導入事例
株式会社 浅田屋 様
販売管理システムを刷新し、より詳細な売上分析が可能に。老舗旅館・レストランの真のお客様層を把握し、最上のサービスに繋げる。
1659年(萬治2年)に加賀藩の大名飛脚から始まり、現在の旅館・料亭・レストラン経営に至るまで約360年もの歴史を築いてきた株式会社浅田屋。同社では以前オフコンによって旅館や複数のレストランの販売管理を行ってきた。オフコンの老朽化をきっかけにシステム全般を見直し、導入を決めたのが『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』だ。PCAのAPI連携も活用し、入力業務の軽減やより詳細な売上分析など様々な効果を出している。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
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- オフコンによる会計販売管理を使用しているが、本体の入れ替えのたびにかかる機材やサーバーなどの購入費用を軽減したい。
- 消費税の軽減税率制度など、法制度の変化に逐一確実に対応できるようにしたい。
- 販売管理システムを効率化し、客層などの売上分析をより高い精度で行いたい。
- 導入の効果
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- 『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』なら市販のパソコンで運用でき、サーバーにかかる費用が不要。
- 『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』なら法制度変更への対応はPCAに任せることができる。
- システム全般を刷新し、APIを利用してPOSとPCAクラウドサービスを連携させることにより、人の手を介在させずに自社の経営にフィットした独自の経営分析資料を作成できた。
導入システム
- PCAクラウド イニシャル”0”プラン (Type12 6CAL)
- PCA商魂 クラウド
- PCA商管 クラウド
- PCA会計 with SQL (15CAL)
- PCA Client-API ※1
※1:PCAクラウドサービス、オンプレミス版パッケージ製品の両方に対応したカスタマイズプログラムを開発するためのAPIサービスです。
導入企業とプロフィール
株式会社 浅田屋
資本金 | 4,500万円 | 従業員数 | 230名 |
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主業種 | 飲食業 | ||
業務内容 | 料亭、和食料理店、ステーキハウス経営 | ||
住所(管理本部) | 〒920-0855 石川県金沢市武蔵町5-1 | ||
事業所 | 金沢市内7事業所 | ||
創業 | 萬治2年(1659年)/設立年月日:1968年8月6日 | ||
URL | http://www.asadaya.co.jp | ||
企業説明 | おもてなしの心を追求 浅田屋の歴史は、1659年(萬治2年)までさかのぼることができます。 初代伊兵衛が加賀藩より中荷物の御用を命ぜられたのが、浅田屋の江戸三度飛脚の始まりです。明治維新まで約200年間、代々江戸三度飛脚を拝命したと伝えられます。 その後、慶応3年(1867年)の旅人宿「諸国御宿 淺田」の開業。それ以来、旅館・料亭・レストランなど様々な事業を通して「おもてなしの心」を追求してきました。人と人との交流は、人と物との交流であり、人と町との交流に広がっていきます。私たちは町に働きかけ、町から学びます。ですから私たちの「おもてなしの心」は、つねに金沢の町の心を伝えることを基本にしています。 |
導入前の運用と課題
2019年から始まる軽減税率制度。事業者が法制度の変化に対応できるシステムに
金沢に暮らす人なら誰もが知っているステーキハウスの「六角堂」。また最近では欧米の観光客からも日本情緒を堪能できる高級旅館として大人気の「浅田屋」。これらの複数の旅館・レストラン・料亭を経営しているのが株式会社浅田屋だ。六角堂プリンやのどぐろの炊き込みご飯の素など、金沢土産の新しい定番商品も販売しており、創業360年という悠久の歴史に加えて、時代に応じた新しい商品づくりにも積極的に取り組んでいる企業だ。
