導入事例

北林公認会計士事務所 様

北林公認会計士事務所 様

複雑な建設業会計を『PCAクラウド』に集約。工事別・取引先別など独自の工事帳票も作成でき、顧問先の自計化も促進。

ITコーディネーターや情報処理技術者が在籍し、企業の海外展開の支援も数多く行っている北林公認会計士事務所。秋田県以外からも多くの企業が同事務所にコンサルティング業務を依頼しており、その業種も多岐にわたっている。現在、同事務所ではクラウドを利用した『PCA建設業会計V.7』も導入しており、「会計に詳しくない人でも使いやすい」という印象を持っているそうだ。様々な会計ソフトを使用し、その特性も熟知している同事務所。その使用感や評価には、実務家としての大きな説得力がある。

導入の狙いと効果

導入の狙い
  • 顧問先の自計化の意識を高めたい。
  • 建設業会計に不慣れな担当者でも、使いやすい会計ソフトが欲しい。
  • 監査する立場から見て便利な建設業会計にしたい。
  • 東北エリアや首都圏に点在する顧問先の業務を迅速化したい。
導入の効果
  • 『PCA建設業会計V.7』の導入によって、顧問先での自計化を促進。
  • 『PCA建設業会計V.7』では自動振替の機能が充実し、建設業会計に不慣れな人でも処理しやすい。
  • 独自の集計結果資料を作成でき、工事関連帳票フォームも自由に設計できる。
  • 『PCAクラウド』によって、遠隔地の顧問先の業務もリアルタイムで一元管理。

導入システム

  • PCAクラウド BPOプラン (20CAL)※1
    • PCA公益法人会計V.12 for SaaS
    • PCA建設業会計V.7 for SaaS
    • PCA会計9V.2R7 for SaaS
  • PCA減価償却V.3

※1: 2012年10月に、『PCA for SaaS』から『PCAクラウド』へ名称を変更いたしました。

導入企業とプロフィール

北林公認会計士事務所

所在地〒010-0951 秋田県秋田市山王2丁目6-25
職員数9名
主な人材

1.ITコーディネーター(経営工学専攻後、都市銀行を経て当事務所へ参加)

2.第2種情報処理技術者(電子工学専攻後、製造業を経て当事務所へ参加)

3.簿記1級(経理専門学校を経て当事務所に参加)

4.上場企業取締役を経て当事務所の顧問(東南アジア、中国へ広く人脈を有する)

5.税理士試験一科目合格者

6.ジェトロ認定貿易アドバイザー

URLhttp://www.tkmanagement.co.jp/
企業説明

ご挨拶:

会計ビッグバンが私共に求める要件の実相を『日本社会の国際化が深まる中、よりレベルの高い仕事を、より迅速に処理すること』ととらえ、微力を尽くしております。

会計事務所の伝統的なジョブと言える確定申告書の作成から、海外子会社の管理、調査など皆様のご支援の下、取り扱ってまいりました。地方では、建設業・温泉旅館業の再生支援が課題となっており、県内各地に点在する取引先に対して、クラウドの効果は高いものがあります。

北林孝雄(公認会計士)

導入の決め手

会計士事務所にとって、監査しやすいソフト

現在、北林公認会計士事務所では、『PCAクラウド』を利用して『PCA会計9V.2R7』『PCA公益法人会計V.12』『PCA建設業会計V.7』のBPOプランを導入しており、顧問先とライセンスを共有することで、遠隔地の顧問先の業務も一元管理している。企業の税務申告業務にとどまらず、海外展開の支援業務も数多く手掛けている同事務所には、秋田県以外の企業からの依頼も多く、距離を問わずリアルタイムで顧問先と情報共有できる『PCAクラウド』のメリットは非常に大きいと語る。

PCAの会計ソフト全般について、同事務所スタッフの佐々木重之氏(PCA認定インストラクター)は次のように評価している。

「PCAソフトは会計士が作ったソフトであり、会計事務所として見た場合に、監査しやすいソフトといえるでしょう。運用履歴が残ることで、万が一の不正を防げるだけではありません。税制が頻繁に変わる今、多くの会計事務所の本音としては、所員の個人の力量だけで対応するのは難しい時代だととらえています。そのような部分でPCAソフトには総合的に会計業務の効率を高める力があり、トータルな基準値が高いと思います」(佐々木氏)

