導入事例
マイクロ・テック株式会社 様

災害時でも業務の継続が可能なクラウドサービスで、国内外の顧客からの信用を堅守。
スマートフォンや各種電子部品において、その存在感がますます高まっているスクリーン印刷。マイクロ・テック株式会社はその根幹を支えるスクリーン印刷機を中心に、高精度の印刷機を製造している。その名は海外でも知られ、取引先には日本を代表するメーカーが並ぶ。そんな先進の企業が導入したのが、PCAのクラウドサービスだ。災害時の対応も想定して導入されたクラウドの利用法を伺った。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- 接続環境の改善とシステムメンテナンスの負荷を軽減したい。
- 多彩なフォーマットの見積書を本社以外でも作成したい。
- サーバーの老朽化による処理スピード低下が問題。
- 災害時でも業務を継続できる環境を整えたい。
- 導入の効果
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- 『PCAクラウド』を利用することで接続環境の改善、メンテナンスの負荷も軽減。
- クラウドによって出張先のホテルでも見積書作成が可能。
- クラウドならサーバーが不要なため、処理スピードはサーバーの影響を受けない。
- クラウドなら災害によるサーバーダウンがないため、他地域の工場での業務を継続できる。
導入システム
- PCA商魂9V.2R7 for SaaS (12CAL)
- PCA商管9V.2R7 for SaaS (12CAL)
- PCA会計9 システムB
※ 2012年10月に、『PCA for SaaS』から『PCAクラウド』へ名称を変更いたしました。
導入企業とプロフィール
マイクロ・テック株式会社
資本金 | 6,900万円 | 従業員数 | 100名 |
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所在地 |
本社 〒279-0012 千葉県浦安市入船1-5-2 NBF 新浦安タワー13F 浦安工場〒279-0025 千葉県浦安市鉄鋼通り1-2-7 浦佐工場〒949-7226 新潟県南魚沼市山崎新田1000-6 長岡工場 〒940-2147 新潟県長岡市新陽2-1 | ||
設立年月日 | 1989年7月20日 | ||
生産品目 | 生産品目 スクリーン印刷機及び製造設備 | ||
URL | http://www.e-microtec.co.jp/ | ||
経営ビジョン |
マイクロ・テック株式会社はエレクトロニクス業界における、スクリーン印刷業界のパイオニアとして日本から世界へと発信し、エレクトロニクス業界の発展に貢献し、スクリーン印刷業界で独自の地位を築く。 弊社は創設1989年以来、『世界一の技術を持った会社をつくろう!』をモットーに スクリーン印刷技術の向上に注力して参りました。 おかげさまで今や日本のスクリーン印刷技術は世界をリードしており、 エレクトロニクスの発展には欠かせないプロセスです。 また今日の弊社のスクリーン印刷技術は、常にお客様と一緒に 難題に取り組み乗り越え続けた結晶と認識しております。 私達は日本だけに留まらず、この技術が必ず世界に貢献できると確信しております。 「日本発、世界へ!」 エレクトロニクス産業発展に貢献して参ります。 |
導入前の運用と課題
サーバーの入れ替えと震災がきっかけに
マイクロ・テック株式会社は千葉県浦安市の本社以外に、同市内に1工場そして新潟県内に2工場を有している。クラウド導入前、DBサーバーとターミナルサーバーは浦安市の本社に設置し、新潟県内の工場とは通信を利用して業務を行っていたが、サーバー自体がトラブルを抱えるようになった。
「2010年本社移転後、サーバールームからサーバーの大きな音が廊下まで響きわたるようになってしまいました。何とかしなければと思っていた矢先に、3.11の地震が来てしまい、もうこれはサーバーを買い換えるしかないのかと一時期は考えました。しかし初期費用がかかります。弊社ではWindows®がバージョンアップするたびにサーバーもバージョンアップしてきましたが、今後もその繰り返しかと考えるとやはりコストが気になりました。そこでクラウドを検討しはじめ、2011年6月にクラウドを導入しました。ある程度の準備期間は必要だったものの、クラウドへの切り替えは数日で終了し、業務を止めることなくスムーズに移行できました。このスムーズな移行にはPCAの担当者がとても頑張ってくださったと感謝しています」(営業技術部 主任 辻美保氏)