同社では以前、オフコンを使用して売掛・買掛・支払などの処理を行っていた。カスタマイズも行っていたため、操作もしやすかったという。しかし将来を考えると2つの懸案事項があった。
「1つはオフコン機材の老朽化です。それまでにも数回オフコン本体を入れ替えており、その度に機材の購入費が発生しました。それに加えて年間の保守費用も必要で、本体と保守費用を合わせるとなかなかの費用になっていました。そして2つめが法制度への対応です。2019年からは消費税の軽減税率制度が実施され、私どものような事業者においては、これらの法制度の変化に逐一間違いなく対応するにはかなりの労力が必要です。そこを解決できるシステムや方法はないだろうかと、当社のシステム全般を担当している株式会社システムサポートへ相談しました」(常務取締役 管理本部長 堀部泰生氏)
選定のポイント
長いスパンで考えたメリットを優先
新しい販売管理システムの選定にあたって、①機材やサーバーなどの購入費用を軽減できること。②法制度の変化に逐一確実に対応できること。この2点が大きな選定条件となり、これをクリアできるのが『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』、そしてPCAのAPI連携だった。
「『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』というパッケージソフトかつクラウドサービスのメリットは、軽減税率制度など法制度の細かな変更にも随時対応できることです。今回の販売管理システムの入れ替えによって、確かにオフコン本体の購入費用などは抑えられましたが、とりわけ大幅なコストカットとは言い切れません。しかしこの先の5年先10年先を考えると、柔軟に法制度への変化に対応できるシステムの方が、長い目で見てメリットは大きく将来的に費用も抑えられると考えました」(堀部氏)
また同社では長年『PCA会計』を使用していたため、販売管理もPCAでまとめたい考えがあった。
「当社の業務に合わせたカスタマイズ仕様のオフコンからの切り替えですから、パッケージソフトの操作には当初は不慣れな部分もあると想像しました。しかし『PCA会計』の操作経験があり慣れるのも早いと考えました。また今回、『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』にしたことで、これまでの業務をパッケージソフトに合わせて簡素化できる部分があるのではないかという期待もありました」(管理本部 総務部 情報システム担当係長 坂本眞生氏)
このような選定ポイントから導入を決め、2017年10月から本稼働を開始。現在まで問題なくスムーズに運用できている。
導入後の効果
API連携によって売上データの取り込みを大きく効率化
現在、同社では旅館やレストランでの売上を次のように処理している。①各店舗での売上データをPOS入力。→②API連携によってPOSデータを『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』に自動的に反映。→③さらに『PCA会計X』にも連携。→④『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』『PCA会計X』のデータを基に、同社の経営にフィットした独自の経営分析資料へ二次利用。
以前のシステムでは、API連携ではなくファイル連携によってデータを取り込んでいた。現在も一部ファイル連携でのやり取りはあるが、API連携を中心にしたことで人の手を介在させる部分を減らすことができた。
「今回のシステムのリプレイスで大きく変わったことの一つが、マスター連携による効率化です。以前はPOSで入力する商品の登録と、管理本部の基幹システムでの登録が別だったのですが、この部分をマスター連携によって一元化、入力の手間を省くことができました。また以前は各店舗で商品マスターを管理していたのですが、今は管理本部で一括して管理できています」(堀部氏)
「導入効果を一番実感した部分は、仕入れ管理についてです。以前は仕入実績データを手入力していましたが、もともと使用していた『BtoBプラットフォーム 受発注』※2 から仕入データを『PCA商管DX クラウド』へAPI連携という流れで取り込むことができ、非常に便利になりました。今まで手入力だった売上計上も現在はAPI連携で自動的に数字を取り込めています」(坂本氏)
お客様層の詳細をより具体的に分析することが可能に
