導入事例

東京コスモス電機株式会社 様

東京コスモス電機株式会社 様

中国の子会社の会計データを明細のひとつひとつまで、日本側でダイレクトに管理。現地での導入支援もスムーズに実行でき、現地子会社の会計処理の視覚化にも成功。

日本企業の海外展開、とりわけ中国や東南アジアなどに新しく工場や支社を開設する企業が増えている。最近は中堅・中小企業の海外展開が話題になっているが、今回取材にご協力いただいた東京コスモス電機株式会社は東証2部上場、産業機器用可変抵抗器の世界シェア40%で、この分野の最大手であり、900名近い従業員を抱える電子部品メーカーだ。すでに中国での工場運営にも実績のある同社が、新工場開設を機に導入したシステムが『PCA会計X 海外会計データ受入オプション』だ。早くも一部では導入効果が得られているという。

導入の狙いと効果

導入の狙い
  • 中国に新しく開設する工場に日本人の会計担当者を常駐させなくても、迅速に、かつ容易に現地の会計状況を把握できるシステムにしたい。
  • 現地と日本で異なる帳票形式や会計基準、さらに言葉の壁を踏まえて、日本人が見てもわかりやすい帳票形式で確認したい。
  • なるべくコストを抑えて導入したい。
導入の効果
  • 『PCA会計X 海外会計データ受入オプション』なら、現地の会計を日本側から短期間で管理・把握できる。さらに導入時には現地メーカーのサポートも受けられる。
  • 『PCA会計X 海外会計データ受入オプション』では様々な機能を加えることで、日本人から見てもわかりやすい形式で出力できる。
  • 『PCAクラウド』によって新しくサーバーを設置することなく海外会計データ受入システムを利用できる。

導入システム

  • PCAクラウド プリペイドプラン (Type6 4CAL)
    • PCA会計X クラウド
    • PCA固定資産X クラウド
  • PCA会計X 海外会計データ受入オプション

導入企業とプロフィール

東京コスモス電機株式会社

東京コスモス電機株式会社

資本金12億77百万円 東証2部上場従業員数933名(連結グループ会社含む) 168名(本社単体)
事業内容可変抵抗器、自動車用電装センサ、面状発熱体など電子部品の研究開発・製造・販売
本社事業所〒252-8550 神奈川県座間市相武台二丁目12番1号
創立1957年(昭和32年)6月28日
URLhttp://www.tocos-j.co.jp/

導入前の運用と課題

中国工場の会計データを日本本社から遅滞なく把握・管理したい

1957年に産業機器用可変抵抗器の専門メーカーとして操業を開始した東京コスモス電機株式会社。現在は自動車用電装品に主軸を移し、同社の製品は国内外の世界的なメーカーにも納入され、多くの企業から高い評価を受けている。市場が縮小化傾向にある中でも同社の業績は好調で、中国内には現在4カ所の生産販売拠点を開設している。

同社では2017年上期から中国での新しい工場の操業を始めることになった。それまで同社の中国内での各工場や営業所には、日本人の会計担当者を配置することができたが、新工場ではその人材確保が厳しかったという。そこでリコージャパンの担当者に相談したところ「『PCA会計X 海外会計データ受入オプション』なら日本国内から中国の工場の会計をタイムリーに把握できる」と紹介された。

「日本の本社から現地工場の資金繰りや製造原価などを速やかに把握したいという希望以外にも、現地の決算書を日本基準ベースで視覚化したいなど、実は様々な要望がありました。もちろんコスト面も踏まえたうえでシステムの検討に入りました」(管理本部 経理部 部長 稲垣浩一氏)(管理本部 経理部 新井裕太氏)(管理本部 経理部 廣瀬美樹氏)

東京コスモス電機株式会社 管理本部 経理部 部長 稲垣 浩一 氏
東京コスモス電機株式会社
管理本部 経理部 部長
稲垣 浩一 氏
東京コスモス電機株式会社 管理本部 経理部 新井 裕太 氏
東京コスモス電機株式会社
管理本部 経理部
新井 裕太 氏

