弊社の場合はVPNを利用したネットワーク環境で使用していますが、回線が不安定になるようなトラブルは今まで一度もありません。ときどき入力の処理が重いと感じることはあるのですが、これについては回線の問題というよりも、セキュリティソフトやパソコンのOSの影響があるのかもしれませんね」と語った。
PCA製品はカスタマイズの自由度が高い
今回のソフト導入の理由は、経営者がどこからでも知りたいデータにアクセスできる環境づくりと、従業員の事務作業の負荷を減らすことが大きな目的ではあるが、まだ導入して間もないため、従業員たちは今、必死で新システムについて勉強している最中だと語る。
「現在はちょうど新しいシステムへの移行期なんです。そのためお恥ずかしい話ですが、まだ入力に慣れていない部分もあり、従業員たちに業務の効率化の実感はまだわいていないのが現状です。加えて弊社ならではのコード振り分けの難しさもあって、なかなかスムーズに移行できません。各拠点から上がってくる声も、やはり商品コードに関する疑問が多いです。PCAソフトの商品コードの桁数には問題ないのですが、弊社の場合、針だけでも種類が数千本あり、商品数も数万台に及びます。中古商品の場合は同じ製品でも年代によって仕入単価が違います。そこでメーカーごとに振り分けるやり方である程度は解決したのですが、入力にまだ慣れていないこともあり時間がかかってしまいます。しかしその点は従業員の新ソフトへの慣れの問題だとも考えています」(香田氏)
同社がPCA製品を選んだ理由には、カスタマイズの自由度の高さも理由のひとつである。現在同社では、PCAパートナーのオフィスシステム株式会社に次のようなカスタマイズを依頼している。
「今までは商品を仕入れて、その売上が上がっているかを確認するのに突合処理が必要で、3日間の時間を要しました。支払いが発生していても計上し忘れがあったり、メーカー側が誤って製品を送ってきて請求書を出してくることもありました。また返品したはずの製品なのに赤伝を切ってないため請求にあがってきたりなど。このようなことを防ぐためにも、ワンクリックで突合処理を完了させ、売上・仕入の状況を正確に処理・確認できるシステムを作っている最中です。大企業などは最初から自社の業務に適したシステムを構築できるのでしょうが、中小規模の企業にとってはなかなか厳しい問題です。新潟にも優秀なソフト会社はたくさんあるのですが、弊社のような複雑な販売・在庫管理に適したシステムを一から依頼するにはコストがかかります。なのでPCAソフトのカスタマイズに応用が利くというメリットは、我々のような規模の企業にはとても大きな意味があると感じます。このカスタマイズが完了し、従業員が入力操作に慣れてきたら、やっとそこで業務の効率化を実感できるのではないかと、今、強い期待を寄せているところです」(権平氏)





<2013年5月13日OPEN>

今後の課題と展望
今後は会計との連携も視野に
『PCA商魂X』と『PCA商管X』のデータ連動の便利を実感できたことから、近いうちに『PCA会計X』の導入も検討しているそうだ。
「会計と連携させたら、さらに業務を効率化できるだろうと思います。業務のために人員を増やすことは簡単なわけですが、私たちが目指しているのは現在の人員でいかによりよい業務改善ができるかです。現在一人の従業員に割り当てられている事務的な作業はなるべく減らし、新たに生まれた時間は、別の部署の業務を覚えて、事務職の生産性向上を一段と高めていきたいと考えています。この仕事はAさんにしかできないというような状況はなるべくなくし、従業員全員がオールマイティーに業務をこなせる体制を作ることが、今回の新ソフトを導入した本当の目的です。それをはやく形にしていきたいですね」(権平氏)。
同社では2013年4、5月に福島にも新たな拠点を開設する予定だ。計6カ所に増える拠点を結びながら、業務をよりスマートにし、今後もより質の高い商品の販売やサービスに努めたいと語る。


様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。
ピー・シー・エーから一言
事例紹介へのご協力をありがとうございます。
PCA製品の導入事例では初の「クラウドAPI」のカスタマイズをご利用いただいている事例となりました。カスタマイズを行った「売上・仕入突合処理」が管理レベルの向上・業務改善につながればと思います。
取材時には入力担当者様への習熟度をあげていらっしゃる時期でありましたが、その後、状況はいかがでしょうか?現在もシステム拡張を行っていると伺っておりますが、ご支援が必要であれば、販売店様・PCAにご連絡いただければと思います。
※後日談を掲載させていただく予定です。