北林公認会計士事務所 代表 公認会計士 北林 孝雄 氏
北林公認会計士事務所
代表 公認会計士
北林 孝雄 氏

導入後のメリット

未成・完成工事の振替入力がスムーズに

同事務所がクラウドを利用して、『PCA建設業会計V.7』を本格稼働させたのは約2年前。建設業の会計については、一般会計のソフトを応用している企業も多い。同事務所でも顧問先の状況に応じてソフトの使い分けを行っており、現在は複数の建設会社が『PCA建設業会計V.7』を導入している。

佐々木氏の印象では、『PCA建設業会計V.7』が適している企業としては、例えば、外注費や材料費の処理が複雑な企業。あるいは実際に入力する人が経理に詳しくない場合などに、便利さが実感できると考えているそうだ。

「特に未成工事から完成工事への振替の部分は、建設業会計に慣れていないと難しい場合がありますが、『PCA建設業会計V.7』では自動振替の機能があり、経理に不慣れな方でも、非常に便利に使えると思います」(佐々木氏)

『PCA建設業会計V.7』の未成工事振替入力では、決算時に未成工事分のみを完成工事から未成工事へ振替えられ、振替金額も自動集計される。翌期の未成工事から完成工事への振替も自動で処理でき、決算時の振替伝票の起票がスムーズに行える。完成工事振替入力では工事完成時の未成から完成への振替入力ができ、1件の工事で複数の完成振替が可能だ。

「当事務所がお手伝いさせていただいている建設会社様は、工事台帳を非常に正確で丁寧に作っておられるため、未成・完成工事の仕訳がしやすく、後はPCAソフトの振替機能を使えば問題なくパーフェクトに処理できます。完璧な工事台帳という正解がすでにあるので、その後の突合せ、つまり答え合わせも完璧にできます。しかし、建設会社様の中には、工事台帳を正確に付けることが難しい会社様も多いと思います。おそらくそのような会社様が建設業会計ソフトの導入を希望されるのだろうと推測しますが、そのような会社様であれば、この自動振替の機能が、より便利に実感できるのではないでしょうか?」(佐々木氏) 

独自の集計結果資料を作成でき、未収金も見つけやすい

会計事務所としての立場からは、「帳票工房」の機能が非常に便利だと佐々木氏は語る。「帳票工房」とは工事関連帳票を独自に設計・作成できる機能で、「工事別勘定科目残高一覧表」や「工事別未成原価残高一覧表」、「工事別取引先残高一覧表」など多くの集計結果資料を作成できる。同事務所でも「工事別勘定科目残高一覧表」や「工事別補助科目残高一覧表」はよく出力され利用されている。

「完成しているのに未成工事として残っているものがあると、損益計算書の数字まで違ってきます。それを防ぐためにも、これらの帳票類は頻繁に利用しています。常に工事一覧表は出力しており、完成工事の合計額が、損益計算書の完成工事高や材料費、外注費、その他経費などと合っているかをチェックします。一方で未成工事の合計額が貸借対照表の未成工事支出金と合っているかをチェックします。これらのチェック作業が会計事務所の基本的な業務だと考えています。なお、工事別勘定科目一覧表などは、未収金を確認するにも非常に便利で、経理のご担当者様もここを見る癖を付けると、回収できていないものをいち早く見つけることができます。なお、『PCA建設業会計V.7』は経営事項審査や分析系の機能も豊富ですが、当事務所では経営分析を専門に行う担当者がおり、現在は特に使用していません。しかし、顧問先の会社様の視点に立つと、この機能は価値があると思います。自分の会社に何がどれだけ足りないかがわかるわけですから」(佐々木氏)

北林公認会計士事務所 PCA認定インストラクター 佐々木 重之 氏
北林公認会計士事務所 PCA認定インストラクター 佐々木 重之 氏
北林公認会計士事務所 近藤 美紀 氏
北林公認会計士事務所
近藤 美紀 氏
事務所入口にて
事務所入口にて
北林公認会計士事務所 HP
北林公認会計士事務所 HP
構築システム概要