選定のポイント

『PCAクラウド』によってコスト面での負担を抑えた海外会計データ受入が可能

同社では当初、他のメーカーの海外会計データ受入システムも比較検討したという。しかしPCAの海外会計データ受入オプションには、他社にはない大きな特徴があった。

「それは『PCAクラウド』です。他社のシステムでは本社内に新しくサーバーを設置する必要があると言われ、その場合はやはりコストが嵩んでしまいます。しかしPCAなら『PCAクラウド』を利用することでサーバーの設置は必要ありませんでした」(新井氏)

コスト面でのメリットも視野に入れ、2016年3月に『PCA会計X 海外会計データ受入オプション』を導入。新工場での製造はまだ始まってはいないが(取材当時)、すでに同社では「短期間で現地子会社の会計管理」「会計内容のわかりやすい視覚化」について一定の効果が得られている。

導入後の効果

各国ソフトウェアメーカーと連携することで、現地での法改正や導入支援に対応できる

PCAのグローバル支援サービスには、日本本社、現地支社・工場の双方にとって便利な特徴がある。

【特徴1】海外の主要な会計ソフトウェアメーカーとアライアンス(ALAE:アーレイ)を組むことで、現地でのソフト選びや導入支援をスムーズに行える。

同社の場合は中国の拠点ですでに使っていた会計ソフト『用友U8』をそのまま使い続けることができ、実際に新システムの導入前の準備についても現地メーカーのサポートを受けることができた。『ALAE』の利点は他にもあり、例えば現地で法改正などがあった場合にも柔軟に対応しやすい。同社の場合はすでに中国展開の実績があったが、初めて海外展開する企業の場合は会計ソフト選びから迷うことが多い。その場合に『ALAE』加盟メーカーのソフトを選ぶことができ、実際に『ALAE』加盟メーカーの会計ソフトは各国でトップシェアを誇る製品が並んでいる。また『ALAE』加盟メーカーが共通フォーマットによるデータ連携を行っている。

【特徴2】『PCA会計X』のクラウド/オンプレミス両方と連携できる。海外の会計データは受入と同時にダイレクトにDBに書き込まれ、『PCA会計X』でバックアップをとることができる。

同社の場合は『PCAクラウド』を選択しており、中国の会計データは暗号化されたうえで日本側へ送られるためセキュリティ面での不安も少ない。

中国子会社の会計処理が日本側で手に取るように見えるようになった

同社が導入の条件に挙げていた“現地の会計データの可視化”については、『PCA会計X 海外会計データ受入オプション』の次の特徴を活かすことで実現できている。

【特徴3】外国語勘定科目を日本語勘定科目へ置き換えることが可能。海外拠点で使用する勘定科目と『PCA会計X』で使用する勘定科目との読み替えを設定し、海外から仕訳データを受け入れるときはこの設定を元に勘定科目を登録する。 → 《海外からの会計データ受入後は…》 外貨仕訳帳などで日本側がいつでも現地の数字を確認でき、仕訳の明細もひとつひとつ確認できる。

同社の場合は『PCA会計X 海外会計データ受入オプション』の導入によって、勘定分析が容易になったと評価している。

「中国の現地では受取利息と支払利息を『利息収支』という同一勘定で計上しているのですが、ここはそれぞれ個別につかんでおきたい数字です。以前はこの部分を現地にメールで問い合わせ、その返事があるのが翌日。つまり1日かかっていましたが、現在は取り寄せたデータを取り込むことで総勘定元帳を閲覧できるので、個別に質問する必要がなくすぐに把握できます。またデータ受入オプションの外貨試算表は小数点以下の詳細まで見ることができるのも便利に感じている点です」(新井氏)

海外の拠点の数字の可視化については、他にも工夫している点がある。

【特徴4】通常、帳票のレイアウトは各国で異なり、借方と貸方が日本のように横並びで出力されない。しかしPCAでは伝票日付や科目コードなどを連携させることで、日本人から見てもわかりやすい帳票の形で出力される。

さらに日本語と海外の言語という言葉の壁も、翻訳機能を付けることで内容を確認しやすいようにしている。

【特徴5】摘要文を翻訳する機能を採用。約50言語に対応しており、毎月200万文字までは無料で利用できる。(※200万字以降は字数に合わせて有償)

