導入事例
一般社団法人 日本テレワーク協会 様
推進団体が体現する、『PCAクラウド』を活用した中小企業のテレワーク化のモデルケース。
働き方の一つの選択肢として定着しつつあるテレワーク。それでもまだテレワークの導入に二の足を踏む組織は多い。一般社団法人 日本テレワーク協会はテレワークという働き方の調査研究や、普及促進活動を展開している。その協会が選択したのが『PCAクラウド 公益法人会計』だ。そこにはテレワーク化の進まない中小企業向け経理業務のモデルケースになりたいという背景もあった。実際にどのようなメリットが生まれたのかを伺った。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- 協会自らが小規模事業者や中小企業のテレワーク化の手本となることで、テレワーク化の普及に役立てたい。
- 入力担当者以外も随時データを確認し、会計業務全般の効率化を図りたい。
- 導入の効果
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- 『PCAクラウド 公益法人会計』により、東京⇔地方のふるさとテレワークを実現。
- 『PCAクラウド 公益法人会計』への切り替えをきっかけに、ソフトの機能を活用しての報告書作成を実行。効率的な会計処理を実現。
- IT導入補助金制度を活用した『PCAクラウド』の導入は、中小企業のテレワーク化の一例を示すことにつながった。
導入システム
- PCAクラウド (2CAL)
- PCAクラウド 公益法人会計
導入企業とプロフィール
一般社団法人 日本テレワーク協会
本社 | 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-103 東京パークタワー2階 |
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設立 | 平成5年6月18日 |
アドバイザー | 15名 |
事業内容 |
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協会理念 | ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークを、広く社会に普及・啓発することにより個人に活力とゆとりをもたらし、企業・地域が活性化できる調和のとれた日本社会の持続的な発展に寄与する。 |
関係省庁 | 総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省 |
URL | https://japan-telework.or.jp/outline/ |
導入前の運用と課題
テレワーク化推進の一つのモデルケースとなるように
コロナ禍が大きなきっかけとなり、一気に普及したテレワーク。単なるコロナ対策にとどまらず、テレワーク導入によって様々なライフイベントが起きても仕事を継続しやすくなり、場所を選ばない働き方ができることで新天地での充実した暮らしを手に入れた人も多い。
一般社団法人 日本テレワーク協会は、もともと1991年に日本サテライトオフィス協会として設立され、30年以上前からテレワークという新しい働き方を提案してきた組織だ。普及啓発のためのセミナーやテレワークに関する政府・企業・自治体等の活動を支援するなど、多岐にわたった活動を行っている。
その活動の中で、参加者から中小企業でのテレワーク化の難しさを聞く機会が多かったという。
「私たちは場所や時間にとらわれない働き方を推進しなければならない立場です。テレワークという働き方がまだ知られていない頃から、問題意識を持ってテレワークを推進できる様々な最善策を考えてきました」(事務局長 村田瑞枝氏)
組織体制が現体制になった数年前からは、中小企業が特にテレワーク化が難しいととらえるバックオフィスを優先し、テレワーク実現への課題整理を行っていた。その中で、多くの企業にとって、バックオフィスは請求書や申請書などの紙のやり取り、集計資料は紙で印刷して確認するなどいった業務フローがあり、テレワーク導入が後回しにされやすい部署であることがわかってきた。そこで、協会内の職員の在宅勤務はもちろん、業務の最適化、税理士との会計データの共有も視野に入れ、『PCAクラウド 公益法人会計』の本格導入が決まった。
「課題解決策の一つとして、当協会の『PCAクラウド公益法人会計』導入事例を、中小企業がICT(情報通信技術)を活用したテレワーク化を進める上で参考にしていただければと思います。」(主任研究員 片山祐美氏)
選定のポイント
IT導入補助金の対象製品である『PCAクラウド』
同協会では『PCAクラウド 公益法人会計』の導入において、IT導入補助金を活用した。