販売管理システムの見直しとリプレイスによって、さらに導入効果を実感できている部分があるという。それは同社の売上分析における効果だ。旅館業や料亭・レストランなどの飲食業において豊富なノウハウを持つ同社では、以前から独自の分析資料を用いて販売分析に役立ててきた。その中でも大切な意味を持つのは「お客様を細かく見ること」だと語る。
「大事なのはお客様層を掘り下げて分析し、今後のサービス改善や商品企画に役立てることです。もちろん以前から曜日別や部屋別のお客様単価などは出せていました。しかしお昼だけや夜だけという時間帯での集計ができませんでした。また例えばお昼のお客様のうち旅行代理店でご予約された方、あるいは個人旅行でのご予約などの細かな割合が分からず、ご予約方法ごとのお客様単価、さらには性別や年代など細かなデータを取ることができませんでした。しかしシステムを刷新してからは、お客様層の詳細を具体的につかめるようになりました」(堀部氏)
これらのお客様層の詳細分析については、次のような流れで行っている。①新しくリプレイスされたタブレット型POSレジシステムのデータと『PCA会計 with SQL』のデータを合算させる。②合算したデータをExcel®加工し、同社オリジナルの分析資料へと二次利用。
これによってお客様の組数あたりの売上単価をより詳細に把握でき、性別・年代・注文の多い料理のメニューや値段などから、これまで見えてこなかった本当のコアなお客様層も判明してくる。
「業務はパッケージソフトに合わせることはできても分析資料はそうもいかないので、自社オリジナルの分析ツールを使っていますが、今回のシステムの見直しおよびリプレイスによって、分析資料をスピーディーに出すことができています」(堀部氏)
同社のシステム全般を担当している株式会社システムサポートの森内勇八氏は、次のように評価している。
「今回は旅館業・飲食業における豊富な実績を持つ浅田屋様の優れた分析ノウハウと、システム全般のリプレイス、そしてPCAソフトなどとのAPI連携、この3つが融合して成功した事例だと思います。中でも浅田屋様の持つノウハウに頼った部分は大きかったです。旅館業や飲食業の場合、店舗別の営業利益管理も重要なポイントで、そこが現在の『PCA商魂』『PCA商管』の分析ツールや帳票だけでは少し弱いかもしれません。ここをさらに充実させるといっそう優れた販売管理ソフトになると思います」
今後の展望と課題
北陸新幹線開通から3年、今も多数の観光客が訪れる金沢で、同社の経営する高級旅館浅田屋は4月の宿泊客の半数が欧米からの観光客だという。創業者は『かんじき飛脚』(著:山本一力)の主人公でもある。今後も国内外から多くのファンを集める歴史ある旅館・料亭・レストランを支えていけるよう、PCAの会計・販売管理ソフトへの期待も高い。
『PCA商魂DXクラウド』『PCA商管DXクラウド』導入によってサーバーレスのメリットも実感したと語る同社。今後は『PCA会計X』のクラウド化も検討しているそうだ。安定性・システム老朽化の予防など、「クラウドだからこそ」の効果も見込んでいただいており、またご期待いただいている部分でもある。
様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。
ピー・シー・エーから一言
『PCA会計』『PCA商魂クラウド』『PCA商管クラウド』及び『PCA Client-API』のご導入、誠にありがとうございます。
360年という素晴らしい歴史を持つ浅田屋様に、システムの老朽化、今後の法改正への対応といった課題への解決策の一つとして、『PCAクラウド』『PCA Client-API』をご選定頂きましたことを、大変光栄に思います。
PCAクラウドはシステムを最新に保つこと、また法改正やお客様の環境の変化に柔軟に対応できることを強みとしております。
それに加え『PCA Client-API』によりデータ活用などの拡張性も高いシステムとなっております。
ご期待頂いている「安定性」「システム老朽化の予防」や、「会計のクラウド化」といった部分で最大限の効果が出せるようにご支援させて頂きたいと考えております。
今後ともPCAソフトを宜しくお願い申しあげます。
『PCA商魂クラウド』『PCA商管クラウド』をご利用いただきありがとうございます。
『PCA Client-API』も活用されて、効率化に貢献できていることをうれしく思います。
分析部分の改善について、貴重なご意見ありがとうございます。
ご期待に添えるように、引き続き機能改善や法改正への対応を行ってまいります。