実際に同社でもこの翻訳機能をよく使っているそうだが、これまでに全く和訳の体を成していなかったことは数回。基本的には問題なく利用できているという。

このように海外拠点の会計データを明細まで細かく確認できる。結果、短期間で海外子会社の近況を詳細に把握でき、また内部統制の観点でも有効性が確保されている。

為替換算伝票で急激に変動するレートの差額調整が可能

昨今の為替の急な変動は海外展開する企業にとって大きな負担になっている。そこで『PCA会計X 海外会計データ受入オプション』では為替換算伝票の登録に柔軟性を持たせている。例えば月中と月末で平均レートに差があった場合は、その差額を調整するため為替換算伝票を作成でき、PCAでは科目単位のパターン設定で対応できる。『PCA会計X』『PCA海外会計データ受入オプション』の両方の帳票処理でこの為替換算伝票の確認が可能だ。

本社(神奈川県 座間市)
本社(神奈川県 座間市)
社内の様子
社内の様子
東京コスモス電機株式会社 管理本部 経理部 廣瀬 美樹 氏
東京コスモス電機株式会社
管理本部 経理部
廣瀬 美樹 氏
電子部品
電子部品
東京コスモス電機(株)の製品は、高い品質力を背景にあらゆる分野で使用されています。
構築システム概要

今後の展望と課題

今回のPCAの海外グローバル支援サービスについて、同社では総体的に次のように評価している。

「導入前の一番大きな不安は、本当に中国の会計データと日本側とを連携できるかどうかでした。その不安は導入時の現地メーカーのいろいろな支援で払拭でき、導入自体とてもスムーズにできました」(新井氏)

「ただし中国の子会社と日本本社とでは決算期に期ズレがあり、今後はその部分にどう対応していくかを検討しています」(廣瀬氏)

「実際に製造を開始するのは2017年上期から。製造原価報告書との連携もぜひしたいと考えています。今回、当社はPCAのシステムによって現地に日本人の会計担当者を常駐させなくても子会社の会計データをつぶさに確認できる体制を確立できました。もちろん当社の中国における経験があったからこそできたことだと思いますが、当社と似た環境の企業であれば有効に活用できるシステムだと思います」(稲垣氏)

同社の高品質の自動車用電子部品や可変抵抗器は世界のプロ仕様の商品へと用いられている。グループ会社の会津コスモス電機は優秀な中小企業に託されるものづくり補助金によってさらに精度の高い製品を製造している。今後も世界一の性能と品質を目指し日本・中国の各拠点が一致団結して取り組むためにも、『PCA海外会計データ受入オプション』に寄せられる期待は大きい。

東京コスモス電機株式会社 HP
東京コスモス電機株式会社 HP

ピー・シー・エーから一言

  • 営業部 コメント

    『PCA会計X/固定資産管理クラウド』『PCA海外会計データ受入オプション』のご利用頂きまして、誠にありがとうございます。

    『PCA海外会計データ受入オプション』では、中国の代表的な財務会計システム『用友』と連携を実現しておりますので、生産拠点である中国の財務状況の把握と海外子会社とのコミュニケーションツールとしてご活用頂ければと思います。

    また、今後は蓄積した会計データを分析し現地法人の経営計画等に役立てて頂ければ幸いです。

    引き続きPCA製品のご愛顧の程宜しくお願い致します。

  • 『PCA会計』開発チーム コメント

    『PCA会計X/固定資産管理クラウド』『PCA海外会計データ受入オプション』をご利用いただきありがとうございます。

    『PCA海外会計データ受入オプション』が中国工場の会計内容の視覚化に役立っていること、大変嬉しく思います。現地メーカの導入支援が受けられるのがALAEの大きな特徴であります。

    御社が培われたご経験と合わせて、スムーズな導入が実現できたのは、これから導入される方の参考となると思います。

    また、『PCA海外会計データ受入オプション』の外貨試算表ですが、集計条件に管理仕訳区分を追加する仕様変更を行っております。

    今後も、使いやすく便利な製品を開発してまいりたいと思いますので、末永くご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
各製品の資料も是非ご覧ください。