「IT導入補助金 デジタル化基盤導入類型」は、コロナ禍の中でも生産性向上に取り組む中小企業を支援することを目的にしたシステム導入経費の一部を補助する制度だが、もう一つ大きな目的がある。2023年10月から始まるインボイス制度への対応だ。
インボイス制度の開始は担当部門への業務負担が予測されるものであるため、その業務負担を企業間取引のデジタル化の推進によって軽減することを目的に、IT導入補助金のデジタル化基盤導入類型は、通常枠より補助率が引き上げられている(2022年度時点)。
業務負担の一例をあげると、企業や法人は、請求書を発行する場合、発行する請求書の様式を変更する必要がある。また、請求書を受け取った際は、請求書様式や適格請求書発行事業者かどうかのチェック、適切な税区分を選択して仕訳入力などが必要だ。今まで不要だった業務が増えることとなるが、これらの業務はいずれもバックオフィスで行われている。
「中小企業の経営者は、ここ最近、やはりインボイス制度対応に強く関心を持たれていますが、対応しないといけないが具体的にどうすればいいのか︖といった戸惑いの声もよく聞きます。ですが、私どもとしては、このようなクラウドサービスの導入に伴い業務フローを見直し、効率化を図るとともに、結果的にテレワークができるようになると望ましいと考えています(村田氏)」
つまり、制度対応したシステムを検討するなら、あわせてテレワークにつなげられる機能についても注目して選定すれば、難しいとされているバックオフィスのテレワークの実現につなげることができる。さらに費用面での問題もIT導入補助金の活用をすれば解決できる可能性が高い。
その点、『PCAクラウド 公益法人会計』は、IT導入補助金の対象製品であり、インボイス制度へも無償対応を予定している。クラウドなので場所を選ばない働き方ができると、まさにニーズに合致した製品であることから選定された。
補助金申請のサポートの手厚さも重要
中小企業のテレワークモデルを示すためにもこの補助金を利用することを決めた同協会だが、補助金助成金の申請の煩雑さと難易度を知っているだけに、手続きには当初不安もあったという。
「ここで非常に力になってくれたのが、リコーの担当者です。このような補助金の申請は、何度も事務局とのやり取りが発生し、時間や手間がかかり、ちょっとした書類の不備で申請が思うように通らないといったケースがよくあるんですよね。それが不安だったのですが、担当の方が的確にしっかりサポートしてくれました。申請には何の書類が必要なのか、その中でもどの書類に時間がかかるのか、だから、何から手を付ければいいのか、順を追って案内してくれました。また用意した書類は、不備がないかどうかもチェックしてくれました。そのおかげでスムーズに申請が通り、無事、補助金を活用した導入に至りました」(片山氏)
IT導入補助金を利用して『PCAクラウド』を導入する際、PCAの販売パートナーがIT導入支援事業者としてこのような申請支援をすることが可能だ。IT導入補助金は、中小企業がシステム導入を検討する際の費用的なハードルを下げ、制度対応と共に業務効率化や柔軟な働き方の実現につなげることができる、まさにテレワーク推進に一役買うものではないだろうか。
導入のメリット
「ふるさとテレワーク」の一例を実現
『PCAクラウド 公益法人会計』の導入により、現在、同協会の経理担当者はテレワークでも出勤時と変わらない仕事をしている。業務の内容や進捗に合わせて出勤と在宅勤務のハイブリッド方式で勤務することは、時間を自分でコントロールできるため、「ワークライフマネジメント」による充実感も得られたという。またこの柔軟になった働き方は「ふるさとテレワーク」の体現にもつながった。総務省では「ふるさとテレワーク」を推進している。これは地方のサテライトオフィスや住まいからテレワークで都市部の企業・法人の仕事を行う働き方。まさに同協会の担当者も遠方の実家からのテレワークにより、長期帰省が可能になった。都市部の企業とその郊外に住む社員という一般的なテレワークのイメージを超えて、ふるさとテレワークでは地方での時間や場所を有効に活用でき、地域の活性化も期待できる。
クラウドへの切り替えが業務フローの改善につながった
『PCAクラウド 公益法人会計』によって、会計データを共有できるようになったことも利便性向上に役立ったと語る。以前は事業別収支などをExcelで集計し、各担当者がローカルで管理していた。同時に同じデータを複数の職員で確認することが難しく、それぞれの担当者がExcelをメール添付で上長に送り、確認を行っていた。その中にはかなり重いデータもあったという。
