導入事例

一般財団法人 石川県交通安全協会 様

一般財団法人 石川県交通安全協会

15カ所におよぶ支部と本部との連結決算処理を『PCA公益法人会計V.12クラウド』で2、3週間も短縮。ユーザーセキュリティと事業別管理の活用で、適正な予算の執行を実現。

交通事故のない安全で住みよい交通社会のために、県内各所で交通安全運動を展開している石川県交通安全協会。県内には本部以外に15カ所の支部があり、それらの数字を確実に取りまとめてスピーディーな連結決算を行う方法を模索していた。そこで導入されたのが『PCA公益法人会計V.12クラウド』だ。実際に連結決算を出すまでの時間を大幅に短縮でき、適正な予算の執行など同法人が求めていた確実な会計処理に成功している。

導入の狙いと効果

導入の狙い
  • 県下に15カ所ある支部と本部の連結決算処理のスピード化と効率化をはかりたい。
  • クラウド化するにあたり、各支部のデータのセキュリティにも配慮したい。
  • 支部それぞれが混乱なく運用できる環境にしたい。
導入の効果
  • 『PCA公益法人会計V.12クラウド』によって各支部の決算をタイムリーに本部側で集約。決算業務に要する時間を大幅に短縮。
  • ユーザーセキュリティ(権限設定)によって各支部は自分たちの支部の数字のみ入力・閲覧でき、他の支部の数字は閲覧できない設定で運用。
  • 『PCAクラウド』によって時間や距離に左右されることなく各支部からの疑問に対応できる。また運用ルールを設定することで、各支部がスムーズに会計処理を実行できる環境に。

導入システム

  • PCAクラウド イニシャル’0’プラン (Type24 12CAL)
    • PCA公益法人会計 クラウド

導入企業とプロフィール

一般財団法人 石川県交通安全協会

一般財団法人 石川県交通安全協会

従業員数89人
業務内容石川県内の交通安全活動および教育推進
所在地〒920-0209 石川県金沢市東蚊爪町2丁目1番地
支部数15(金沢中、金沢東、金沢西、加賀、小松、能美、松任、鶴来、河北、羽咋、七尾鹿島、穴水、輪島、能登、珠洲)
設立年月日1960年8月25日
URLhttp://www.i-ankyo.jp/
安全で住みよい交通社会の実現をめざして 当協会は、石川県内の交通安全のために、協会の活動にご協力いただく皆様と手を携え、県民の交通安全意識の高揚、交通安全教育の推進などの事業を進めています。

導入前の運用と課題

15カ所の支部の数字を確実に取りまとめ、連結決算をスピーディーに出したい

小学生の交通安全のためのランドセルカバーの配布や高齢者への交通安全教室など、交通安全に向けた地道な活動を行っているのが石川県交通安全協会だ。とりわけ同協会は夜間の歩行者や自転車利用者のための反射材の配布を全国に先駆けて推進しており、県下にある15カ所の支部が各地の警察やボランティアと一緒になり様々な活動に取り組んでいる。

石川県交通安全協会では平成17年(2005年)に『PCA公益法人会計V.9 SQL』を導入し、本部内において複数名の職員が同時に会計データを入力できる環境を利用していた。その後の平成18年および平成20年施行の新公益法人会計への対応を見据えて、あらためて科目の見直しと運用そのものを再検討することにした。

「当時はSQLのネットワーク環境によって本部内での会計処理についてはスムーズに運用できていました。しかし15カ所の支部から上がってくる決算データについては、各支部からExcel®データの数字が送られてきて、それを本部職員が『PCA公益法人会計V.9』へ入力するやり方で、非常に効率が悪かったんです」(専務理事 林邦彦氏)

そこで同法人ではまず一部の支部に『PCA公益法人会計V.9』のスタンドアロン版を導入し、そのバックアップデータを本部で集約し始めた。しかしその後新たに導入する支部は『PCA公益法人会計V.10』となり、支部によってバージョンの差が出るようになってしまった。

「バージョンのバラつきの解消はもちろんですが、スタンドアロンのためバックアップデータを取り寄せて数字を精査して、仮にミスがあれば修正してそれをまた戻すという作業のため迅速な決算処理ができませんでした。15カ所分その作業を行うわけですからね。そこでタイムラグがなく数字を確実に管理できるシステムとして、『PCA公益法人会計V.12クラウド』を平成26年(2014年)に本部と全ての支部で運用開始しました」(林氏)