営業技術部
主任 辻 美保 氏

導入後の効果
クラウドによって通信の体感速度も改善
同社とPCAとの付き合いは長く、システム全般を管理している辻氏が、入社する以前に導入されていたPCAのソフトを、自力で立ち上げて使用してきた。クラウドの導入を検討するにあたり、当然他社のクラウドサービスとも比較検討したそうだが、今までPCAソフトで蓄積してきたデータを活かし続けたいという思いが強かったという。
「正直、他社への移行も視野に入っていたのですが、今までの販売管理のデータは弊社にとって大切な財産です。そのデータをどうしても残したかったのです。現在も『PCA商魂9V.2R7 for SaaS※』『PCA商管9V.2R7 for SaaS※』のソフトの中には、歴代の『PCA商魂・商管』で使用してきた重要なデーターが、13年分入っています」
十数年前からの膨大なデータがシステムに入っている以上、やはり気になるのは入力時の処理スピードだ。加えてクラウドを利用することになり、通信速度や入力の処理スピードについては、導入当初には不安があったという。
「結論からいうと、通信速度や入力の処理スピードについてはまったく不満はありません。とてもスムーズで速いですし、ストレスフリーに使わせてもらっています。2000年からのデータが入ってますが、操作が重くなったという印象もありません。以前サーバーを使っていたときにつくづく感じたのは、私どもが業務で感じる体感速度=サーバーの速度なんですね。サーバーが新しければ、通信速度や処理スピードも速く感じられますが、時間が経つごとにサーバーは古くなり、またそこで速度の問題が出てきます。クラウドによってその問題点はある程度解決しました」
クラウド導入によって、営業担当者は見積書を容易に作れることになったのも便利だと語る。
「現在クラウドを利用し見積書を作成しています。弊社の営業担当者は日本全国への移動だけでなく海外出張も頻繁ですが、今までは基本的に見積書は本社で作っていました。しかしクラウドがあれば工場や滞在先のホテルなどで作成でき、営業担当者は“場所を選ばずに仕事ができるようになったこと”が便利だといっています。弊社の場合は伝票の種類も多く、お客様によって専用伝票を使うこともしばしばで、このような伝票管理についてもクラウドを使い、情報を共有することで整理しやすいです」
災害時でも業務を継続できるシステム環境に
同社がクラウドを導入するきっかけになったのは、通信速度の改善やサーバーの入れ替えだけではない。災害時の対応も考えてのことだった。
「本社がある浦安市は震度5とはいえ、かなり揺れました。サーバーも線が切断してしまうほどの被害を受け、使うことができませんでした。しかし同時刻に新潟の工場は操業に問題なかったわけです。本社が被害を受けることで新潟の工場の操業にまで影響が出るのは問題だと考えました。なお震災時はメンテナンスの方の対応も非常に早くて1日で復旧できました。しかしすぐに復旧したとはいえ、今までの災害時の事業計画を見直す必要があると実感したのです」
それまで同社では災害時の対策として本社のサーバーのデータを保存。そのバックアップデータを新潟の工場に送るという対策をとっていたそうだ。「現実的にできる対策としては、そのような方法しか実行できませんでした。しかし徐々にストレージも増えてきて、その対策法にもコストがかかるようになりました。そもそも私がクラウドの知識を得たのも、データを他にも移さなければならないなという危機感からでした。災害によって業務が止まったら、国内外のお客様に迷惑をかけてしまうわけですからね。その点は今回クラウドを導入したことで、ある程度リスクの軽減はできたと考えています」
製品情報

マイクロ・テックは、長年のスクリーン印刷の追求から、スキージでの印刷位置直前のスクリーン両端部を補助スキージ(プレコンタクトスキージ(PAT.P)<オプション>)で押さえることにより、スクリーンと基板を帯状の接触状態にし、にじみを大幅に軽減できることを確認しました。 MT-650シリーズの低印圧スクリーン印刷機は、このプレコンタクト印刷を容易に行えるようにしました。
T-650シリーズは、スキージホルダー部のアタッチメントの交換でダブルスキージ仕様のプレコンタクト印刷も可能になりソルダペーストを滲みなく連続で印刷することもできます。

MT-320シリーズは、新しい設計思想に基づき開発した小型多目的の低印圧スクリーン印刷機です。剛性の高い鋳物製ヘッドにガイドシャフトを4本立て、印刷フレーム部をバランス良く支える構造で従来の離着構造をなくしテーブルはスロープレール走行となっています。 スキージヘッド部は、上向き回転方式(PAT.P)を採用し、スキージ、スクレッパ、版などの脱着清掃などの作業が大幅に向上し、コンパクトで高い操作性を実現しました。 発注時の指定により版枠380×380mm取り付け用改造、及びテーブル300×300mmへの改造も可能となっており、印刷エリアを広げることが可能です。


今後の課題と展望
先進技術を支えるためにもさらなる改善を
PCAに対する製造業ならでは要望もあるそうだ。
「『PCA商魂』『PCA商管』はとてもよくできたソフトだと思います。ただし弊社のような製造業の場合、少々やりにくい面があり、原価を簡単に出したいときなどに苦労しますね。なので製造系に強い他社のソフトと連携させて使っているのが現状です。販売管理という面では非常に使いやすいソフトなのでしょうが、製造系にも使いやすいように、さらなる工夫を期待しています。なおクラウド自体には非常に満足しており、点数を付けるとしたら80点です。ただしクラウドになってから検索機能について、以前よりも不便になったように感じます。ここの部分を改善していただけると100点満点なのですが」
年々スマートフォンが普及し、タッチパネルを搭載したWindows®8が登場し、同社の手掛ける高性能のスクリーン印刷機は、今後もますます需要が期待されている。同社では今後も様々な分野でスクリーン印刷を広めていくそうだ。
「弊社では今後もいろんな分野でスクリーン印刷の可能性を探っていきたいですし、その可能性をどうやって広めていくかを日々考えています。なにぶん先進の分野ですから機密保持や守秘義務の遵守などにも十二分に注意・配慮しながら、クラウドの力も利用しつつ、今後も万全なシステム環境を構築していきたいです」
様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。
ピー・シー・エーから一言
オンプレミス版からクラウド版への移行ありがとうございます。うまくご利用いただけているようで安心しております。
ご要望の災害時にもお役にたてるようにご安心いただけるサービスを継続できればと思います。
商魂・商管の検索機能で、一部オンプレミス版と機能が異なる部分があり、ご不便をおかけしております。クラウド環境に依存する部分もありますが、同等の機能が実現できる方法を模索して行きたいと思いますので引き続きのご利用のほど宜しくお願いいたします。