「今までの担当者がExcelに非常に詳しかったこともあり、見たいデータを取るためにかなり複雑なマクロを組んでいました。そこに何年にも渡った会計データが入っていたんです。開くのにも体感的には2分以上時間がかかっていた記憶があります。複雑なマクロなので、新たに手を加えたいとなった場合も簡単には修正できないことも不便を感じてきていました。しかし今回『PCAクラウド 公益法人会計』を導入検討時に、PCAのカスタマーサクセス部の担当者とやり取りし、マクロを組んで出していた情報が、ソフトの機能を活用して確認できることを教えてもらいました。前任者からの引継ぎ内容では気づけなかった運用方法を知ることができ、マクロを組んだExcelを使わなくても、事業別の残高やその推移をすぐに確認できるようになったのは本当に便利です」(経理担当 瀬名波莉乃氏)
「実は『PCAクラウド 公益法人会計』への移行には最初は戸惑ってしまいました。マニュアルやヘルプだけで自己解決して移行するのは中小企業にとっても難しいかもしれません。しかしPCAカスタマーサクセス部の担当者に問い合わせると丁寧にサポートしてくださり無事移行が完了し、さらに今ではより便利に使えています。検討しているけど戸惑っている方がいらっしゃったら、ぜひ遠慮なくPCAさんに問い合わせてください、とお伝えしたいです」(村田氏)
事業別の数字の動きがよくわかる『PCAクラウド 公益法人会計』
民間企業同様、一般社団法人も理事会や定期的な会議にて、経理報告資料を出す必要がある。そのため様々な資料をつくる必要があるが、『PCAクラウド 公益法人会計』には事業管理や分析に利用できる機能が豊富だ。月次推移表や比較財務諸表、科目別事業予算管理表など標準機能にて様々な分析資料を出力できる。
「理事会資料ももっとすっきりした形で出していきたいという気持ちはありましたが、レイアウトの変更のために複雑なマクロを組みなおしていく煩雑さを考えるとなかなか踏み切ることができませんでした。今回、ソフトの機能をフル活用することで参照したい形を出すことができたため、今まで気がかりだった理事会資料の改善にもつながりました」(村田氏)
また、決算時期の税理士とのやりとりも『PCAクラウド 公益法人会計』のメリットを活かした方法に変更した。今までは、メールで会計データを送り、税理士からメール文面にて修正点の指示を受け、協会にて変更したら再度データを送る、というやり取りをしていた。今年度の決算では、税理士に確認が必要な時期になったら、PCAクラウドのユーザーIDを税理士用に用意しておき、データを直接参照してもらう方法を取ろうと考えている。
法人内で遠隔地を含めてデータ共有することはもちろん、『PCAクラウド』のライセンスの柔軟性を活かして税理士とデータのやり取りをする企業は多い。この点も中小企業の業務効率化につながるポイントだろう。
今後の課題と展望
同協会ではほかにも『kintone(経費精算アプリ)※1』や、『BillOne(電子請求システム)※2』も導入している。これらのシステムもテレワーク実現に効果を発揮しているが、さらに『PCAクラウド 公益法人会計』に無償で付けることができる、『PCA FinTechサービス(金融機関の入出金明細を取得し、その情報から仕訳を作成するサービス)』も利用開始を検討している。また『PCAクラウド 法定調書』の導入も検討しており、更なる業務の効率化を目指している。
中小企業もすべてのシステムを整えなければテレワークを実現できないと考えず、できる範囲からまずはスタートしてほしいと語る。
「私たちはただ働く場所や時間の柔軟性だけを訴えているわけではありません。場所や時間にとらわれない働き方ができることで、一人ひとりが幸せな働き方も実現でき、生産性も上げていくことができます。テレワークによって、一人ひとりの幸せな働き方を実現できるような社会を、共に目指して生きたいと考えています。」(村田氏)
働く人が自分のワーク(仕事)とライフ(生活)を、自分でコントロールしていけるワークライフマネジメントのためにも、同協会の存在は今後もますます大きなものとなっていくだろう。
※1︓『kintone』は、サイボウズ株式会社の製品です。
※2︓『BillOne』は、Sansan株式会社の製品です。
様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。
ピー・シー・エーから一言
「PCAクラウド 公益法人会計」のご利用ありがとうございます。
ふるさとテレワークの実現、毎月の事業別集計および理事会報告資料作成の効率化、会計事務所とのデータ共有など、ワークライフマネジメントの一助になっておりますこと光栄でございます。
この経理業務テレワークモデルを、中小企業のICT化推進に活かせるようにしてまいります。
今後もPCA製品をご愛顧のほど宜しくお願い致します。
『PCAクラウド 公益法人会計』をご利用いただきありがとうございます。
弊社のクラウドサービスのご導入により、会計業務全般の効率化およびふるさとテレワークに貢献できておりますことを誇らしく思います。
これからも多様な分析機能など業務効率化のお役に立てるよう機能改善を行い、より便利で信頼性の高い製品を提供できるように努めてまいりますので、末永くご利用いただけましたら幸いです。