一般財団法人 石川県交通安全協会専務理事林 邦彦 氏
一般財団法人 石川県交通安全協会
専務理事
林 邦彦 氏
アクティブ・サポート代表柴田 信治 氏
アクティブ・サポート
代表
柴田 信治 氏
石川県安全運転研究所
石川県安全運転研究所

選定のポイント

細かなユーザーセキュリティ(権限設定)によって各支部も安心してクラウドを利用

クラウド化にあたって同協会が気に掛けていたのは各支部のデータのユーザーセキュリティ(権限設定)の部分だった。
「当然、各支部としては自分たちの数字を他の支部にあまり知られたくはありません。そこで各支部は自分たちの支部の数字のみ入力・閲覧でき、他の支部の数字は閲覧できないようセキュリティを設定しました」(林氏)

『PCA公益法人会計V.12』ではユーザー(各支部)ごとに入力・参照できる会計・事業を細かく設定できる。仮に伝票や伺書などそれぞれに承認が必要な場合も、その承認の有無なども設定が可能だ。同協会の場合は基本的には各支部は振替伝票入力が中心だが、合計残高試算表などの決算書類も出力できる設定で、各支部による支部決算ができるようにしている。ただし他の支部の数字を見ることはできない。

「このユーザーセキュリティが細かく設定できることで、15支部と本部をクラウドで繋げるという方法を選ぶことができました。現在は各支部が自分たちの支部の振替伝票入力を行っているわけですが、本部からは支部へいつまでに入力を済ませてほしいという連絡を行い、支部からは入力が終わったという連絡がメールで来ます。クラウドのため各支部の進捗状況も逐一本部側で確認できます」(林氏)

導入後の効果

『PCAクラウド』によって決算業務に要する時間を2、3週間も短縮

連結決算の数字をスピーディーに出すことが課題だった同協会は、『PCA公益法人会計V.12クラウド』によって課題を見事に解決している。以前なら例えば4月20日に各支部からの数字の提出が終わると、本部ではゴールデンウイークの期間中や土日など、休日出勤で決算業務を行っていた。

「紙ベースで上がってくる数字もまだあり、各支部の決算書の数字を見ては入力することの繰り返しでした。しかし『PCAクラウド』導入後は、各支部による支部決算ができるようになった分、本部の業務が軽減され、休日出勤をしなくてもよくなりました。あくまで個人的な感覚値ですが、2、3週間分は決算に掛ける時間を短縮できたと思います」(林氏)

同協会の場合は各支部から『PCA公益法人会計V.12クラウド』に寄せられる質問に対して、販売会社であるアクティブ・サポート代表の柴田信治氏が積極的に対応している。

「以前から定期的に各支部へ訪問し、操作に関する疑問など現場の声には対応してきましたが、『PCAクラウド』を導入したことで、いつでも疑問に答えられる体制が整いました。私自身も『PCA公益法人会計V.12クラウド』へログインできるため、各支部の担当者と同じ画面を見ながら回答できます。現場でよく伺うご意見が、自分がどのように困っているのかを言葉でうまく説明できないというお声です。『PCAクラウド』なら何を指示して話そうとしているのかが相手もこちらもお互いに理解しやすいです」(柴田氏)
雪の多い石川県の場合は、季節によっては直接訪問して指導するのが難しい場合もある。しかし『PCAクラウド』なら時間や距離に左右されずに、疑問を解決しながら入力処理を進めていくことが可能だ。

15カ所の支部が迷わずにクラウド運用できるルールを設定

『PCAクラウド』を利用しているとはいえ、15カ所もの支部の決算データを確実に取りまとめるためには工夫も必要だった。同協会では次のようなルールを取り決めることで円滑な運用に成功している。

まず各支部で操作や科目に関する質問がある場合は柴田氏へ連絡。操作については柴田氏が指導し、科目については前例のない質問などは本部の確認を取った上で科目追加などの処理を行う。リビジョンアップがあれば一斉に各支部へメール配信で伝え、自動アップデートを行う日時を指示しておく。

「これは同協会に限らず、本部・本社⇔複数の支部・事業所で『PCAクラウド』を利用する場合に共通する課題だと思うのですが、支部や営業所など各現場から寄せられる質問は操作よりも科目など会計に関するものが多いと想像します。PCAソフトは先述したように権限設定によって操作できる機能を限定でき、わかりやすく使えるのが特徴です。つまり現場から寄せられるのは、こういう目的で車を購入したいのですが仕訳はどうすればよいですかという一歩踏み込んだ内容が多くなります」(柴田氏)