今後の展望と課題

地方の中小企業目線でのソフト作りに期待したい

『PCA建設業会計V.7』について、「その会社が副業などを行っていなければ、猛烈にわかりやすい建設業会計ソフト」と評価する佐々木氏だが、もう少しローカルな中小企業よりの目線も加えてほしいと語る。

「地方の中小企業では個別注記表をよく使うため、この機能はぜひ欲しいですね」(佐々木氏)

同事務所スタッフの近藤美紀氏も、建設業会計の帳票類の出力についてはまだまだ工夫の余地があると指摘する。

「例えば工事収支管理表は、PC画面では全ての工事が表示されてしまい、未成工事だけを表示できないため、その都度印刷しなければ突合作業ができないのが不便ですね。決算書も報告式だけでなく勘定式でも出力ができれば、さらに便利になると思います」(近藤氏)

顧問先の自計化の意識の高まり

『PCA建設業会計V.7』を導入したことで、顧問先の自計化の意識が高まった点は大いに評価したいと両氏は語る。当初は工事台帳を正確に保管していなかったある企業が、『PCA建設業会計V.7』を介した同事務所の指導によって、自力で月次の損益計算書を作れるようになり、一つの工事に対して売上を立てられるまでになったそうだ。
同事務所の方針の一つとして「帳簿はお客様の物。我々はそれを監査するのみ」という考えがある。その上で、質の高いコンサルティング業務を提供しているわけだが、同時に、顧問先で毎日会計を入力している経理担当者の気持ちにも配慮している。

「迅速な予実管理のために、月次決算を遅くとも翌月10日までに、できれば5日までに見せてあげたい。その為に我々の関わりはクラウドによって情報をリアルタイムに修正、共有しています。」(佐々木氏)

現在、同事務所ではPCA以外の多くの会計ソフトも使用されており、それらのパッケージソフトを使う土台として、PCAソフトで培ったナレッジが役立っていると、同事務所代表の公認会計士 北林孝雄氏は語る。

「私共はただ税務申告を行うだけでなく、その先にある金融機関との折衝や海外展開の支援などを見据えた業務が、本来の仕事だと考えています。今後もPCAの会計ソフトを利用しつつ、迅速に、先を見据えたコンサルティング業務を提供してまいります」(北林氏)

ピー・シー・エーから一言

  • PCA コメント

    会計事務所の業務効率化ツールとして『PCAクラウド』をご採用いただきまして誠にありがとうございます。『PCAクラウド』は関与先への遠隔サポートができることから、サービスレベルを落とすことなく質の高いコンサルティング資料を作成する基礎データを取得できるツールであると、多くの士業の皆様より喜びの声をいただいております。

    また、エンドユーザー様からも仕訳や試算表、決算書に触れる機会が増えることで数値に対する興味が増し、経営が見えるようになったとのお声もいただいております。
    士業様・関与先様の双方にメリットのあるサービスですので、今後とも中小企業様の基盤ツールとして『PCAクラウド』をご活用いただければと思います。

    また、『PCA建設業会計V.7 for SaaS』についてご高評をいただきまして誠にありがとうございます。「帳票工房」については開発担当者もかなりの力を注いで実装いたしました機能になりますので、ご活用いただいていることに喜んでおります。ありがとうございます。

    決算書を勘定式で出力できない件に関しましては、新規処理または出力用ツールなどを用意できるよう、今後の開発計画の中で検討していきたいと思います。
    工事収支管理表の画面出力で全ての工事が表示されてしまい、未成工事だけを表示できない点につきましても、今後の開発計画の中で検討していきたいと思います。現状で回避する方法としては、予約工事に未成工事を登録し、集計条件で「予約工事のみ集計する」を選択していただければ、画面でも未成工事のみを表示することが可能です。

    今後も中小企業の目線で、新規機能を検討させていただきたいと開発担当も申しておりますので、引き続き『PCA建設業会計V.7 for SaaS』をご愛顧のほど、宜しくお願いいたします。

様々な導入事例をまとめたガイドブックをはじめ
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