「そのような会計知識が必要な質問についても、私どもは知見のある柴田さんと確認・相談するルールを設けて、間違いのない決算処理を行っています。仕訳や科目など会計の領域における質問に対してのルールやマニュアルの設定を明確にしておくことで、本部と支部間でのクラウド運用をより効果的にできると思います」(林氏)

確実な事業別管理によって適正な予算の執行に役立てる

『PCA公益法人会計V.12クラウド』では事業別管理の機能も充実しており、1つのプロジェクトが複数の事業にまたがる場合でも、事業別あるいはプロジェクト別の財務状況を把握できる。また異なる会計区分に属する複数の事業を、一つの管理グループとしてまとめることができ、管理グループごとに財務諸表を集計することも可能だ。

同協会でも事業ごとに支部を分け、より詳細な会計の流れを確認することができている。

「他の法人の場合なら『PCA公益法人会計V.12』の事業別管理で、事業ごとの収益を分析することに役立てるのかもしれません。しかし私たちは交通安全協会ですので、協会員の皆様からの会費や委託事業として県からいただいたお金で活動しています。そのため収益の確認というよりも、いかに適正に予算が執行され、お金の流れに不備がないかを確認するための会計処理が求められます。それが今回の『PCA公益法人会計V.12クラウド』によって、連結決算のスピード化に成功し、より適正な予算の執行に役立てられています」(林氏)

本社の製品展示室
石川県安全運転研修所は、3つの研修コースがあり(リフレッシュコース・チャレンジコース・貸しコース)、安全運転の基本を学ぶ中で事故防止の技術を修得することに重点を置き、厳しい交通環境に適応できるドライバーの育成を目指しています。
お仕事の様子
お仕事の様子
一般財団法人 石川県交通安全協会 HP
一般財団法人 石川県交通安全協会 HP
http://www.i-ankyo.jp/

PCA公益法人会計

『PCA公益法人会計シリーズ』は、1986年発売以来、8,000を超える法人様にご利用いただいております。また2008年からは、公益法人会計のクラウドサービスを提供しています。PCAはリーディングベンダーとして、これからも充実したサービスを提供してまいります。

構築システム概要

今後の展望と課題

同協会では平成31年・令和元年度中に『PCA公益法人会計DX』への移行を検討中だ。

「インターフェイスがある程度変わるので混乱のないよう切り替えていきたいと思います。ソフトに関する疑問についてはPCAのサポートセンターをよく利用していますが、いつも的確な回答が返ってきていて心強いです」(柴田氏)

「私どもの目的は石川県内の交通事故をなくすことで、そのための広報活動をボランティアの皆さんと行っています。その善意を活かすためにも支部と本部がさらに一致団結していくことが大事で、その基盤の一つとなる会計を今後もPCAにはしっかりと支えてもらいたいです」(林氏)

ピー・シー・エーから一言

  • 営業部 コメント

    『PCA公益法人会計V.12 クラウド』をご利用いただき誠に有難うございます。

    指導を対応いただいておりますアクティブ・サポート柴田さんから本部と15支部をクラウドで繋ぐ計画を伺った時のことは今でも覚えております。

    その時は、各支部毎にPCA公益法人会計のバージョンもバラバラでしたので1つにデータに合わせるのは大変な仕事になる、と思ったのと同時に当団体様の会計業務を熟知している柴田さんが考えた計画だったのでクラウド化のメリットを最大限受けて頂けると感じました。

    まさか、2,3週間も時間短縮もされるとは予想外でしたがクラウドに移行頂くことで会計業務を「スピーディーに」「正確に」「セキュア」に運用いただける様になりPCA営業としても大変うれしく思います。

    これからも引き続き『PCAクラウド』をご活用いただければ幸いです。

  • 『PCA公益法人会計』開発チーム コメント

    『PCA公益法人会計V.12クラウド』をご利用いただきありがとうございます。
    15拠点での運用とお聞きし、柴田様をはじめ本部の方々のご苦労が目に浮かんでまいります。
    開発担当者として、皆様のご負担を減らすことができ光栄に存じます。

    ご検討頂いている『PCA公益法人会計DX』は『PCA公益法人会計V.12クラウド』をより使いやすく
    進化した製品となっております。引き続きご愛顧いただければと思います。

様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。